地元のチーム横浜ビー・コルセアーズを応援したい!ビーコル選手に来て欲しい!先生と児童たちの願いが叶った夢の交流イベント!
横浜ビー・コルセアーズが9月に、横浜市戸塚区にある横浜市立境木小学校でおこなわれた先生と6年生児童たちが企画したイベント『コロナに負けない海賊たち!』に参加し、児童たちとの交流を楽しんだ。
ビーコルからは、地元横浜出身選手の小原 翼と須藤昂矢、植田哲也代表取締役、MDを担当する佐藤克明、広報の植木明日香が参加。今回の交流イベントは、まだ外出制限がおこなわれていた6月に新型コロナウイルス禍の中で児童たちと年間を通した取り組みが何か出来ないかと考えた同校の6年生担当教師・有山康明さんが、ビーコルにダメでもともとと思いの丈を綴った1通のメールから始まった。
「新型コロナウイルス禍の中で頑張っている地元のチーム・ビーコルを応援したい!盛り上げたい!」そんな想いのこもったメールを受け取ったのは、横浜ビー・コルセアーズの代表取締役・植田哲也だった。これを読んだ植田は快諾して返信。以来、メールやWeb会議を繰り返しながら企画を育て、今回の『コロナに負けない海賊たち!』が実現した。
交流イベントでは、小原と須藤が学校内に入る前から児童たちの待望ぶりが感じられて二人とも驚いた様子だった。会場の体育館に入ると、憧れのビーコル選手の登場に大きな拍手が沸き起こり、先生と児童たちには笑顔が溢れた。
「生徒たちは、新型コロナウイルスの影響から楽しみにしていた行事がいくつもなくなっていたので、この『コロナに負けない海賊たち!』をみんなで心待ちにしていたんです」(有山先生)。
会場の体育館には39名の6年生児童が集まった。中には生原秀将やエドワード・モリスらのTシャツを着たビーコルファンの児童たちの姿もあった。
児童たちが心待ちにした交流イベント『コロナに負けない海賊たち!』は、まず樋代洋子校長の挨拶から始まり、植田代表取締役が挨拶。そして小原と須藤が挨拶した。続いて、ビーコルグッズを担当するMDの佐藤と植木広報が児童たちにそれぞれが担当する仕事内容を説明した。
佐藤はビーコルグッズの出来るまでを説明。特に今季は新型コロナウイルスの感染防止から新しいアリーナ観戦様式になるために、叩いて応援するB-CLAPが重要になるといった話を披露。植木広報は、自らの仕事の中から例を出して「例えば、いろんな媒体各社にビーコルの名前を出してもらう時に『横浜ビー・コルセアーズ』の中にある『・』がきちんとあるかどうかをチェックするのも私の仕事なんです」と分かりやすい言葉で説明していた。
さらには、ビーコルがいま抱えている課題を児童たちに問い、意見を求めた。これは有山先生と植田が授業の側面も持たせたいとの考えから取り入れられたコーナーだった。課題には「多くの人に横浜ビー・コルセアーズを知ってもらうにはどんなポスターを作ればいいか?」といった内容もあり、これまでにビーコルが作ってきたポスターを児童たちに見てもらい、どれが一番印象に残ったかといった問いかけをしていた。児童たちからは、意外にも選手を使ったものよりも、ボールだけといったイメージ的なデザインが印象に残ったといった意見も出ていた。出来たばかりだった今季の開幕ポスターを見せると「これが一番カッコいい!」といった素直な意見が飛び出して会場は笑いに包まれていた。
このあと、児童たちお待ちかねのビーコル選手・小原と須藤のコーナーになった。質疑応答では、バスケットボールのことやプライベートのことなど、様々な質問が飛び出た。ひとつひとつ丁寧に答える選手たちに、児童たちは目を輝かせながら聞き入っていた。
続いておこなわれたビーコル選手たちのプレー実演では、小原と須藤がロングシュートやダンクを披露し、児童たちは目の前で見たプロのBリーガーの妙技に驚いていた。小原は「本当は、生徒たちとプレーをしたかった」と感染防止のためにプレーが出来なかったことを残念がっていた。ある児童のひとりは「今回は出来なかったけど、いつか一緒にプレーしてみたい」と話し、新たな夢が出来たようだった。
最後に小原と須藤が児童たちに持参したプレゼントを手渡して交流イベントは終了した。児童たちは、大きな拍手で両選手を見送り、楽しい時間を与えてくれた小原と須藤に感謝の気持ちを伝えていた。
参加した児童たちに感想を聞くと「選手たちがとても大きくてびっくり」「夢みたい」「とても楽しかった」と興奮気味に話してくれた。
イベントを終え、充実した表情を見せていた有山先生はこう話してくれた。
「毎年クラス内でおこなっている総合的な学習がありまして、これは教科書がない学習なんですけど、子どもたちと話し合って内容を決めるんです。今年に限っては、やはり新型コロナウイルスの影響がありましたから、コロナウイルスで困っている人たちを自分たちの力で少しでも応援したいといった気持ちが強くありました。
