古巣とのB1残留プレーオフ1回戦を突破した細谷将司に聞く。


命運賭けたGAME2で17得点を挙げ、GAME3では嫌なムードを払拭する3Pシュートと流れを変えたチャージングで1回戦突破に大きく貢献した我らが小さなガッツマンの想いとは。

西宮ストークスとB1残留プレーオフ1回戦のGAME2とGAME3を闘い、激闘の末に勝利したビーコル。今季最後のホームゲームでもあった横浜文化体育館が歓喜の坩堝になったあとで、細谷将司が会見をおこった。

横浜ビー・コルセアーズ#0細谷将司

 

細谷はGAME2で、ハシーム・サビート・マンカの18得点に続く、3本の3Pシュートを含むチーム2番手の17得点を挙げ、10分間(前後半各5分)のGAME3では、3Pシュート1本の3得点だったが、チームにとって大きな得点となった。

1回戦GAME2でレイアップを決める細谷将司

 

3点のビハインド展開で迎えた後半戦で、いきなりバーンズに3Pシュートを入れられ、チームは嫌な流れになったが直後、細谷がストークスのゾーンディフェンスの境目から3Pを沈めた。3Pを入れられた直後にすぐさま入れ返したのは大きく、反撃の狼煙となった。

細谷の貢献はこれだけに留まらない。3Pを沈めた直後のディフェンスでもガッツ溢れるプレーで流れをもたらした。梁川禎浩のドライブに正面から入り、体を張ったチャージングでシュートを食い止める。細谷は梁川に倒されシュートを入れられたがオフェンスファウルとなりノーカウント。ビーコルの小さなガッツマンは雄叫びを上げ、見事ビーコルボールにしてみせた。

1回戦GAME3後半、バーンズに3Pシュートを入れられた直後の3分46秒に3Pシュートを沈める細谷将司

 

細谷はGAME2とGAME3の勝利をこう振り返っている。

「昨日、GAME1を落としてGAME2を必ず取らなきゃいけない状況になりました。出だしからみんなで気合いを入れていこうと話をしていたんですが、出だしはそんなに良くなくて。2Qぐらいから徐々に良くなり、試合が進んでいくごとにチームとして凄く結束していったという印象がありました。そのままの勢いを大事にしてGAME3に臨むことができました」

「GAME3は、チームではインサイドをメインにして攻めて行こうと話をしていましたが、相手がゾーンディフェンスだったので外からのシュートが増たのですが、僕自身も1本しか決められず、チームとしても確率がよくありませんでした。でもそんな中でサビートとジェフ(ジェフリー・パーマー)がリバウンドとインサイドで凄く頑張ってくれたので、それが勝因だと思います。本当にチームで掴んだ勝利でした」

1回戦GAME2でストークス#13道原紀晃と激しいマッチアップを繰り広げる細谷将司

 

細谷はGAME1で、チーム内に普段にはない雰囲気と緊張に支配されていたことを明かしてくれた。

「昨日はみんなが固くなっていたというか、気合いが入り過ぎていました。このチームは気合いが入り過ぎると良くないんです。僕らはいつも、いい意味で余裕を持っている選手たちが多いので、一気に気合いを入れてしまうと空回りしてしまうんです。チームでそんな話をして、今日はいい意味でリラックスしよう、もっと落ち着いて行こう、とお互いに声を掛け合いました」

「(試合前の)シューティングをしている時も、昨日より雰囲気が全然違っていたので、今日はいい流れが来るかなというのを、試合前から感じていました」

残留プレーオフ1回戦を突破した時の率直な気持ちを聞くと、細谷は少しハニカミながらこう答えた。

「去年と一緒かなと(苦笑)。安心したというか、こういった気持ちはなんて言ったら良いんでしょうね」

ビーコルで2シーズン目の細谷にとっての残留プレーオフは昨季に続いての出場だ。なかなか言葉で言い表せれない複雑な想いが感じられた。それには理由がある。

「僕自身にとっては、古巣との対戦だったので凄く気持ちも入っていましたし、絶対に負けたくないという気持ちもありました」

B1生き残りが掛かる試合。古巣との闘い。かつての仲間との闘い。細谷は氣魄をこれでもかとコートで剥き出しにした

 

細谷は、関東学院大学から社会人、実業団チームを経てリンク栃木ブレックス(現・栃木ブレックス)の下部組織チームTGI・Dライズに入団。の後西宮ストークスの前身チームである兵庫ストークスに移籍し、2014-2015シーズンを闘っている。それだけに苦楽を共にしたチームメイトとB1残留を賭けたこの決戦には、複雑な想いがあった。

「コート上では、かつて一緒に闘った元チームメイトもいたので、凄く不思議な感覚でした。でも、とにかく勝ってうれしい。勝って安心したというか、またもう1試合出来る。このチームで、もう1試合出来るという喜びの方が大きいです」

マーシーと呼ばれ親しまれている細谷は、もうすっかり横浜の海賊になっている。「このチームでもう1試合出来る」この言葉がそれを強く表わしている。

細谷は、残留プレーオフ2回戦に向けて、共に闘うビーコルブースターにメッセージを送ってくれた。

「今日の勝利は、間違いなくビーコルブースターの皆さんの声援のお陰です。本当に感謝しています。あと1試合、皆さんと共に勝つことだけに集中していきますので、熱い応戦をよろしくお願いします!」

ビーコルは、5月19日片柳アリーナでB1残留プレーオフ2回戦を富山グラウジーズと闘う。奇しくも、昨季のB1残留プレーオフ2回戦と同じ5月19日に、同じ相手富山グラウジーズとの決戦だ。しかし、細谷たち我らがビーコルの海賊たちは、普段通りのビーコルのバスケを遂行して、ビーコルブースターと共に因縁の相手グラウジーズを打ち破り、この1戦でB1残留を決める。

【記事・取材・写真/おおかめともき】

 

⬇B1残留プレーオフ2回戦は、奇しくも昨季と同じ5月19日、相手も同じ富山グラウジーズと雌雄決する。決戦の地は片柳アリーナ。詳細はチーム公式HPのこのリンクから見ることが出来る。
https://b-corsairs.com/news/game_20180519.html


Written by geki_ookame