ビーコル、今季最後の神奈川ダービーで川崎からの勝利を狙う!


残留PO圏外秋田まで1差、今度こその下位4チームからの脱出チャンスを何としてもものにする!

横浜ビー・コルセアーズは、3月30日(土・18時05分 TIP-OFF)と31日(日・14時05分 TIP-OFF)に、ホーム横浜国際プールで同じ中地区2位の川崎ブレイブサンダースと今季最後の神奈川ダービーとなる第31節の2連戦を闘う。

この試合は、GAME1、GAME2ともに「KOWA presents バンテリンDAY」としておこなわれる。

中地区2位の川崎(33勝17敗)は現在4連勝中。「2」ゲーム差で首位の新潟を追っている。迎え撃つビーコルは前節アウェー三河戦で敗れて2連勝後の3連敗。14勝36敗で同地区6位。下位4チームに課せられるB1残留プレーオフ出場回避を目指している。その指標となるワイルドカードの順位でビーコルは9位を引き続いて堅持。3連敗するも、残留プレーオフ圏外の8位秋田も5連敗中と「1」ゲーム差での均衡状態が続く。秋田は今節を東地区3位のA東京と2連戦を闘うだけに、ビーコルはこの今季最後の川崎戦で、今ある残留プレーオフ圏外浮上への好機を是が非でもものにしたいところだ。

前回3月13日川崎市とどろきアリーナでおこなわれた神奈川ダービー横浜対川崎戦


ビーコルは川崎にここまで勝てていないが、シーズン終盤にかけて徐々に熟成が進むチームは川崎と善戦を続けており、前回3月13日のアウェー川崎戦では76-83のスコアで7点差敗戦も、勝利まであと一歩だった。

1Qをリードして終えたビーコルは、2Qで川崎に逆転を許してビハインド展開になったが、3Qで橋本尚明が攻守にわたる活躍を見せて猛追開始。残り3分でリードを奪い返して逆転に成功した。しかし4Qで3Pシュートを中心に得点を入れてくる川崎に再び逆転を許して敗れている。

この試合で橋本はシュートタッチが冴え渡り、3Pシュート4/5本を含む12得点。4Qでは連続して3Pシュートを沈め、チームの反撃に火を付けている。橋本は、千葉2連戦から先発が6試合続いていたが、栃木2連戦で無得点が続いたことからその後の2試合では先発から外れた。前節三河戦で途中出場した橋本は奮起をみせて3Pシュート2/4本を含む12得点と躍動。前回川崎戦で反撃の中心にいた橋本は、今節での鍵を握る選手のひとりになっている。

前回川崎戦で14得点と大きな躍動をみせた横浜ビー・コルセアーズ#7橋本尚明


前回対戦でのビーコルのスコアリーダーは19得点(16リバウンドでダブルダブル)をマークしたアーサー・スティーブンソン。チーム2番手となる13得点を挙げたブランドン・コストナーと共にオフェンスの起点となった。スティーブンソンは、前節三河戦でもチームトップの15得点を挙げている。

前回対戦でチーム最多19得点。さらには16リバウンドでダブルダブルをマークした横浜ビー・コルセアーズ#34アーサー・スティーブンソン。


ブランドン・コストナーは三河戦でチーム2番手の14得点だったが、シュートタッチに苦しみフィールドゴールは3/11本だった。

チームは中2日、中1日で試合が続く過酷な日程の中で、残留プレーオフ回避争いを闘わなければならず、コンディションの回復と維持が難しくなっている。20点台の高い得点が3試合続いていたコストナーが前節で14得点に終わったことは、このことも影響している可能性がある。

前回対戦での横浜ビー・コルセアーズ#34ブランドン・コストナー。2月9日に怪我から復帰して以来、先発出場が12試合続く。そのプレータイムは12試合全てが30分以上で獅子奮迅だ


3人目の外国籍選手となったジョナサン・ホームズは栃木戦GAME2でデビューして14得点を挙げた。ホームズはチーム連携と日本のレフェリーへの対応に課題を残したもののポテンシャルは示した。ウィスマンHCは決戦となる残り10試合で、コストナー、スティーブンソン、ホームズの3人で外国籍選手をまわしていくことを明言しているが、今節でどのような起用をみせてくるか注目だ。

