ビーコル、アウェー三遠戦で手痛い8連敗。B1残留PO回避へ暗雲。


ビッグラインナップ不発。田渡 凌が獅子奮迅の16得点も、B1残留PO回避の踏ん張りどころで厳しい20点差敗戦。

2018-19シーズン第33節・GAME2(4月6日豊橋市総合体育館)
三遠ネオフェニックス 94-74 横浜ビー・コルセアーズ
23-18|25-15|30-18|16-23

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 4.6 [SAT] 三遠ネオフェニックス vs 横浜ビー・コルセアーズ】https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=3474&TAB=B

【ダイジェスト映像】
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【写真提供:©B.LEAGUE】


中地区6位の横浜ビー・コルセアーズは4月6日、アウェー豊橋市総合体育館で同じ中地区5位の三遠ネオフェニックスと第33節となる2連戦GAME2を闘った。1Qで5点のビハインドを背負ったビーコルは、3Pシュートを中心に得点してくる三遠の得点を抑えることが出来ずに、最大で28点のリードを許した。4Q中盤でオフェンスのリズムを取り戻したが、大量失点が響き20点差での敗戦を喫した。ビーコルはこれで8連敗。

ビーコルはこれで14勝41敗。中地区争いでの5位三遠との差は「8」ゲーム差に広がった。

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ビーコルは、2シーズン続くB1残留プレーオフを何としても回避しようと闘っているが、3月16日、17日の北海道2連戦で連勝してワイルドカード9位に浮上。残留プレーオフ圏外へ「1」ゲーム差にしていた絶好機を7試合にわたってものにすることが出来なかった。この間、ビーコルが負けてもワイルドカード8位(当時)の秋田、同10位の滋賀(当時)も負けていたために順位とゲーム差は変動されずに来ていたが、秋田と滋賀の試合がなかった前日のGAME1でビーコルが敗れて遂に9位の座が陥落。10位に転落していた。

この日、滋賀が福岡に勝利、秋田もSR渋谷に敗れたために滋賀が秋田と勝敗勝率で並んだが、得失点差で上回る滋賀が残留PO圏外8位に浮上。秋田は9位に落ちて10位ビーコルとのゲーム差は「1.5」になった。残り5試合で滋賀、秋田との直接対決はなく、ビーコルの残留プレーオフ回避に暗雲が立ち込めてきた。

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残留PO回避へあとがなくなったウィスマンHCは、スターティング5を大幅に変更してきた。川村をベンチスタートさせて、橋本を3試合ぶりに先発で起用。また前日に先発で18得点を挙げた田渡 凌に代えて、帰化選手モリスを2月1日、2日の三遠2連戦以来16試合ぶりに先発で起用し、スタートからスティーブンソン、コストナーと組ませるオンザコート3のビッグラインナップの布陣を組んだ。

前日にB1残留を決めた三遠は前日15得点のシモンズを外してチルドレスをロスター入りさせて先発起用、前日26得点のマクドナルドと組ませた。

3試合ぶりに先発起用された横浜ビー・コルセアーズ#7橋本尚明【写真提供:©B.LEAGUE】

16試合ぶりに先発起用された帰化選手#32エドワード・モリス【写真提供:©B.LEAGUE】


1Q、ビッグラインナップを組んだビーコルに対し、三遠はディフェンスでミスマッチが多くなった。その中で田渡 凌がファウルを奪い、フリースロー2本を決めて2点を先制する。ビーコルのディフェンスはゾーンディフェンスでスタート。8分で田渡 凌が2Pシュートを沈めてリードを伸ばしたが、マクドナルドに外角から2Pシュート、岡田に3Pシュートを許して同点にされる。三遠はゾーンディフェンスで出来た外のスペースから得点し、ビーコルはビッグラインナップで出来たミスマッチを活かせない。失点が増える中で、田渡 凌のフローター、橋本の3Pシュートなどで得点。中盤の時間帯ではビーコルがリードすれば三遠がすぐさま同点に追いつく展開が続いた。残り3分で三遠は田渡修人を投入。その田渡修人に、プレータイム2分35秒の間にオープンショットから3本の3Pシュートを許してしまい、5点のビハインドを背負うスタートとなった。

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2Q、細谷を入れてディフェンスをマンツーマンに変更したが、開始早々から寺園に2Pシュートと3Pシュートを許す。ビーコルは細谷が3Pシュートで得点。8分にはコストナーを入れてオンザコート3に戻したが、太田に2本の2Pシュートを許して差が開く。4分、1Qでシュートがなかったコストナーが、2Pシュートを決めてようやくシュートでの得点。ビッグラインナップになってからは、ディフェンスをゾーンに戻したが、寺園にアウトサイドから2Pシュートを許してしまう。残り2分で田渡 凌がミドルシュート、コストナーが3点バスケットカウントを決めて得点。田渡 凌は攻守にわたって獅子奮迅のハッスルプレーをみせた。

残り1分を切って鈴木にアウトサイドから2Pシュートを許して15点差。ビーコルは、2Qも三遠の3Pシュートを抑える事が出来ずに25点を入れられた。オフェンスではシュートチャンスを作ったものの決め切ることが出来ず、2Qは15得点とスコアが伸びなった。前半を終えて48-53。ビハインドはここまで最大の15点となった。

