ウィスマンHC「敗戦も収穫あり」4選手が二桁得点。川村が個人通算500試合出場を達成。
2018-19シーズン第20節(1月23日 横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 70-79 川崎ブレイブサンダース
24-15|10-21|17-19|19-24
横浜ビー・コルセアーズは、1月23日ホーム横浜国際プールで、同じ中地区2位の川崎ブレイブサンダースと神奈川ダービー第2弾となる1試合を闘い、前回対戦以上の善戦を見せたが、前半でチーム最多得点を挙げていたブランドン・コストナーの負傷退場も響き、惜しくも70-79で敗れた。
ビーコルはこれで8勝25敗。5位三遠が三河に敗れたため、6位ビーコルと5位三遠の差は「5」ゲーム差のまま。ワイルドカード争いでは秋田、福岡が勝利。北海道は秋田に敗れて8勝25敗となり、ビーコルと勝敗で並んだが、得失点差で北海道が10位となり、ビーコルは11位に順位を落とした。12位は滋賀で7勝26敗。
この試合で、川村卓也が個人通算500試合出場を達成した。川村にとっては、1月5日ホーム名古屋D戦GAME1達成したB1個人通算2000得点に続く記録達成になった。
ウィスマンHCは敗戦も「収穫があった」と前を向いた。神奈川ダービーは、ここまで3試合終えてビーコルの3戦全敗だが、その内容は、大敗、善戦、さらに善戦と確実にステップアップしてきている。次回3月13日アウェーでおこなわれる神奈川ダービー第3弾で、次なるステップ「勝ち」を掴む。
川崎の北 卓也HCは「イージーミスが多く、内容的に良くなかった試合」と語った。それだけに悔しさも残るが、今季3回目の対戦で川崎をあと一歩のところまで追い詰めたこの善戦は大きな意味合いがある。
また、20得点を挙げた川村を筆頭に、田渡、モリス、コストナーの4選手が二桁得点を挙げ、得点が分散されたことが大きい。ウィスマンHCは「川村選手だけに頼るのではなく、今日のように他の日本人選手も二桁得点することが出来てくればチームは成長してくる」と評価。また「ディフェンス面でも日本人選手が良くなって来ている」と手応えを口にした。
タラレバはあまり言いたくはないが、2Qで右足を痛め退場したコストナーのアクシデントがなければ勝てていた可能性は高い。チームは着実にステップアップして来ている。心配はコストナーの怪我の状態だ。2Q終盤にコートに戻ったものの後半の出場はなかった。いまビーコルはコストナーを中心に上手くまとまっており、次節は中2日での大事な秋田2連戦がある。それだけにコストナーの状態が心配される。
前回と同じスターティング5、川村、イベ、田渡、竹田、コストナーの布陣を敷いたビーコルは、1Q開始直後からコストナーが快調に内外からシュートを沈めて流れを掴むと、40歳ベテラン竹田 謙が3Pシュートで続いてリードを奪う。3分にマクリンのフリースロー1本で追いつかれたが、竹田の2Pシュートで勝ち越しして、細谷が3Pシュート。さらには、川村が内外からのシュートを3連続で決めて川崎を一気に突き放した。
この試合で2本のブロックショットを記録したイベを起点にアグレッシブに仕掛けたディフェンスも機能。川崎の得点を15点に抑えることに成功して1Qを24-15、9点のリードで終えた。
2Q序盤で篠山、辻に内外から2Pシュートを決められるが、コストナーが川崎の執拗なダブルチームを交わしたセカンドチャンスを決めて突き放す。しかし7分、ここまでチーム最多8得点を挙げていたコストナーにアクシデントが起こる。ドライブからペイントエリアに進入、ディフェンスに入ったバンバを交わした直後に滑って転倒し、右足を痛めてしまった。コストナーはしばらく立つことが出来ず、そのまま退場した。残り39秒で一度はコートに復帰したが、後半での出場はなかった。
川崎は徐々にペースを挙げて、残り1分でファジーカスがインサイドから2Pシュートを決めて同点に追いつくと、マクリンのフリースロー2本で勝ち越し。ビーコルは、コストナーの退場が響いて10点止まり。2Qを10-21、34-36で2点のビハインドを背負った。
3Q6分でビーコルは、イベのダンクで同点にすると細谷のレイアップで勝ち越し。しかし、長谷川に3Pシュート、マクリンに2Pシュート、ファジーカスに2Pシュートと3点バスケットカウントでのランを喫し、逆転を許す。ビハインドが広がったが、ここで川崎にミスが相次ぎ、ビーコルはこの機を逃さず得点していく。