3月24日の栃木戦GAME2でデビューし14得点を挙げた横浜ビー・コルセアーズ#12ジョナサン・ホームズ。フリースローでも高い成功率をみせた


エース川村卓也は、前回の川崎戦でマークに苦しみ前半で無得点だったが、後半で9得点を入れて自身の個人通算8000得点を達成させている。今節でも執拗なマークを受けることは必至だが、エースのここぞでの得点に期待したい。

横浜ビー・コルセアーズ#1川村卓也。前回川崎戦では後半で9得点を挙げ、自身の8000得点を達成させた


川崎には、日本代表の点取り屋であり帰化選手のニック・ファジーカスとシェーン・エドワーズに18得点を許し、やはり日本代表の辻 直人と篠山竜青に3Pシュート4/8本を含む16得点、3Pシュート1本を含む9得点を入れられている。

前回1月今節と同じ横浜国際プールでおこなわれた横浜対川崎戦で、川村卓也とマッチアップする川崎ブレイブサンダース#22ニック・ファジーカス


前回対戦でウィスマンHCは、川村をベンチスタートさせて代わって竹田 謙を先発で起用するディフェンス重視の布陣を組んだが、川崎に51.5%のシュート確率でやられてしまっている。指揮官は「川崎のようなエクスキューション(遂行)が上手いチームと闘っていくうえで、我々は必要であったディフェンスのエクスキューションが出来なかった。これを改善していければ、格上のチームにも勝てるようになってくる」と話している。ファジーカス、辻、篠山らの得点を如何にして抑えるか?

横浜ビー・コルセアーズ トーマス・ウィスマンHC。闘将は今節の前日に70歳の誕生日を迎えたばかりだ


また、フリースロー成功率の差も勝敗を分けた。川崎の6/6本100%に対してビーコルはフリースローを10本も得ながら、決めることが出来たのはわずかに3本の30%だった。今節でフリースローは大きなポイントになってくる。

両チームのスタッツ比較では、リバウンド、ブロック、スティールでビーコルが上回っている。リバウンドとスティールで優位に立てていることは、それだけシュート機会が多くなるということだが、前回対戦では川崎の66本を上回る74本のアテンプト(試投)がありながら、決めることが出来たのは32本。シュートの成功率も43.2%と低かった。リバウンドとスティールから奪ったシュートチャンスをどこまでものに出来るか。フリースロー成功率と共に勝利への鍵を握ってくる。

両チームのスタッツ比較では、リバウンド、ブロック、スティールでビーコルが上回っている


ビーコルは川崎にここまで勝てていない。このことを指揮官トーマス・ウィスマンは「我々は今シーズン、今まで勝てていなかった琉球や名古屋に勝っている。川崎に苦手意識はもっていない。今シーズン、川崎とはまだ2試合残されている。我々には2回勝つチャンスがある。この2つとも勝ちを取りにいくつもりだ」と苦手意識はないと明言。加えて「我々は今シーズン、トップクラスのチームに勝っている実績がある。我々には勝てるポテンシャルがある。勝利を実現させる能力はあると思っている」と勝利への自信ものぞかせている。B1残留プレーオフ圏外浮上が目前となって挑む今節の川崎戦。2連戦の前日に70歳になったばかりの闘将は、どのような策を持って川崎から勝利を奪いに行くのか注目だ。

B1残留プレーオフ圏外脱出まで「1」ゲーム差の状態がここ数戦で続く。だが、このチャンスはいつまでも続くとは限らない。ビーコルを追うワイルドカード10位の滋賀が「1」ゲーム差にまで迫ってきている。今節で滋賀は大阪と2連戦を闘うだけに、9位の座も危うく予断を許さない状況だ。

前節では三河にエナジーで上回れ、100点ゲームでの敗戦を喫したビーコルだったが、途中出場した橋本と小原がエナジー溢れるハッスルプレーをみせた。今度はこれをチーム全員でやり、勝利への強い気持ちと持てるエナジー全てをぶつけなければ川崎に勝つことは出来ない。混迷を極めてきた残留プレーオフ回避争いの中でおこなわれる今季最後の川崎ダービーで、ビーコルには勝利のみが求められている。

【記事・取材・写真/おおかめともき】

 

 


Written by geki_ookame