ビーコル、今季最初の三河戦で僅差までの猛追も大敗。イベの負傷退場響く。


2Qで湊谷が怒涛の5連続シュート!反撃の流れ生む。3Qで3点差に迫る猛追も4Qでわずか5得点の大失速。

2018-19シーズン第22節(1月30日 横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 57-91 シーホース三河
11-24|22-22|19-18|5-27

横浜ビー・コルセアーズは、1月30日ホーム横浜国際プールで、同じ中地区3位のシーホース三河と1試合を闘い、34点の大差を付けられた57-91で敗れた。

ビーコルはこれで9勝27敗。中地区を争う5位三遠とのゲーム差が「7」に広がった。

B1残留プレーオフ回避となるワイルドカード8位にいる秋田と10位福岡が共に敗れたために9位ビーコルと秋田とのゲーム差「4.5」は、そのままとなっている。

今季最初の三河戦を落とした横浜ビー・コルセアーズ


また怪我人が出てしまった。川崎戦で右足を痛め、全治3週間の戦線離脱となったオフェンスの要ブランドン・コストナーはこの試合でベンチ裏からチームをサポートしたが、今度はディフェンスの要イベが、ティップオフでの着地で左足を痛めて退場。以降でプレーすることが出来なかった。

川崎戦で全治3週間の怪我を負ったブランドン・コストナー。ベンチ裏からチームをサポートした


ウィスマンHCは「チーム力が試されている。選手全員がステップアップし、チーム全体で二人の穴を埋めないといけない」と語り、キャプテンの湊谷安玲久司朱は「チームがまとまってやるしかない」と前を向く。B1残留プレーオフがかかる大事な時期に訪れた逆境だが、チームがさらにステップアップするための試練と思おう。ここをチーム一丸で、海賊一丸で乗り越えたとき、チームはさらに進化する。

横浜ビー・コルセアーズ トーマス・ウィスマンHC


大敗の中でしびれる躍動でビーコルブースターを沸かせたのが湊谷安玲久司朱だ。2Qで怒涛の5連続シュートで12得点。キャプテン・アレクの躍動は、チームの反撃に火を付け、水曜日の夜に集まったビーコルブースターを熱くさせた。それでも湊谷は「チームが勝てば良かったんですが、勝てなかった。チームが勝たないと意味がない」と敗戦を悔やむ。しかし、主力選手の怪我が相次ぐ中で魅せたこの爆発は、湊谷自身のきっかけになったと同時に、チームとブースターに勇気を与えたことは間違いない。今季は怪我からの復帰も思うようにはいかず、ここまで得点が伸びなかったが、この二桁得点から湊谷安玲久司朱は巻き返して行く。

2Qでレイアップを決める湊谷安玲久司朱


ウィスマンHCは、スターティング5を前回起用した中村太地から竹田 謙に戻したが、ティップオフで予期せぬアクシデントが起こってしまう。ジャンプボールをしたプリンス・イベが着地で左足を痛めて転倒。起き上がる事が出来ず、チームメイトに支えられながら退場となった。ビーコルにとってはコストナーに続く痛手となったが、アクシデントの直後でタイムアウトを掛けたウィスマンHCは試合後の会見で「選手たちも動揺していた。ああいった状況のあとで、やはり雰囲気が悪くなっていた。頭を下げている選手もいたし、集中出来ていない選手もいた。もう一度、選手たちを引き締め直す必要があった」と語り、ベンチでは選手たちに「ひとり怪我をしたが、ここから崩れていってはダメだ。しっかりと全員がステップアップして、次に闘う選手たちはしっかりと準備していこう。この試合は、たとえ一人を欠いても勝てる試合だ。しっかりとやっていこう」と話したという。

テップオフ直後にプリンス・イベが転倒。左足痛めてしまう


1Q、ミークスの2Pシュートで先制されたビーコルは、川村が沈めた内外からのシュートで逆転したが、ミークスにインサイドから2Pシュートを決められ最逆転を許す。イベがいない中で、何とかディフェンスを立て直したものの、徐々に破られて失点がかさみビハインドが増えていった。

9点ビハインドの4分にスティーブンソンが、ダンクと3点バスケットカウントで得点したが、金丸、ミークスに得点を許してしまい1Qは11-24。13点差を追うスタートとなった。

