1000得点を達成した細谷将司に聞く。


1000得点は、細谷にとっての通過点であり最初の金字塔。「皆さんに感謝しかない」他とは違う“細谷将司”というPGを目指す!

11月7日におこなわれたホーム三遠戦で、B1個人通算1000得点を達成した横浜ビー・コルセアーズ#0細谷将司に話を聞いた。

横浜ビー・コルセアーズ#0細谷将司


1000得点は、選手にとってはもちろん通過点だが、細谷の場合は、他の選手が達成した1000得点とは意味合いが違う。細谷は無名選手からビーコルの主力選手にまで登り詰めてこの記録を達成した。細谷将司の1000得点は通過点でありながら最初の金字塔でもあるのだ。

「こういう記録を達成出来たことは僕自身、信じられない気持ちです。今こうやって1000得点を達成することが出来ましたが、バスケットボールを始めた頃には想像もしていませんでしたから」

1000得点は、追い上げ展開中の4Q。5点差に迫る3Pシュートだった。写真は1000得点を達成した直後にふうっと息をつく細谷。


一度は諦めかけていたバスケを細谷は、苦労と努力を重ねながら続けてきた。身長が同じ173cmの田臥勇太(現・栃木ブレックス)に憧れ、いつか同じコートに立ちたい…。そんな想いをぶつけながら続けた練習が今の細谷の土台になっている。昨年、憧れの田臥と対戦したあとのインタビューで、細谷が目を輝かせながら田臥のことを話していたのを思い出す。

「勇太さんは、本当に夢を与えてくれた選手なんです。僕がバスケットボールを始めたときが、ちょうどNBA(フェニックス・サンズ)にいかれたときでした。夜中にフェニックスの試合があって、勇太さんが試合に出たのを観て、ああいつかこういう風になりたいな、いつかこの人と対戦して、いつか越えたいなっていう想いをずっと持っていたんです」

昨季12月のホーム栃木戦で実現した憧れの田臥勇太とのマッチアップ。


関東学院大学を経て社会人チームへ。それでもプロ選手になることを諦めずにトライアウトを受けて当時の栃木ブレックスの下部チームTGI D-RISEに合格。念願のプロバスケット選手となり、兵庫ストークス(現・西宮ストークス)、サイバーダインつくばロボッツ(現・サイバーダイン茨城ロボッツ)を経て、Bリーグ元年の2016-17シーズンに横浜ビー・コルセアーズに入団。そして、この個性派揃いの海賊集団で、細谷は見事な華を開花させた。

苦労と努力の末に達成した1000得点は、細谷にとっての大きな勲章だ。ここから新たな細谷将司のサクセスストーリーの第2章が始まる。

「1000得点は、僕の通過点でもありますが、他の選手とは違うキャリアを歩んで来たぶん、他にはないまた違ったポイントガード像を与えたいんです。“細谷将司”というのはこういう選手なんだということを、これを機にもっと印象付けていきたいと思っています」

「今だったら、3Pシュートが僕の武器です。クイック3というのが自分の武器だと思っています。他のチームに対して、これが驚異になることが出来れば良いですし、ブースターの皆さんや、Bリーグ関係者の皆さんにも、細谷将司はこういう選手なんだと植え付けられるようにしたいです。これからシュートをどんどん決めていって2000得点、3000得点を達成出来るようにしていきたい。そして、この1000得点を機に他のポイントガードとは違う選手になっていきたいです」

チームが勝利した福岡戦GAME2では、2Qに3連続3Pシュートを決めた


そして細谷は、この記録達成についてこうも語っている。

「この記録を達成出来たのは僕自身の力だけではないです。皆さんの支えがあって、ブースターの皆さんの声援があって、みんなのパスがあって、いいチームメイトに出会えたから今の僕があります。本当に感慨深いです…。皆さんに1000得点達成Tシャツを着てもらいたいですね(笑)」

茶目っ気も忘れないのが、“マーシー”と呼ばれる愛されキャラ細谷将司の所以だ。因みにあの1000得点Tシャツのデザインになっている写真は、弊サイトB-COR MAGAZINEが撮影したものだ。我ながら良く撮れた作品が、記念すべき細谷の記録を飾るひとつになったことは、本当に光栄に思っている。このTシャツはまだ購入出来るそうだ。記事の最後にあるリンクを是非チェックして手に入れて欲しい。

「皆さんにあのTシャツを買って頂いて、あとは川村卓也さんのTシャツなどがいろいろと販売されているみたいなので、そちらのほうも気にして頂いて(笑)。みんなで盛り上げていって欲しいです」

細谷将司の1000得点達成Tシャツ。弊サイトB-COR MAGAZINEが撮影した写真を使って頂いてる。「1000」の部分が凝った作りになっており、メモリアルにふさわしいこだわりの一品となっている


細谷は、ここ数戦で先発出場が減り、途中で流れを変えるシックスマンとして起用されることが多くなった。さぞ気落ちしているのではと、細谷に恐る恐るこのことを聞くと予想外の答えが帰ってきた。

「全然気にしていません。チームが勝つことが大事ですから」

細谷は、いま与えられたポジションを全うする。先発であれ、シックスマンであれ、細谷将司はビーコルの主力であり、唯一無二のポイントガードだ。

「この記録に満足せず、もっともっと上に向かって、チームメイトと共に歩んでいきたい。本当に皆さんに感謝です」

「何回も言いますけど、本当に感謝しかありません。今ここでバスケットボールが出来ていることは、僕にとって奇跡のようなものです。本当に感謝しかありません」

「Tシャツ買ってください(笑)」

今季、湊谷安玲久司朱と共にキャプテンを務める細谷だが、インタビューの受け答えでもキャプテンらしさが漂ってきた。責任と自覚がそうさせたのだろう。明らかに昨シーズンとは違う。チームは、いま苦しい低迷期の真っ只中だが、この1000得点を機に細谷将司はさらに強くなり、他にはない唯一無二のポイントガードとして進化していく。楽しみだ。

1000得点を挙げた細谷は、これからさらなる進化でオンリーワンのポイントガードを目指す

【写真・インタビュー・記事/おおかめともき】

 

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Written by geki_ookame