「コミュニケーションをしっかりと取ってチーム全員でハッスルして勝ちにいく」
12月15日と16日におこなわれたホーム大阪2連戦で今季2度目のホーム2連勝を飾った横浜ビー・コルセアーズ。次節は昨季のBリーグ覇者A東京に挑む。連勝を決めた大阪戦GAME2後、キャプテン細谷将司にその意気込みなどを聞いた。
この大阪2連戦の前、チームはディフェンスに苦しみ、今季3度目の大型連敗となった5連敗の中であえいでいた。大阪には前回アウェーで闘った2連戦で連敗しており、今回はリベンジ戦だった。そのGAME1でマンツーマンディフェンスが機能し、3つのクォーターで大阪を10点台に抑え、得点を59点に封じ込めた。試合は接戦となり4Qでは激しいクロスゲームになったが、選手たちは集中力を切らさず2点差で逃げ切り、連敗を止めた。
細谷は、前節のアウェー富山戦を欠場した。前々節川崎戦GAME2後に頭痛を発症し、脳しんとうの疑いがあると診断されたためだった。
「もう大丈夫です」
と細谷は笑うが、この大阪2連戦ではそれを取り戻すかのように奮起した。だが、復帰戦となったGAME1での3Pシュートは0/2で、わずか4得点と停滞した。ウィスマンHCは「今日の試合でリズムを掴んだと思う。明日の試合で点を取ってくれればと期待している」と、細谷を連勝のキーマンにあげていた。
翌日のGAME2も接戦となった。チームが挙げた総得点はGAME1と同じ60得点とロースコアだった。エース川村卓也が前半で12得点を挙げたが、後半で大阪の激しいディフェンスを受けて無得点と停滞。チームもシュートを決め切れず、フリースローの成功にも苦しんだ。それだけに3Pシュートの得点は重要だった。
大阪ディフェンスのプレッシャーはかなりのものだったが、GAME2ではさらに強度が増した。細谷はそれに負けない気持ちで挑んだという。
「タクさん(川村卓也)のところは必ず抑えてくることは分かっていました。僕へのプレッシャーも強かったですが、今日は僕自身アグレッシブにいこうと思っていました。タクさんにマークが集中したときは、僕やリョウ(田渡 凌)、今日だったらアレクさん(湊谷安玲久司朱)、まわりの選手が活躍することがチームが勝つための鍵です。ここは凄く意識してやりました」
3Pシュートを武器にする細谷は、チーム最多の15得点を挙げ、3Pシュートは成功率66.7%の4/6だった。特に1点ビハインドだった3Q 3分21秒で、フリースロー1本を決めて同点にすると、2分48秒では勝ち越しの3Pシュートを沈めて3点のリードを奪った。さらには残り27秒でも3Pシュートを決めて、追いすがる大阪を6点差に突き放した。この活躍で細谷はチーム連勝のキーマンとなり、指揮官の期待に見事応えてみせた。
ウィスマンHCは「3Pシュートが決まっていなければ、今日の試合は勝てなかった。細谷選手の3Pシュート4本が大きかった」と称賛を惜しまない。細谷はこう話す。
「僕に求められていることは点を取ること。3Pシュートを得意としていますし、チームを勢いづかせることが出来ると思っています。1本目のシュートが入ったので、今日はいけるなと思いました」
キャプテンとして細谷は、この連勝をこう見ている。
「とにかく勝利が欲しかったんです。この目標が達成出来たことはうれしく思います。大阪さんは9勝しているので、ウチより格上のチームです。そのチームに2連勝出来たことはチームにとって自信になると思っています」
「ただ、内容が良くありませんでした。チームとしてしっかりと反省しないといけない」
勝利を渇望する中で勝つ目標を達成し、連勝を果たしたものの、キャプテンとしてはやはり内容が気になる。
「オフェンス面が悪かったです。途中までは、70点後半まではいくかと思っていたんですが、結局60点で終わってしまいました。その原因は僕自身も含めたフリースロー(9/20)です。あとはいらないターンオーバーや、決め切ることが出来なかったシュート。こういったところがまだまだ甘い。上位チームは、必ず点を取って勝ち切ってきます。そういうチームになるためには、みんながもっと集中して、練習から取り組んでいくことが大事だと思います」
課題だったディフェンスで成果を残し、2試合を勝てたことは良かった点とする。
「ディフェンスに関しては凄く良かったです。2試合続けて、相手の得点源である二人の外国籍選手も抑えて、50点台に抑えることが出来ました。自分たちが目指してきているディフェンスをひとつクリア出来ました。チームとして、ひとつ成長出来た。ディフェンスでひとつ一歩前進出来たという手応えを感じています」
もうひとつ良かった点をあげるならばチームで55本を奪ったリバウンドだろう。
「リバウンドを取れれば、ブレイクにも繋がります。オフェンスリバウンドを取れば、セカンドをするチャンスが生まれる。ディフェンスからのリバウンド、そしてリバウンドからの速攻が目指す形だと思います」
この連勝で、ディフェンス面での大きな手応えと自信を得たビーコルは次節、昨季のBリーグ覇者アルバルク東京を初めて横浜国際プールに迎えて2連戦を闘う2018年最後のホームゲームだ。細谷はチャンピオンへの挑戦にこう意気込む。
「アルバルク東京戦でも自分たちの全てを出して、勝ちにいきます。今節で掴んだディフェンスの感覚をみんなで共有して、練習でも積み重ねていけばまた良いディフェンスが出来ると思います」
「(今節で出来なかった)オフェンスに関しては、相手のプレッシャーも強いと思いますし、タクさんのところを(A東京も)必ず抑えてくると思います。そうなった時に他の選手がどう動いて、どうやって得点をかさねていくのか。逆にタクさんをどう活かすのか。こういったところをチーム全体でやっていかなけれないけないので、やはりコミュニケーションが一番大事。コミュニケーションをしっかりと取って、チーム全員でハッスルして勝ちにいきます!」
最後に細谷は、共に闘うビーコルブースターにメッセージを送った。
「開幕から比べてお客さんがだんだん増えてきて、今日もそうでしたが、本当にビーコルブースターさんの声援の力を凄く感じています。特に相手のフリースローのところでそれをとても感じました。本当に感謝しています。会場にぜひ足を運んで頂いて僕たちと共に闘ってください!」
昨季の覇者A東京に挑む次節。細谷はキャプテンとして、強豪から勝ちを奪いにいくつもりだ。
【写真・インタビュー・記事/おおかめともき】