修人と凌、田渡ブラザーズ兄弟愛インタビュー!


三遠戦で遂に叶った待望の兄弟対決!

11月4日と5日に横浜国際プールで行われた2位三遠ネオフェニックスとの試合でビーコルはGAME1で勝利して1勝1敗で終えたが、この2試合で大きな注目を浴びたのが三遠#73田渡修人とビーコル#21田渡 凌の兄弟対決だった。

11月4日横浜ビー・コルセアーズ 対 三遠ネオフェニックスGAME1で遂に実現した兄 田渡修人(左)と弟 田渡 凌(右)の兄弟対決【写真提供:©B.LEAGUE】

 

GAME2の試合後、スポナビライブで無料配信されるプロバスケBリーグ専門番組「B.WEEK!!」(無料配信)内での「Hello!B.WEEK!!Fans」 のコーナーで紹介される田渡兄弟インタビューの模様を取材した。

 

バスケの名門京北高等学校、中京大学でプレーし、京北高等学校のバスケットボール部監督を努める田渡 優を父に持つ田渡3兄弟。3人共に京北中学校と京北高等学校を卒業し、長男 敏信(としちか)は東洋大学、埼玉ブロンコスを経て、現在は東京サンレーヴスでプレー。次男修人(しゅうと)は、筑波大学、リンク栃木ブレックスを経て、現在三遠ネオフェニックスでプレー。そして三男 凌(りょう)は、アメリカのドミニカン大学での武者修行を経て、2017−18シーズンから横浜ビー・コルセアーズでプレーしている。

三遠戦の前に三男・凌に話を聞いた時、凌は目を輝かせて、兄・修人との対戦を「誰よりも自分が楽しみにしている」と語っていた。プロとして初めての対戦を終えた兄弟はこう振り返る。

修人:「兄弟で初めてこういう環境でプレーしたので、率直に楽しかったというのが一番の感想なんですけど、昨日は負けてしまったので、兄弟対決というよりも、チームが負けたことが凄い悔しいです。今日は勝てたけど、課題が凄く多かったので、楽しみつつも、悔しい結果になった試合でした」

凌:「自分も同じで、ずっと楽しみにしていた試合だったので、楽しかったですけど、1勝1敗。昨日は勝てましたけど、今日は、いいパフォーマンスが出せないまま終わってしまったので、悔しい結果になりました」

 

 

ビーコルはGAME1で、ネオフェニックスとの接戦を制し勝利したが、GAME2を落し、勝てば今季初だった連勝を逃している。注目の兄弟対決はGAME1、2Q 3分で修人が、凌からターンオーバーを奪い、凌が倒され、兄にシュートを決められる場面もあったが、4Qで凌がやり返す。

ビーコル1点リードの4Q終了間際、川村が外したフリースローをリバウンドしたカルティエ・マーティンが修人にパス。凌はそのボールを奪いスティールすると、それを追った修人がアンスポーツマンファウルを取られてファウルアウト。凌はフリースロー2本を決めてリードを広げてチームの勝利をたぐり寄せ、ベンチに下がった兄に向けて渾身のガッツポーズ。プロになって初の兄弟対決も1勝1敗になったが、素晴らしい名勝負で見せ場を作り、観客を沸かせた

11月4日ホーム三遠戦GAME1 ビーコル1点リードでの4Q残り12秒。カルロス・マーティンが兄修人に出したパスを弟凌がすかさずスティール。修人からアンスポーツマンファウルを奪うとフリースロー2本を決めてチームの勝利を決定付けた。

 

あのアンスポーツマンファウルのことを試合後、兄弟で話したのかは気になるところだ。

修人:「なんも話してないですね。アンスポだと思わなかったので、5ファウルしてベンチ帰ったら、アンスポだっていわれて、びっくりしました」

凌:「僕もファウルもらって、アンスポだっていわれて、ウオッ!となって(笑)。アンスポで退場って、なかなかないじゃないですか」

修人:「するつもりはなかった(苦笑)。ま、あそこでスティールされたのは、大事な局面だったので、凄い悔しかったです。やられたっすね」

 

収録でも二人はとても仲がいい。今節の前にも二人は話をしたばかりだそうだ。

凌:「バスケや、試合のことは、ほとんど話してないんですけどね。僕、ひとり暮らしなんですよ。ヒマでヒマでしょうがなくて、よく電話するんです。くだらないことばかり話してます(笑)」

修人:「必ずと言っていいほどFaceTimeしてくるんで(笑)もうずっとヒマなんだなぁと(笑)」

凌:「顔が見たくなっちゃうんですよ。兄弟愛ってやつです」

修人:「(笑)」

 

本当に羨ましいほど仲がいい兄弟だ。将来、同じチームでプレーしたい願望はあるのだろうか?

