ビーコル、川崎からの初勝利逃す。前半でリード奪うも4Qで失速。

国プ今季最終戦を勝利で飾れず。混迷のB1残留PO回避争いはライバルチームがこぞって敗戦。順位、ゲーム差はそのままに。

2018-19シーズン第31節・GAME2(3月31日横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 78-92 川崎ブレイブサンダース
19-17|22-21|19-30|18-24

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 3.31 [SUN] 横浜ビー・コルセアーズ vs 川崎ブレイブサンダース】https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=3443&TAB=B

【ダイジェスト映像】
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横浜ビー・コルセアーズは3月31日、ホーム横浜国際プールでの今季最終戦、今季最後の神奈川ダービーとなる川崎ブレイブサンダースとの2連戦GAME2を闘った。ビーコルは、前半をリードして折り返したが、後半でギアを上げた川崎と一進一退の接戦となり、4Qで相次いだミスから失速をまねき14点差で試合を落とした。

ウィスマンHCは「前半であった強度を継続することが出来なかった。後半では54点を取られてシュートも高い確率で決められてしまった。これでは勝てる試合も勝つことは出来ない」と厳しい表情。ビーコルは今シーズンの横浜国際プール最終戦を勝利で飾れず、Bリーグ発足から負けが続く川崎からは今季も勝利を挙げることが出来なかった。

横浜国際プールでの今季最終戦となったこの試合には4191人の観衆が駆けつけ、試合前にはビーコルのビッグフラッグも掲揚された


ワイルドカード9位のビーコルは、これで5連敗となり14勝38敗。下位4チームに課されるB1残留プレーオフの回避争いでは、ライバルチームがこの日こぞって敗戦した。残留プレーオフ圏外となるワイルドカード8位の秋田がA東京に敗れて今節を連敗。ビーコルを追う10位滋賀も大阪に敗れた(1勝1敗)ため、ビーコルと秋田とのゲーム差「1」、ビーコルと勝敗勝率で並ぶ滋賀との「0」ゲーム差はそのままとなった。ビーコルが持つ8位浮上のチャンスと、10位転落は辛くも守られ、残留プレーオフ回避をかけて争う3チームの順位変動は中2日後の次節アウェー三河戦に持ち越された。

下位4チーム脱却のチャンスからあとがなくなったトーマス・ウィスマンHCは、この試合でスターティング5を変更。ここまで34試合先発が続いていた田渡 凌に代えて細谷将司を25試合ぶりに先発で起用、また竹田 謙を1試合ぶりに先発させた。

23試合ぶりに先発起用されたキャプテン細谷将司。序盤では前日の敗戦後に語っていた走るバスケを有言実行させてみせた


このことについてウィスマンHCは「細谷選手は我々にとっての起爆剤だ。彼がコートにいることで、エナジーがチームに溢れると思った。昨日先発させた田渡選手の調子があまり良くなく、細谷選手は昨日の試合で良いパフォーマンスを見せていたことも考慮に入れた。加えて、細谷選手のオフェンス力が欲しかったこともある。試合前、選手たちに伝えていたのは、ディフェンス面を徹底させていくことだった。昨日のディフェンスでは勝てないという話もした。そのためには、竹田選手のディフェンス力が欲しかった。細谷選手のオフェンス力と竹田選手のディフェンス力がこの試合で必要だった」と試合後に説明している。

1試合ぶりに先発起用されオフェンスリバウンドで奮闘をみせるベテラン竹田 謙


前日のGAME1後に「もっとプッシュして、もっと走りたい。そうすれば流れは絶対に来る」と話していた細谷将司は、試合序盤からこれを有言実行。持てるエナジーを全開させて飛ばした。ビーコルは1Qの出だしから速いペースで得点。開始早々に竹田が3Pシュートを決めるとスティーブンソンが2Pシュート、細谷が3Pシュートを沈めて立ち上がりから幸先よくリードを奪う。

