チームありき、仲間ありきで達成した8000得点の偉業!
3月13日川崎市とどろきアリーナでの対川崎ブレイブサンダース戦で横浜ビー・コルセアーズのエース#1川村卓也が個人通算8000得点を達成した。帰化選手を除く日本人選手での8000得点達成は、折茂武彦(レバンガ北海道)と城宝匡史(ライジングゼファー福岡)に次ぐ3人目。
この試合の3日前におこなわれた千葉戦GAME2で17得点を挙げて達成まであと「9」にしていた川村は、前半で無得点も、後半に入った3Qで2本の2Pシュートで4点を入れ、4Q残り2分8秒で3Pシュートを決めて7998得点とした。
この直後の1分21秒、コストナーからパスを受けた川村はそのままペイントエリアに切り込むと体勢を崩しながらレイアップを決めて得点。これが8000得点目となった。
日本人初めての高卒プロバスケ選手としてプロのキャリアをスタートさせてから14シーズン目での偉業達成となった。
「ここまでのキャリアの中で、途中、怪我もあって、いろいろと苦労してきましたけど、やはりサポートしてくれているコーチ陣、スタッフ、チームメイトがいて得点に結びついていると思っています」
「チームありき、仲間ありきの1点、2点が積み重なって出来た8000得点だと思っています。周りのサポートなしでは、ここまではこれませんでした。自分に関わってくれている全ての皆さんに感謝しています」
盛岡南高校を卒業後川村は、2005年、当時のオーエスジーフェニックス(現・三遠ネオフェニックス)に入団してプロのキャリアをスタートさせた。2008年からはリンク栃木ブレックス(現・栃木ブレックス)に移籍。この時期の栃木は2008-09シーズン途中からと2009-10シーズンで、現・横浜ビー・コルセアーズの指揮官トーマス・ウィスマンがヘッドコーチを務めており、川村はウィスマンのもとで2008-09シーズンで得点王に輝き、2009-10シーズンにはチーム優勝も経験した。
今シーズン、そのウィスマンと再びタッグを組むことになり、奇しくもその最初のシーズンでこの偉業が達成されたことに奇遇な縁を感じる。ウィスマンHCは8000得点達成を達成した川村にこんな賛辞を贈っている。
「川村選手が入れた8000得点のうち、その何点かは私のもとでやっている時の得点だ。彼が8000得点を達成出来たことをうれしく思う。彼はもともとスコアラーだと思っているし、得点能力に長けている選手だと思っている。前半0点だったにもかかわらず、後半で9得点した。こういったところが、このチームにとっての助けだと思っている」
川村にとって、8000得点はまだまだ通過点だ。9000得点、そして1万得点へ。ビーコルが誇るオフェンスマシーンはさらに得点を積み重ねて、チームを勝利へと導いていく。その姿は、声援を送るファンの心を熱くさせる。
「僕が1点でも多く点を取ることや、ひとつのシュートに対して、ブースターの皆さんやファンの皆さんが楽しんでくれているのを自分でも感じています。僕が点を取ることで皆さんがワクワクしてくれるのであれば、それが“川村卓也”だと思います。点を取れる選手として評価をしてもらってきたなかで、先を見据えて、どんどんと、これからもひとつひとつ積み重ねていきたい」
今年の1月には川村が追いかけている存在レバンガ北海道のレジェンド48歳折茂武彦がプロ26年目で1万得点を達成している。
「折茂さんは、ずっと追いかけている選手なので、これからも1点でも多く取って、折茂さんの1万得点に追いついていけれるように、自分らしくやっていきたいなと思います」
8000得点を達成した中2日後に、川村はその折茂がいるレバンガ北海道とB1残留プレーオフ回避をかけて雌雄を決する。
【記事・取材・写真/おおかめともき】