ビーコルブースターのみんなとB1残留を勝ち取れたことは僕の誇り。
5月19日片柳アリーナで、激しい接戦の末に富山グラウジーズを制しB1残留の悲願を果たした横浜ビー・コルセアーズ。選手、チームスタッフ、ビーコルブースターが残留の喜びを共に分かち合ったあとで、細谷将司に話を聞くことが出来た。
2年連続で闘うことになってしまったビーコルのB1残留プレーオフ2回戦。場所こそ違ったが今年も同じ5月19日、相手も同じ富山グラウジーズだった。昨年の2回戦ではビーコルは富山に惨敗したが、細谷はあの悔しさをコートの上で味わっている。
「昨シーズンの残留プレーオフ2回戦で富山さんに当たった時は、0−15の大量ビハインドから始まってしまいました。こういう一発勝負は出だしが全てです。そこをチーム全員で意識して、練習からしっかりと取り組んで来たことが今日の出だしで全て出すことが出来た。これが今日一番大きかったポイントだと思います」
昨年味わった悔しい経験は、今年の残留プレーオフに活かされた。序盤でビーコルは1Qで14-0のランを成功させるなどしてリードを奪い主導権を握ったが、3Qで富山に逆転を許して以降、激しいクロスゲームとなり、4Q残り1分で再逆転するまで耐えに耐えて、勝負どころの流れが来るのを待った。
「追いつかれても、逆転されても、みんなで我慢して、最後にチームプレーが出来た。これが勝因です」
それをあと押ししたのが、地下3階にある片柳アリーナを割れんばかりの大音量で支配したビーコルブースターの怒濤ともいえる猛ブーストだった。
「あれは本当に凄かったです。去年も凄かったですが、今年はそれ以上。試合前から耳が痛くなるほどでした。でも、凄くうれしい痛みでした」
B1残留を決めた時、細谷はチームメイトが整列して喜びを分かち合う中で、ひとり外に立ち、歓喜の咆哮をあげていた。
それから列に入ると、同じポイントガードである田渡 凌と笑顔で抱き合い歓喜をさらに爆発させた。実に美しい光景だった。あの瞬間のことを細谷はこう語る。
「あの瞬間、なんて言ったらいいのかな。終わった… 今年もか… 悔しさもあったし、B1に残れて良かったという嬉しさもあった。まだまだ自分が成長しないといけないとも思いましたし、来シーズンは残留プレーオフに絶対いたくないとも思いました。本当にあの瞬間は、いろんな感情が入り混じっていました」
最後に細谷は、最後まで共に闘ったビーコルブースターにこんなメッセージを送っている。
「今シーズンも、苦しい思いをさせてしまって本当に申し訳なく思っています。でも最後にこうやって、皆さんと一体になってB1残留を勝ち取れたことを誇りに思っています。
「今シーズンも、僕らに付いて来てくれて本当に感謝しかありません。心から感謝しています」
「これからビーコルは確実に良くなっていくと思います。これからもビーコルのことを信じて応援してください。ありがとうございました」
今季、著しく進化成長したひとりである細谷は、今やビーコルになくてはならないポイントガードになった。
幾多となく直面した困難をチームメイトとビーコルブースターと共に乗り越えてきた。苦しみながらも闘い抜き、最後は笑顔で締めくくれた今季の闘い。ここで得た数々の尊い経験が、来季の細谷将司をさらに強く進化させる。
【記事・インタビュー・写真/おおかめともき】