様々な意見が出た中で『バスケを観に行ったことがあるからバスケがいい!』といった流れになりまして、もちろんバスケを知らない子供たちもいましたけど、知らないことを学びのチャンスと捉え、コロナ禍の中でも頑張る地元のスポーツチームを盛り上げたいという気持ちをメールさせて頂いたんです。
ビーコルのホームページにあった問い合わせ先からダメもとで送ったのですが、植田さんから快諾の返信を頂きました。これはあとから知ったのですが、植田さんがまさかの代表取締役と知って驚き、非常に恐縮しました(笑)。植田さんからはZOOMを使ってオンライン打ち合わせをしましょうとご提案頂いて、交流イベントへのアイデアも沢山頂きました」
「私自身もbjリーグ時代にビーコルを応援しに行ったこともありますし、クラスの中にはビーコルファンの子たちが何人かいるんです。彼らはビーコルの選手たちにバスケを指導してもらったり、試合での選手入場でエスコート役をやったりしていて、そういったことも、今回の交流イベントを実現させる熱意につながったのかもしれません。
私としては、教師として、彼らがその熱意でひとつの目標に対して、クラスを引っ張っていってくれるのではと期待した部分もあったのですが、彼らは私が思った以上に頑張ってくれて、この夢のような企画を実現させてくれました。
新型コロナウイルスの影響で、子どもたちは運動会もなくなってしまいましたし、楽しみにしていた行事がどんどん削られていたので、少しでも子どもたちに楽しい思いをしてもらいたいといった気持ちもありました。
交流イベントが終わって教室に戻った時に、子どもたちの高揚感が強く伝わって来たんです。本物の選手に会うことって、本当に違うんだなと感じずにはいられませんでした。
今日、交流イベントの前に、小原選手の情報を知っている生徒がいて『小原選手は身長が198cmあるんだよ』って話していたんです。その時は『そうなんだ』といった感じだったんですけど、実際にお会いして目の当たりにした時には『こんなにも違うんだ!』と驚いていました。
バスケが好きな子もそうでない子、またバスケをやっている子、そうでない子も、今日は大満足な一日になったのではないかと思います。将来彼らが大人になって、2020年はコロナで大変だったけど、みんなでビーコルとコラボして、応援して、交流イベントを作ったな、楽しかったなと、今日感じた新鮮な驚きと喜びを思い出してくれるのではないでしょうか。そして、今日経験したことを将来、何らかの形で活かしてくれたら、うれしいですね」(有山さん)
小原と須藤は参加した感想をこの様に話している。
「とても楽しいひと時でした。それだけに生徒さんたちとプレー出来なかったことが本当に残念。これまでであれば、子どもたちとバスケをプレーしながら交流することが出来たけど、新型コロナウイルス禍になってからは、交流イベント自体が出来なくなってしまいました。今回ようやく、こういった訪問イベントが出来て、僕自身本当に楽しかったですし、みんなの笑顔を見ることが出来て、本当にうれしく思いました」(小原 翼)
「小学生の皆さんと交流する機会はなかなかないので、とても貴重で良い経験が出来ました。これからもこういった機会を大事にしていきたいです」(須藤昂矢)
横浜ビー・コルセアーズでは、今回のような学校訪問を積極的に増やしていきたい考えだ。「頂いた全てのご依頼に答えられるかは、スケジュールなどもあって分からないのですが、求められるニーズがあるのであれば、それは我々の使命ですから、出来る限り実現させていきたい。今回参加させて頂いたような交流イベントをこれから増やしていきたいと思っています。ぜひ一度、お問い合わせして頂けたらと思います」(植田代表取締役)
児童たちの笑顔が溢れに溢れた今回の交流イベントは大成功に終わった。後日、児童たちからビーコルに感謝のメッセージが届けられたという。児童たちには生涯忘れられない貴重な思い出になったことだろう。その後、この交流はさらなる発展を見せ、小原と須藤から児童たちを11月7日(土)のホームゲーム名古屋D戦に招待するといったプレゼントが贈られた。当日は児童と担任の先生に加えて、家族も招待されるという。
子どもたちが地元のプロバスケットボールクラブ横浜ビー・コルセアーズと接したことをきっかけにして将来、彼ら彼女らの中からバスケットボール選手が生まれたら、どんなに素晴らしいことか。これから第2、第3の学校訪問イベントが数多く続いていくことに期待したい。
【記事・取材・写真/おおかめともき】