1Qで3Pシュートを沈める竹田 謙


6分には川村のスティールからコストナーが2Pシュート、5分にはスティーブンソンが2本のセカンドチャンス。スティーブンソンは残り2分でも吠えながらにダンクを決めて、ビーコルは快調な滑り出しを切った。

1Qでセカンドチャンスを決めるアーサー・スティーブンソン


ディフェンスでは、アグレッシブなマンツーマンディフェンスでプレッシャーをかけ続け、ファジーカスらのシュートをゴール下で阻止。しかし、残り1分に入って、ファジーカスに2Pシュートを決められるとそこからターンオーバーを連発してしまいファジーカスにレイアップ、篠山にファストブレイクを決められてしまい1Qは19-17。奪ったリードは2点になった。

ビーコルは序盤からアグレッシブなマンツーマンディフェンスを仕掛け、機能した


2Qに入ってすぐ、エドワーズに3点バスケットカウントを決められ、川崎が同点から勝ち越し。さらに川崎はマクリン、藤井らの得点でリードを伸ばす。ビーコルはスティーブンソンのダンク、コストナーの3点バスケットカウントなどで追撃した。

2Qでワンハンドダンクを決めるアーサー・スティーブンソン


6分でスティーブンソンに代わって小原がコートに入った。小原は懸命なディフェンスをみせて川崎のシュートを阻止。1点差の5分には自身が奪ったディフェンスリバウンドから2Pシュートを沈めてチームを逆転させた。

2Qで一時は逆転の2Pシュートを沈める小原 翼


小原のシュートで1点をリードしたビーコルは5分、ここまで3試合プレータイムのなかった高島が入った。高島がアグレッシブに仕掛けた必死のディフェンスはオフェンスの流れを生み、コストナーの連続3Pシュートに繋がった。これで再びリードを奪ったビーコルは、残り2分で川村が3Pシュートを沈めてリードを5点にまで伸ばした。

2Qで3試合ぶりにコートに立ちアグレッシブなディフェンスをみせた高島一貴


以降、藤井、マクリン、篠山の2Pシュートで川崎に逆転を許したが、残り1分を切ってスティーブンソンが自身のオフェンスリバウンドから2Pシュートを沈めてビーコルが逆転。スティーブンソンはさらに終了間際残り1秒で、やはり自身のオフェンスリバウンドからセカンドチャンスを決めて41-38。3点のリードを持って前半を折り返した。

2Qで川崎辻を交わして3Pシュートを沈める川村卓也


3Qは、両チーム共に激しい得点の奪い合いとなり、スコアが目まぐるしく行き来する一進一退の攻防戦となった。ビーコルは前半で機能したマンツーマンディフェンスを継続したが、1点をリードした残り4分、長谷川の3Pシュートで逆転を許してからターンオーバーが相次ぎ、ファジーカスと篠山に2Pシュートを入れられてしまう。川村が2Pシュートとフリースロー2本を決めて4点差に詰めたが、激しく仕掛けたディフェンスからファウルを2本取られてしまい、川崎はこれで得たフリースローを3/4本で決めて差を広げた。残り4秒でビーコルはディフェンスリバウンドから好機を得たがゴール下でパスが合わず、ルーズボールにしてしまい流れを逸する。この直後の川崎のスローインでファジーカスが投じたロングパスから藤井が3Pシュートでブザービーターを決めて、流れが川崎にいったところで3Qは終了。前半でリードしたビーコルは後半3Qで8点のビハインドを背負うことになった。

3Qでレイアップを沈める川村卓也


4Q、川崎がマンツーマンディフェンスに慣れたと見たウィスマンHCはディフェンスをゾーンに変更。しかし、勢いに乗った川崎の流れを止めることが出来ない。その中でスティーブンソンと川村が2Pシュート。7分にはコストナーが倒れながらにレイアップを入れて食らいついたが、差が徐々に開いてしまい5分にはエドワーズにファストブレイクからイージーダンクを許してしまい17点差。さらにはマクリンにレイアップを決められ、19点差になってしまう。