修人:「タイミングがもし合って、同じチームになってっていうんだったらいいんですけど、自分から一緒になりにいくってことは、今は思ってないですね」

凌:「僕もないですね。一緒にやれたらいいですけど、僕が『三遠に行きたいです』って言って行けるような世界でもないし、修人くんが『オレ横浜に行きたいです』って言って、『ほいじゃ、来てよ』っていうことでもないと思うんで。ま、もし、そういう機会があったらぜひやりたいですけど」

 

凌は、兄のことを“修人くん”と呼んでいた。これは、なかなか印象的だった。

凌:「僕、ちっちゃいときに、『修人、修人』って呼んでたらしくて、死んだおばぁちゃんに『お兄ちゃんなんだから“くん”付けて言いなさい』って言われて、そこからずっと“修人くん”って呼んでいるんですけど、結構“変だ”といわれます(笑)」

修人:「兄弟っぽくないって言われますね」

凌:「(笑)結構、変ですよね」

修人:「昔からなんで、(そう呼ばれても)何とも思わないですね。普通に“修人くん”って呼ばれたら。“はい”って(笑)」

凌:「ケンカなんかしても、『修人くんっ!!』って言ったり(笑)だから全然、怖くないんです」

修人:「確かに、確かに(笑)」

 

かつて、凌がアメリカに行きたいと言ったとき、修人が先に父に漏らしたことがあったそうだ。

修人:「バラしたのは、本当に申し訳ないんですけど、行きたいって言っていて、正直、凌から父さんに言いにくいだろうなっていうのは思っていたんで、オレが父さんにボソボソって言ったら、すぐに『おい!凌っ!!』って怒って(苦笑)。オレもあまり言わないでって言ったんですけどね」

凌:「あのときは、もともとお兄ちゃんが行ってた筑波大学に行くか、アメリカに行くか迷ってたんですけど、アメリカに行きたいって気持ちが強くて、で、大学どうするの?って話になって(苦笑)。結果いうと、田渡家は口が…」

修人:「軽い!(爆)すぐバレる!」

凌:「(口が軽いのは)“一番下以外”ですね」

修人:「いやいや、“一番下”も、まぁまぁおしゃべりですね(笑)」

 

凌がアメリカに行っていたときも、兄弟は常に連絡を取り合っていたのだろうか。

凌:「してたよね」

修人:「うん。そのときは流石にFaceTimeはあんまりしなかったですけど、LINEとかでですね。バスケの話をするときもあるし、ホントくだらない日常の会話をするときもあったし、オレも凌のことを、尊敬している部分がいっぱいあるから、兄弟という感覚よりも、友達感覚で話してました」

 

凌がアメリカから帰って来たときには、兄修人もその変化には驚いたそうだ。

修人:「もう本当に、見た目でいったら、外人みたいな顔して帰ってきたんで、髪型とかもサムライみたいな感じで髪結んでて(笑)体付きも全然変わりましたよね。昔からリーダーシップがあるやつだったんですけど、よりそれが強くなって、安定感が凄い出たなって見ていて思うし、今回、試合をやっていてもそれを凄く感じましたね」

三遠ネオフェニックス#73田渡修人

 

お互いを尊敬し合う、仲のいい兄弟。そのライバル心は気になるところだ。お互い、ここは負けないというところは?

修人:「シュートですね!シュートは、もう勝てます!」

凌:「僕は、シュート以外です(笑)」

 

なかなか息があったやりとりだったが、凌は兄への兄弟愛を続けた。

凌:「お兄ちゃん、三遠に行って試合に出始めたんですけど、僕、嬉しかったんですよ」

修人:「急に兄弟愛(笑)」

凌:「僕がアメリカにいる間、日本でお兄ちゃんがずっと試合に出れてなかったんです。僕が一番どれぐらいやれるか知っているんで、それがいま三遠で活躍してて、複雑なんですけどね、実際に試合したら。でも、やっぱりうれしいです」

横浜ビー・コルセアーズ#21田渡 凌

 

今やB1で闘うプロ選手同士、兄弟はお互いの成績はあまり見ないと語るが、兄修人は弟の活躍がやはり気になってしまうようだ。

修人:「スタッツとかは見ないですけど、まぁまぁ試合は見てます。それで連絡するときはありますね。北海道の試合だったと思うんですけど、結構アグレッシブに攻めてた試合があって『良かったじゃん』って電話したりしました。でも、それくらいですね」

凌:「本当にバスケの話とかで電話することはないですよ」

2月17日(土)と18日(日)に今度は三遠ネオフェニックスのホーム豊橋市総合体育館で二人の再戦がある。今ビーコルで急激な進化を魅せている弟凌だけに、その頃にはより成長した姿で兄修人と再戦することになるだろう。今から楽しみだ。

この田渡兄弟のインタビュー映像は、スポナビライブで無料配信されるプロバスケBリーグ専門番組「B.WEEK!!」内(無料配信)での「Hello!B.WEEK!!Fans」 のコーナーで放送されている。映像でも田渡兄弟の仲のいいやり取りをぜひ見て欲しい。

(無料)【B.WEEK!!】田渡家の兄弟愛あふれまくり!日本代表チア選考会

【記事・写真/おおかめともき/一部写真提供:©B.LEAGUE/取材協力:スポナビライブ・B.WEEK!!】

 


Written by geki_ookame