ワイルドカード8位浮上を目指すビーコル、ホームで栃木を迎え撃つ!


栃木が国プ初お目見え!海賊率いるウィスマンHCが古巣ブレックスといよいよ初対戦!残留PO回避に弾みをつける金星を狙う!

横浜ビー・コルセアーズは、3月23日(土・18時05分 TIP-OFF)と24日(日・14時05分 TIP-OFF)に、ホーム横浜国際プールで東地区2位の栃木ブレックスと第29節の2連戦を闘う。

この試合は、GAME1が「P・B・I presents “PARTY B-COR”」、GAME2が「横浜トヨペット presents」としておこなわれる。また試合前には、ビーコルのホームタウンである都筑区の子供たちが出場するエキシビジョンゲームが行なわれる。GAME1では都筑区の中学生によるオールスター戦「ビーコルCUP チャレンジ」が、GAME2では都筑区内にあるミニバスチームに所属する小学校6年生による「ビーコルCUP」が開催される。憧れのビーコル戦士やBリーガーと同じコートで闘う子供たちの夢ゲームにもぜひ注目して欲しい。

栃木ブレックスは、横浜国際プール初お目見え。今季の栃木戦はこの2連戦が最初で最後となる。東地区2位(38勝9敗)の栃木は、同地区首位の千葉ジェッツを「2」ゲーム差で追っており、前節京都戦GAME2で敗れるまでは9連勝していた。

今節で最も注目なのは、日本人初のNBAプレーヤーであり、横浜市出身の#0田臥勇太だろう。10月21日以降の試合でベンチ入り登録はさせているもののプレータイムがない試合が続いているが、チームの精神的支柱としてその存在感を放っている。地元凱旋となる超一流プレーヤーの姿をぜひとも目に焼き付けておきたい。

ビーコルのポイントガードでキャプテンの細谷将司は、田臥に憧れてバスケを始めた。昨シーズン平塚で対戦した時には「本当に夢を与えてくれた選手。いつかこの人と対戦して、いつか越えたいと思っていた」と、B-COR MAGAZINEのインタビューに応えていた。今季はキャプテンとなり、さらに進化を見せている。憧れで目標である田臥とのマッチアップ再現となれば、熱いプレーを存分に披露してくれるだろう。

昨シーズン平塚での細谷将司と田臥勇太のマッチアップ。

 

栃木はタレント揃いだ。田臥と共にブレックスを牽引する#22ライアン・ロシターは、外国籍選手でありながらシーズン6年目。その平均得点はチームトップの20.2点であり、チームのオフェンスを牽引する。

栃木ブレックス#22ライアン・ロシター


さらに栃木には日本代表でオーストラリアでの海外挑戦から戻ったばかりの#6比江島 慎、日本代表ツインズ竹内兄弟の兄#10竹内公輔、同じく日本代表の#9遠藤祐亮、さらには重戦車級のフィジカルを持つ平均13.9点の#4ジェフ・ギブスらがいてタレントが多く揃っている。

栃木ブレックス#6比江島 慎


これに挑むビーコルは中地区6位(14勝33敗)でB1残留プレーオフ回避争いの真っ只中だ。そのビーコルは、前節アウェー札幌でおこなわれた2連戦で回避争いのライバルチーム北海道を死闘の末に撃破。GAME1GAME2共に接戦を制した逃げ切り勝利で回避の指標となるワイルドカードの順位で9位を堅持。回避圏外8位の秋田に「1」ゲーム差にまで肉薄した。

その秋田は今節、栃木と首位を争っている千葉ジェッツと対戦。名将トーマス・ウィスマンHCのもとで進化成熟が著しいビーコルは千葉、川崎との対戦で敗戦こそしたが、その内容は互角ともいえる接戦を演じての惜敗だっただけに勝てるチャンスはある。栃木から何としても金星を奪い、今節でのワイルドカード8位浮上を狙いたい。

この追い風となるのが、トーマス・ウィスマンHCがかつてこの栃木ブレックスを率いていたことだ。ウィスマンHCは栃木のHCに2008-09シーズン途中から就任。翌シーズンには田臥勇太と川村卓也を擁しチームをJBL初優勝に導いた。その後、日本代表HC就任のためにチームを離れるが、栃木がNBL転籍となっ2014-15シーズンに復帰し、Bリーグ元年の2016-17シーズンには栃木をBリーグ初代王者に導いている。

ウィスマンHCは栃木ブレックスの良いところも悪いところも熟知している。このことは今節の対戦で大きなアドバンテージになるだろう。かつての教え子田臥、渡邉、ギブス、ロシターらに対し、名将がどんな策を用意しているか注目だ。

横浜ビー・コルセアーズの指揮官として古巣栃木ブレックスと対戦するトーマス・ウィスマンHC


その策を選手たちはコートで遂行しなければならないが、チームがまだ成熟していなかった今季の序盤では指揮官の策が空回りすることもあった。だが、ここに来てチームは、ここまで積んできた経験と猛練習から指揮官の策をエクスキュート出来るまでに進化してきた。またシーズン中、幾度となく入れ替わってきた外国籍選手も、ブランドン・コストナーとアーサー・スティーブンソンがチームにフィットしてようやくチームは落ち着いた。コストナーはロシターを上回る平均20.7得点を挙げ、スティーブンソンは平均12.7リバウンドでダブルダブルを連発。二人は強豪チームを脅かすまでになったチームの核となっている。

横浜ビー・コルセアーズ#34ブランドン・コストナー

横浜ビー・コルセアーズ#33アーサー・スティーブンソン


今季のチーム作りはシーズン終盤までかかったが、エース川村卓也を中心にして、ウィスマンHCが目指してきた今季のチームが完成した。それだけに、強豪栃木と闘うこの2連戦が楽しみでならない。

両チームのスタッツ比較ではその多くが栃木が上回るが、スティールだけビーコルが上回っている。これがコートでどう影響するか。ビーコルはファストブレイクからのシュートを確実に決めていきたいところだ。

両チームのスタッツ比較ではほとんどが栃木が優勢。スティールでのみビーコルが上回っている


ビーコルは、ここ数戦でフリースローの成功率が悪い。千葉と川崎を苦しめながら惜敗したのは、このことも敗因となっていた。連勝した北海道戦でもフリースローが決まらず苦しんだが、終盤で執拗に仕掛けられたファウルゲームでは、勝負どころで得たフリースローを確実に決めて勝利に繋げた。強者との対戦では相手がフリースローを高確率で決めてくるだけに、その失敗は命取りになる。得たフリースローをしっかりと仕留めて得点に結びつけたい。

進化著しく強豪を苦しめるまでになった今のビーコルだからこそ、Bリーグ初代王者栃木ブレックスとの対戦が楽しみになる。ましてや、ウィスマンHCが教え子たちに挑む古巣対決だ。指揮官は善戦した前々節川崎戦のあとで「我々は今シーズン、琉球や三河といったリーグの中でもトップクラスのチームに勝っている実績がある。我々には勝てるポテンシャルがある。それを実現させる能力はあると思っている」と今のチームへの手応えと自信を口にした。古巣を知り尽くした名将はどんな策を見せてくれるのか。B1残留プレーオフ回避がかかる一戦必勝の闘いでビーコルは強豪栃木から金星を奪い、ワイルドカード8位浮上を目指す。

【記事・写真/おおかめともき・一部栃木写真提供/©B.LEAGUE】

 


Written by geki_ookame