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3QでウィスマンHCは、川村を入れて、田渡 凌、川村、竹田、コストナー、スティーブンソンの布陣にしてディフェンスもマンツーマンに変更したが、開始早々チルドレスにレイアップを決められてしまい三遠の流れを止めることが出来ない。8分でマクドナルドに3点バスケットカウントを決められると小原を投入したが、これでも止められずマクドナルドに2Pシュート。ディフェンスの強度を上げたもののファウルを取られてフリースローを決められる悪循環が続いた。

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得点では川村とコストナーが3Pシュート、田渡 凌がミドルシュートを決めたが、終盤でトランジションでのペースが落ち、三遠に3本続けてイージーレイアップを決めらるなどして12点ランを許した。コストナーとスティーブンソンが2Pシュートを続けて応戦したが、1分を切って田渡修人にフローター、太田にイージーな3Pシュートを決められてしまい点差が27点と大きく開いてしまった。

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4Qで橋本がゴール下でのディフェンスでハッスルプレーをみせた。気を吐いた橋本は、オフェンスでもモリスに絶妙なパスを出し、モリスはファウルを奪ってフリースロー2本を決めた。

寺園に3Pシュート、マクドナルドにイージーレイアップを許してしまうが、ビーコルは中盤の時間帯でオフェンスの流れを生んだ。スティーブンソンがダンクと2Pシュート、モリスがダンクを決めて追撃。しかし5分でチルドレスにスピンムーブを決められるなどして、三遠の得点を止めることが出来ない。チルドレスの得点のあとで橋本が3Pシュート、4分から終盤にかけては奮起をみせた田渡 凌が3本のミドルシュートを沈めたが、20点差に膨らんだビハインドを埋めるのには十分ではなく、タイムアップを待たずして勝敗が決まった。ビーコルはこれで8連敗。勝った三遠は、4連敗からのホーム連勝となった。

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ビーコルのスコアリーダーは二人。共に16得点を挙げた田渡 凌とアーサー・スティーブンソンとなった。田渡は、前日の18得点に続く二桁得点。29分41秒のプレータイムで終始、獅子奮迅の奮闘をみせた。スティーブンソンは11リバウンドでダブルダブルは5試合連続となった。

ブランドン・コストナーは、この日も得点が思うように伸びず14得点。1Qはフリースロー1/2本のわずか1得点だった。

4Qでハッスルプレーをみせた橋本尚明は3Pシュート2/4本を含む10得点。

エース川村卓也はプレータイム15分12秒で7得点(2アシスト)。この日も執拗なマークを受けてひと桁得点だった。

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この日、刈谷にはB1残留プレーオフ回避がかかる決戦の後押しをしに、横浜からブースターが多く駆けつけ声を枯らした。しかし、チームはB1残留プレーオフ回避でかかるプレッシャーからなのか、過酷なスケジュールからくる疲労なのか、ビーコルは持ち味である速いペースでのトランジションバスケが出来なかった。

「今日の試合は完敗」と試合後に語ったウィスマンHCは「自分たちがやるべきことが出来なかった。この負けを重く受け止めなければならない。しっかりと向き合わなければいけない」と話す。

川崎2連戦から中2日後、4日間でアウェー遠征での3試合を闘ったなかで、負けてはならない闘いが続いた。その疲弊からなのか、この試合でエナジーダウンがあったことは否めない。

3Qの終盤でトランジションのペースが落ち、イージーシュートを多く許してしまったことからビハインドが一気に20点台にまで膨らんでしまった。

前日の敗戦でワイルドカード10位になったこっとでB1残留プレーオフ回避が危うくなったウィスマンHCは、スターティング5を大幅に変更して起死回生を狙うビッグラインナップで挑んだが、これが不発に終わってしまった。

ビッグラインナップを用いたことでゾーンディフェンスの時間帯が長くなり、前半では田渡修人にワイドオープンの3Pシュートを多く許した。外角狙いでくる三遠の得点を止めることが出来ず、巻き返すはずの後半でワンサイドゲームにされてしまった。

最終クォーター前、ベンチが消沈していたことが気になる。チームが結束することが必要だ。

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残り5試合、残留プレーオフ回避の可能性がある以上、前を向き勝ちを奪いにいくしかない。だが、一方では残留プレーオフ回避が危うくなってきた現実がある。ウィスマンHCは「残留争いに行く可能性が高くなっている。その準備もしていかないといけない」と舵の向きを変更することを示唆している。

B1残留プレーオフを乗り越えるためには、選手のコンディション維持と回復、特に怪我だけは避けねばならない。そのためには残り5試合での主力温存が出てくるかもしれない。

次節ビーコルは、中3日後にホームトッケイセキュリティ平塚総合体育館で三河と1試合を闘う。回避にこだわるか、B1残留戦に照準をあわせるのか。残り5試合でビーコルは、難しい選択を迫られるようになった。

【記事/おおかめともき・写真提供/©B.LEAGUE】

 

 


Written by geki_ookame