勝たねばならない平塚決戦!アウェーの借りはホームで返せ!
中地区6位の横浜ビー・コルセアーズは、4月10日(水・19時05分 TIP-OFF)に、ホーム「トッケイセキュリティ平塚総合体育館」で、同じ中地区4位のシーホース三河と第34節の水曜日ゲーム1試合を闘う。
三河とは、今節のちょうど1週間前に、やはり水曜日開催でのアウェー戦1試合を闘い、悔しい負け方をしている。この試合でビーコルは序盤から追う展開となり、ビハインドを10点前後に保ちながら終盤での逆転機会を伺った。そして、4Qで猛攻を仕掛けて2点差にまで肉薄。土壇場残り0.9秒でコストナーが、決めれば同点、延長戦突入となるフリースロー2本を得たが1本目を外し、2本目を敢えて外したリバウンド狙いで、起死回生の同点劇を狙ったがこれも外してしまい無念の惜敗を喫していた。
3月27日のアウェー戦では、100点ゲームを喫して敗戦。三河には2試合続けて悔しさを味あわされた格好だが、負けているだけではない。3月3日のアウェー2連戦GAME2では、ビハインドからスタートして4Q中盤に逆転。そこから怒涛のオフェンスで16-0のランを決めるなどして三河を圧倒。10点差での激勝を収めている。
前回対戦で得た土壇場同点の絶好機をものに出来なかったブランドン・コストナーは、1週間後に再び相まみえる三河戦でその悔しさをぶつけてくるだろう。4日間で3試合を闘うといった過酷な日程が続いた中で、その疲労からシュートタッチが落ちてきていたが、コストナーの爆発なくして勝利はない。今節での活躍に期待したい。
1週間前の対戦では、チーム全体に疲労が感じられたことは否めない。後半ではエナジーダウンと見られる場面もあり、本来のトランジションが出来なかった。前節から中3日でどこまで疲労が回復し、コンディションが戻っているかが鍵。開幕からここまで、試行錯誤を繰り返しながら築き上げてきたビーコルのバスケを取り戻したい。
三河は金丸晃輔、アイザック・バッツ、ケネディ・ミークス、桜木ジェイアールを擁するが、その中でも特に要警戒はルーキーの岡田侑大だろう。岡田にはここまで、18得点、15得点、21得点とやられ、1週間前の対戦では12得点とここまでで最も少なく抑えたが、ビーコルが反撃の流れを掴むと必ずといっていいほど、流れを断ち切るシュートを決めてくるだけに、しっかりと抑えておきたい。前節三遠戦で獅子奮迅の活躍をみせた田渡、橋本、中村のマッチアップに期待だ。
気になるB1残留プレーオフ回避争いでは、前節の三遠戦で連敗したことで、回避に暗雲が立ち込めてきた。
ビーコルは、3月16日、17日の第28節北海道2連戦で連勝してワイルドカード9位(当時)に浮上して、残留プレーオフ圏外8位の秋田をゲーム差「1」(順位、ゲーム差は当時)で射程圏内に捉えていた。しかし、そこから8連敗を喫し、浮上のチャンスを続けて逃してきた。
シーズン開幕から試行錯誤が続き苦戦を強いられてきたが、中盤以降で徐々にステップアップを見せ、ウィスマンHCが目指してきたものがようやく形になってきていた。しかし、浮上のチャンスを手にしたところで、まさかの大失速となってしまった。
前々節までは回避を争う秋田が共に負け続け、またビーコルを追っていた滋賀は3勝3敗で、10位(当時)ながらもビーコルと勝敗勝率で並ぶ状態が続き、3チームは均衡状態を保っていた。
前節で、金土ゲームで試合をおこなったビーコルがライバル2チームより先行して試合をおこないGAME1を落としたことで、ビーコルが10位に転落。結果的に前節は、秋田がSR渋谷に連敗、滋賀が福岡に連勝したことで、滋賀が圏外8位に浮上。秋田が「1」ゲーム差で9位転落となった。
現時点でのワイルドカード順位は、10位ビーコルと9位秋田の差がゲーム差「1」。8位滋賀との差が「2」ゲーム差となっている。
ライバルチームの残り試合は、共に今節を入れて5試合。8位滋賀は、今節をホームで京都と1試合、次節をアウェーで名古屋と2連戦、シーズン最終節を琉球とアウェーで2連戦を闘う。9位秋田は今節をアウェーで千葉と1試合、次節をホームで北海道と2連戦、最終節を栃木とアウェーで2連戦。そして、ビーコルは今節をホームで三河と1試合、次節をホームで富山と2連戦、最終節を新潟とアウェーで2連戦を闘うことになっている。
ビーコルのここに来ての低迷は、ディフェンスが一因だ。敗れた三遠戦のGAME2では先発メンバーを大幅に変更し、コストナー、スティーブンソン、帰化選手モリスを併用するビッグラインナップでスタートさせてゾーンディフェンスを多用したが、三遠にゾーンの泣き所である外角からのオープンショットをことごとく決められ、後半で最大28点のリードを許してしまった。改善されたかに見えたディフェンスがシーズンの勝負どころでまた崩れた形だ。
このゾーンディフェンスには賛否があるが、ウィスマンHCはゾーンへの自信と独自の考え方を持って、この策を貫いている。敗れた3月31日の川崎戦GAME2後で指揮官は「私が考えるゾーンディフェンスは、マンツーマンよりもさらに強度を上げたディフェンスをおこなうということだ。ゾーンは相手のリズムも狂わすことも目的としている。だが、今の我々のゾーンディフェンスはそうではなく、ゾーンになった瞬間に強度が上がらない問題がある。こうなるとゾーンは機能せずに、ただの悪いディフェンスになってしまう」と話している。
第29節の対栃木2連戦では、GAME2でこれが機能する場面もあったし、以降の試合でもゾーンで相手を苦戦させる時間帯があったのは確かだ。ところが、残留プレーオフ回避浮上を目前としたところで、ディフェンスへの迷いなのか、プレッシャーなのか、ディフェンスでの連携が崩れてしまった。それが顕著だったのが、もうあとがなくなった前節の三遠戦GAME2だった。チームディフェンスにおいて、もう一度一枚岩になることが必要だ。
B1残留プレーオフ回避の可能性はまだある。残留戦の可能性が出てきた中でビーコルは、如何にして勝っていくか。今節と次節のホーム戦は、 猛進か転進かウィスマンHCが今後の闘い方を決断する重要な闘いとなる。
仮に残留プレーオフとなれば、最初の1回戦は今節と同じ平塚でおこなわれる。平塚で何としても連敗を止めて良いイメージを残し、残留プレーオフ回避の可能性をもう一度高めたい。
【記事・写真/おおかめともき・アウェー戦写真提供/©B.LEAGUE】