4分と3分で、川村が絶妙な好アシストを2本続けてモリスが2Pシュートを決めて、田渡が3Pシュートを沈めた。さらには2分に湊谷安玲久司朱が3Pシュート、1分に田渡が2Pシュートを沈めて差を4点にまで詰めた。
一気に逆転したいビーコルだったが、4Qで今度はビーコルにミスが相次ぐ。開始早々からターンオーバーが続き、イージーレイアップなどで0-16のランを許してビハインドが18点に拡大する。それでも、川村が3Pシュート1本を含む4本のシュート、モリスが2Pシュートをインサイドから2本、田渡が外から2Pシュートを沈めて怒涛の猛追。2分にはモリスが3点バスケットカウントを決めて6点差にまで詰め寄った。
しかし、1分を切ってファジーカスに連続してインサイドからのシュートを許してしまい川崎を逃がす。残り40秒で、川村が3Pシュートを沈めたが届かず、9点差での敗戦となった。
ビーコルのスコアリーダーは、3Pシュート2本を含む20得点を挙げた川村卓也。川村は7アシストも挙げて得点に繋げた。3Qでモリス、田渡に連続して出した絶妙パスは圧巻だった。
2番手以降は、田渡 凌が12得点。エドワード・モリスが11得点。2Qでのアクシデントで途中退場したブランドン・コストナーは3Pシュート2本を含む10得点だった。コストナーの負傷退場は痛かったが二桁得点が4選手。また川村以外の選手で二桁得点を挙げた選手がコストナーを含めて3人出たことは収穫となった。
試合後、トーマス・ウィスマンHCはこう振り返っている。
「今夜は、選手の気持ちとやる気を見れた試合だった。川崎は本当に素晴らしいチーム。全ての部分で自分たちのベストを出せないと勝てない相手だ。選手たちは本当によくやってくれたと思う。川崎と良い試合が出来る準備がようやく整ったと思っていたが、2Q途中でコストナー選手が怪我をしてしまい難しい状況になった。それにもかかわらず、残っている選手たちが全力でプレーをしてくれて、最後までもつれ込む試合が出来た。見応えのある試合だった。選手たちが本当に頑張ってくれた」
「ディフェンスリバウンドを取り切るということは、私の中で非常に大事なことだと思っている。先週の水曜日は三遠にオフェンスリバウンドを18本取られたが、今日は14本取られてしまった。ディフェンスリバウンドをいかに取れるか。これによって勝敗が大きく変わってくる。ここは修正点だ」
「ポジェションの数では、我々と川崎とのオフェンスリバウンドの差が6本(8/14)、ターンオーバーの差が3本(13/10)だった。相手のほうが9回攻撃回数が多くなり、ペイントの中での得点においても川崎に56点を入れられた。これを止められなかったことは痛かったが、これら全てを踏まえたとしても、選手たちの頑張りで接戦に持ち込むことが出来た。非常に収穫のある試合になったと思っている」
「シーズン当初と比べると、ブランドン・コストナー選手の加入が大きい。彼が加わったことでオフェンスがだいぶ楽になった。プリンス・イベ選手のディフェンス力も大きく、オフェンスとディフェンスが出来るようになった。コストナー選手が来たことで、チームがひとつにまとまりつつある。その中で迎えた今日の試合は、川崎と十分に渡り合えると思っていた。過去の4試合(琉球戦GAME2から三遠戦まで)で、我々は2勝2敗だが、この2敗もオーバータイムでのものだった。今日も川崎から1勝を盗むまであと一歩。我々が、勝てるチームになってきているという自覚がある。あともう一歩で勝ち負けが変わってくると思う。シーズン通してチームは良くなってきている」
「私はポジティブ思考なんだ(笑)。いつでも勝てると思っているよ」
ビーコルの次節は中2日で秋田に乗り込むアウェー2連戦。残留プレーオフ回避のデッドライン8位にいる秋田ノーザンハピネッツと闘う大事な2試合だ。現在「4」ゲーム差で秋田を追うが、何としてもここで連勝を奪い、少しでも差を詰めておかなければならない。
【取材・写真・記事/おおかめともき】
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY】1.23 [WED] 横浜ビー・コルセアーズ vs 川崎ブレイブサンダース】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=3277&TAB=B