2Qでダンクを決めるアーサー・スティーブンソン


2Qに入っても失点が増えたが、7分でスティーブンソンがセカンドチャンスを決めると、湊谷がアウトサイドから2Pシュート、6分にもスティーブンソンがインサイドから2Pシュートを決めた。ここからキャプテン湊谷安玲久司朱が爆発的な躍動を見せる。5分から3分にかけて2Pシュートを内外から次々に沈めた圧巻の5連続シュート。このクォーターで湊谷は12得点を挙げた。

2Qでフェイダウェイシュートを決める湊谷安玲久司朱


これで火が付いたビーコルは中村が2Pシュート、モリスとスティーブンソンがダンクを決めて33-46。2Qは22-22の互角にまで持っていき、1Qと同じ13点差で後半に突入した。

2Qでバックショットを決めるエドワード・モリス


3Qでビーコルは猛反撃に打って出た。8分に川村がペイントエリアに切り込んで2Pシュートを決めると、川村、田渡、竹田(連続)、スティーブンソン、田渡がそれぞれ2Pシュートを沈めた12-0のランで3点差にまで肉薄。しかし終盤でターンオーバーを3本続けてしまい、それらが全て失点に繋がった。ビハインドは再び二桁になり、目前にまで迫っていた三河を逃した。

3Qでレイアップを決める田渡 凌


4Qで再び猛攻を仕掛けたいビーコルだったが、最後のクォーターで大失速してしまう。得点はスティーブンソンと田渡が入れた5点のみ。もったいないターンオーバーはこのクォーターでも多発し、計27失点を許した。最終スコアは57-91、34点差をつけられた大敗で今季最初の三河戦を落とした。

ビーコルのスコアリーダーは16得点を挙げたアーサー・スティーブンソン。スティーブンソンは15リバウンドも挙げて秋田戦GAME1以来となるダブルダブルをマークした。2番手は川村卓也の12得点。さらに川村は5アシストも記録。三河戦に続いて、この試合でも好アシストを連発して得点に繋げた。

ゴール下からパスを出すエース川村卓也


2Qで怒涛の5連続シュートを決めた湊谷安玲久司朱は12得点でチーム3番手。湊谷にとって、この12得点は今季の自己最多得点であり、二桁得点も今季初となった。

湊谷はしびれる5連続シュートでビーコルブースターを熱くさせた


敗れたウィスマンHCは、会見でこう振り返っている。

「最初の(イベの)アクシデントがやはり大きく響いた。大事な選手があの時間帯から怪我をしてしまった。怪我があったことは仕方がない。しかし、中1日でまた試合がある。ここから試合が続く中で、これは非常に厳しい。一人の選手がまた怪我をしてしまうと勝敗にも関わってくる。勝てるものも勝てなくなってしまう。」

「アクシデントが影響して、出だしがスロースタートになってしまったが、そこから何とか立ち直した。選手たちが、やる気と強度を上げてくれて、3点差に詰め寄るところまでは持っていけた。(コストナーの離脱で)外国籍選手を一人欠き、チームの核となる選手が抜けている状態で三河とやり合うのは難しい。4Qで19点差にされた時に、中1日後におこなわれる次の試合のことも視野にいれないといけなくなった。あの時間帯で出したベンチの選手たちは準備が出来ていなかったが、そのことは選手たちに伝えた」

「(コストナーとイベのアクシデントで)選手が二人いなくなる可能性があるが、仮にそうなった場合、たとえ他の選手がステップアップしたとしても二人の穴を埋めることは出来ないだろう。チーム力が試されている。選手全員がステップアップしないといけない。チーム全体で二人の穴を埋めないといけない。後半が始まってすぐに、このことをを少し見ることが出来た。チームとして頑張って闘おうとする姿勢も見ることが出来た。あれが40分間継続出来るようになれば、どんな相手でも、怪我人が続出しても勝てると思う。3Qで見せたあのエナジーが必要になってくる。そこだけしっかりとやっていけば、活路を見出すことは出来る」

試合後に会見する横浜ビー・コルセアーズ トーマス・ウィスマンHC


次節までは中1日。平塚に三遠ネオフェニックスを迎える2連戦だ。

【取材・写真・記事/おおかめともき】

 

 

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY】1.30 [WED] 横浜ビー・コルセアーズ vs シーホース三河】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=3305&TAB=B

 


Written by geki_ookame