4Q、体制を崩しながらレイアップを沈めるブランドン・コストナー。シュートを決めたあと倒れるほどの強い執念をみせた


ビーコルは、スティーブンソンの2Pシュート、コストナーの3Pシュートで追撃。残り2分から1分にかけて橋本が2Pシュートと3Pシュートを続けて沈めたが、リードを奪い返すのには足りず、そのまま14点差での敗戦となった。

4Qで2Pシュートを沈める橋本尚明。橋本はこの直後にも3Pシュートを沈めた


ビーコルのスコアリーダーは、26得点を挙げたアーサー・スティーブンソン。スティーブンソンは10リバウンドも記録して前日に続くダブルダブルをマークした。

2番手は、3Pシュート4/5本を含む25得点を挙げたブランドン・コストナー。コストナーの20点台は、3月24日の栃木戦GAME2以来2試合ぶりとなった。

川村卓也は、11得点を挙げて3番手。3Pシュートは1/7本も、アシストでは8本を記録して、死力を尽くす奮闘をみせた。

4番手は、3Pシュート1/2本を含む6得点(6アシスト)を入れた細谷将司。5番手は、3Pシュート1/2本を含む5得点を入れた橋本尚明となった。ビーコルはスティーブンソンとコストナーが揃って20点台も、3番手以降の得点が伸びなかった。

チームトップの26得点を挙げたアーサー・スティーブンソン


勝った川崎ブレイブサンダースの北 卓也HCは今シーズン6試合を闘った横浜戦を終えて、ビーコルの印象をこう話している。

「今シーズンは、対戦するたびに外国籍選手が代わっていたので、スカウティングがやり辛かった。日本人選手は代わっていなかったものの、チームの特徴が少し違っていたと思う。そこは対戦するたびにどうしようかと思った。最終的にオフェンス能力の高い外国籍選手が来たのではないか。得点に加えて、リバウンドでも強かった。オンザコート3も出来るので、強みは沢山あるという印象がある。弱点はディフェンスだと思う。去年も今年もそこを突いていこうと話をしていた。それが、点数にも繋がったと思う」

川崎ブレイブサンダース 北 卓也HC


また敗れたトーマス・ウィスマンHCは、この試合をこのように振り返っている。

「前半は、我々がやらなくてはならないディフェンスの強度が徹底出来て、前半の折返しまでは良い試合が出来ていたが、後半でギアをひとつ挙げてきた川崎についていくことが出来なかった。これは今シーズンを通しての課題だが、前半であった強度を継続することが出来なかった。強度を40分間継続することが我々の中で難しいことになっている」

「後半では54得点を取られて、シュートも高い確率で決められてしまった。これでは勝てる試合も勝つことは出来ない。これは、我々が今後の試合で集中していかなければならないところだ」

「我々はやらなくてはならないことが沢山あるが、川崎はやはり素晴らしいチームだった。彼らは必要な時にもうひとつギアを探してきた。我々が彼らを追い込んだ時に、彼らはもう1段ギアを上げてきた。我々にはそれに追いつくだけのギアがなかった。彼らはこの先、残り試合を闘っていく中で、優勝を狙える位置にいる。(下位4チームからの脱出を争う)我々は次に来る試合を勝っていくしかない」

「昨日もそうだったが、今日もターンオーバーからの失点が目立っている。両チームのターンオーバーからの得点は、昨日と今日を合わせて10-42(前日でのビーコルのターンオーバーからの得点は0点)。私はこのターンオーバーからの得点を、ディフェンスから演出する得点と呼んでいるのだが、川崎はこれが出来て、我々には出来なかった。ディフェンスから得点に結びつけられるのが彼らの強みだと思う。我々もこれが出来るようになれば、川崎のようなチームにも勝てるチャンスが生まれてくる」

「川崎は優勝も経験してきたチームで、今季も地区優勝圏内(中地区2位)にいる。(中地区首位の)新潟とは2試合を残して彼らが地区優勝を狙うのには十分な試合を残している。川崎のことはリスペクトしている。現時点では我々にとって格上の相手だ」

