「僕たちは勝たなくてはいけない。チーム全員で危機感を持って」チーム逆境の中で活躍が期待されるキャプテン・マーシーの想い。
平塚でおこなわれた対三遠GAME2で14得点を挙げ、チームの勝利に貢献した横浜ビー・コルセアーズ#0細谷将司が試合後の会見に応じた。チームが逆境を迎えた中で奮闘するキャプテン細谷に想いを聞いた。細谷にとっては、故郷にほど近い平塚での躍動となったが、チームも激しい一進一退の攻防を制し、1点差での激勝を飾った。
いまビーコルは、逆境の中にある。1月23日の川崎戦でブランドン・コストナーが、1月30日の三河戦でプリンス・イベがゲーム中のアクシデントで怪我を負い、攻守の要が立て続けて戦線離脱した。その後おこなわれた対三遠2連戦でチームは難しい闘いを強いられることになったが、GAME1では後半の失速で試合を落としたものの、翌日のGAME2では、前日とは打って変わった後半の猛攻で勝利。この2連戦は、訪れた逆境を全員バスケで乗り越えた1勝1敗だった。細谷はこう振り返る。
「プリンス(プリンス・イベ)が水曜日に怪我をして、外国籍選手が一人いない状況でも絶対に負けてはいけない2試合でした。その中で、昨日の試合を落としてしまいチームのエナジーが落ちてしまった。その反省から、今日はチーム一丸で、最初から全員でエナジーを出してプレーしていきました。みんなの気持ちがひとつになった結果が、一番の勝因だと思います」
「僕たちは、負けられない状況。プリンスとコストナーがいないことを言い訳にしてはいけない。今いるメンバーで勝つことが大事です。絶対に落とせないという気持ちで臨みました」
「みんなが頑張ったリバウンドも勝因です。特にエド(エドワード・モリス)とアーサー(アーサー・スティーブンソン)。あと翼(小原 翼)も凄く頑張ってくれました。こういったことがチームにエナジーを与えて、良い結果に繋がったと思います」
細谷自身は、この試合でシュート成功率75%で14得点を挙げて、チームの勝利に大きく貢献。自身にとっても3試合ぶりの二桁得点になった。細谷は秋田戦GAME1で21得点を挙げていたが、以降の3試合で5点、0点、0点とロースコアが続き、得点でのカムバックが待たれていた。
「昨日は自分のシュートタッチがよくありませんでした。それで少し消極的になりました。夜に試合のビデオを見たら、全然僕らしくなかった。トム(トーマス・ウィスマン)HC、フェス(フェス・アービン スキルコーチ兼AC)コーチ、アレクさん(湊谷安玲久司朱)、タクさん(川村卓也)、みんなが『お前らしく、ガンガン行けよ』って言ってくれました。それで今日は吹っ切れたんです」
「トムHCには点を取ることを求められています。ここ数試合は低い得点が続き、チームに貢献できなかったことに責任を感じていました。一番に考えているのはチームの勝利です。そのためにエナジーをコートで見せることをいつも意識しています。今日の14得点できっかけを作れたことは良かったと思います。まずはコストナーとイベが戻ってくるまでこれを継続してやっていく。戻ってきてからも、もっとアグレッシブにいくことが僕の持ち味だと思っています。」
細谷の得点があれば、チームの得点力は増す。そして、細谷のガッツ溢れるアタックはチームに勢いと流れを生んでくれる。
「チームの雰囲気を良くするきっかけも作れたので良かったです。これからも、僕がアタックしていくことが大事だと思います」
もう一人のキャプテン湊谷安玲久司朱のシュートタッチも戻り、チームは一人の選手に偏ることなく分散して得点が出来るようになってきている。
「オフェンスのオプションが増えて来ました。いま、やっていて楽しいです。コストナーが戻ってくれば、また違ったオフェンスを展開出来ると思う。(チームは)さらにステップアップ出来ると思っています。ガードとしては、これからが本当に楽しみです」
ビーコルにはB1残留プレーオフ回避がかかっている。ここから落とせない試合が続いていくがチームは全員バスケで挑む。キャプテン細谷もこれを肯定する。
「そうです。あとは全員が意志統一することです。今日の終盤では、みんながタクさん(川村卓也)に打たせて、打ったあとのリバウンドもしっかりと取りにいった。こういった意志統一が出来ていました。これが今日、チームを良い方向に向かわせた要因です。やはり、勝つこと。勝つことだけにフォーカスする。今日、出来たチームプレーを引き続いてやっていきます」
細谷は、ここからの決意をこう語った。
「僕たちは勝たなくてはいけない。チーム全員で危機感を持って臨んでいきます」
大事なシーズン終盤を迎えて、心強い司令塔が大きな波を掴んだ。
【取材・写真・記事/おおかめともき】