敗戦後、悔しさを滲ませながらビジョンモニターに映し出されたスコアを見つめるウィスマンHC


「3Qでは(前半で機能した)マンツーマンディフェンスを続けたが、川崎は我々のマンツーマンに慣れて、得点出来るところを探し出してきたために、4Qの頭ではゾーンディフェンスを敷いた。しかし、そのゾーンディフェンスが機能せずに、ズルズルといってしまう結果になってしまった」

「我々はまだマンツーマンディフェンスを40分間出来るチームではない。そこで、チェンジアップとしてゾーンを使っていくことが重要だと思っている。マンツーマンとゾーンの両方をしっかりと機能させて、勝てるチームになっていくしかないと思っている」

「今日、我々のマンツーマンディフェンスは、24分から25分にわたって強度を継続することが出来て良いものが見れたが、今シーズンを通してみれば我々はディフェンスが出来ているチームではない。やはりディフェンスが我々の弱みだ。私が求めているレベルでのディフェンスを、選手たち各個人がまだ表現出来ていない」

「私はマンツーマンとゾーンを併用することが、このチームの強みになると信じている。ゾーンに関してはまだ徹底出来ていない部分が多くある。この徹底出来ていない部分をしっかりと徹底させていく。今日の前半のようなマンツーマンの強度でやっていければ、我々のディフェンスの理想形が作れてくる。それを追い求めていくだけだ」

「通常ゾーンディフェンスは、高校のレベルでは、ファウルトラブルを避けるためや、選手を休ませるために使うが、私が考えるゾーンディフェンスは、そういったものではない。私がゾーンを敷くということは、マンツーマンよりもさらに強度を上げたディフェンスをおこなうということだ。加えて、相手のリズムも狂わすことも目的としている。それが私のゾーンディフェンスだ」

「今、我々がやっているゾーンディフェンスはそうではなく、ゾーンになった瞬間に強度が上がらない問題がある。こうなるとゾーンは機能せずに、ただの悪いディフェンスになってしまう。栃木戦では、我々がゾーンを敷いた時に、短い時間ではあったものの、強度を上げることが出来た。マンツーマンよりも強度を上げて、ゾーンを徹底することが出来た。これからもこれが出来るようにやっていく」

ウィスマンHCは会見の終わりで自身が求めるゾーンディフェンスについて語った


これが強豪川崎が持つ底力というものか。ビーコルは今回も川崎に勝つことが出来ず、Bリーグになってからの対川崎戦は16連敗になった。ビーコルは前半で川崎を苦しめ、僅差ながらもリードを奪った。3Qでは追い上げる川崎と一進一退の攻防を演じながらも4Qで失速。勝負どころでの終盤でミスも相次いだ。パスミスでシュートチャンスを逸し、ターンオーバーは失点にも繋がってしまった。

オフェンスでの連携で明暗を分けたのが1分を切った3Q最終盤での攻防だった。残り4秒でビーコルはディフェンスリバウンドから好機を得たがパスを合わせることが出来ずにルーズボールに。一方の川崎は、この直後のスローインでファジーカスがロングパスを投じて、これを藤井が繋いでブザービーターで3Pシュートにした場面は、あまりに対照的だった。

ビーコルは、シーズン終盤でようやく今季のチームの形が出来上がってきたが、細かな精度が浮き彫りになってきた。B1残留プレーオフ回避のためには勝利だけが求められる。過酷な日程の中での修正を余儀なくされているが、何としてもこれを改善して勝ちに繋げなければならない。次節は中2日で前回100点ゲームでの悔戦を喫した三河とアウェーで1試合。ビーコルは、残留プレーオフ圏外脱出を目前にすると同時に、ワイルドカード10位転落の危機も抱える崖っぷちの闘いが続く。

【記事・取材・写真/おおかめともき】

 

 

Written by geki_ookame