無念ビーコル、栃木に勝利ならず


3Q怒濤の反撃も土壇場4Qで失速。

横浜ビー・コルセアーズ 67-86 栃木ブレックス(12月11日・トッケイセキュリティ平塚総合体育館)
14-16|21-27|22-16|10-27

平日ながらこの日も前日のGAME1に続いて満員となった平塚での栃木ブレックス戦GAME2。尺野将太代理HCの指示のもと、エナジー溢れるバスケでブレックスにぶつかった海賊たちだったが、最後の4Qでエナジーを失ってしまい敗戦となった。

平日ながら満員のトッケイセキュリティ平塚総合体育館で行われた横浜ビー・コルセアーズ 対 栃木ブレックスGAME2のTIP-OFF

 

オンザコートはビーコルが1−2−1−2、ブレックスは2-1-1-2だった。1Q、ブレックス田臥勇太の2Pシュート、セドリック・ボーズマンと遠藤祐亮の3Pシュートでリードを許したが、ウィリアム・マクドナルドが2Pシュートと3Pシュートを連続して沈めてから徐々に勢いに乗った。1Qの終盤で2度同点に追いつくが、1分15秒でボーズマンに2Pシュートを決められ、14−16の2点ビハインドで1Qを終える。

1Q 5分56秒でインサイドから2Pシュートを沈める#45ウィリアム・マクドナルド

 

2Q、開始早々ハシーム・サビート・マンカがアンスポーツマンファウルを取られアンドリュー・ネイミックにフリースロー1本を決められてしまう。

2Q開始早々#34ハシーム・サビート・マンカがライアン・ロシターと接触しロシターが流血。アンスポーツマンファウルとなってしまう

 

ビーコルは、9分14秒で満田丈太郎がスティールからのアンスポーツマンファウルでフリースローを得て、2本のフリースローを確実に決めた。さらには田渡 凌がバスケットカウントで3得点を決めて逆転。田渡はこのクォーターで3本の2Pシュートなどで躍動した。

2Q 4分31秒で2Pシュートを沈める#21田渡 凌

 

しかし、喜多川修平と竹内公輔の2Pシュートでブレックスが再度逆転。ここから立て続けに失点してしまい10点差で引き離されてしまう。尺野将太代理HCは3分12秒で佐藤託矢を再投入。佐藤はコートに立ってすぐ3Pシュートを沈める。体を張ったガッツ溢れるディフェンスも冴え、この起用に応えた。

ディフェンスが冴えに冴えた#15佐藤託矢

 

この佐藤の再投入が流れを生んだ。マクドナルドの2Pシュート、川村卓也のフリースロー2本、満田丈太郎の2Pシュートで得点を重ね点差を詰める。終盤1分、6点差で川村がフリースロー2本を得るが、2つとも外してしまい痛恨。残り16秒でライアン・ロシターに2Pシュートを許し、2Qを21−27。トータルで35−43、8点のビハインドで前半を終えた。

2Q 1分34秒で2Pシュートを沈める#8満田丈太郎

 

3Qで海賊たちは前日を彷彿とさせる怒濤の反撃に出る。マクドナルドの2Pシュート、川村の3Pシュートで流れを掴み得点を重ねていく。9点差の1分47秒でファウルを奪った川村が3本のフリースローを得た。ハーフタイムで真っ先にフリースロー練習をしていた川村は3本とも完璧に決めた。

3Q 1分47秒、3本のフリースローを完璧に沈める#1川村卓也

この直後、川村はアウトサイドからの2Pシュートも沈めて5点を奪い4点差に迫った。

3Q 1分31秒で#1川村卓也がアウトサイドペイントから2Pシュートを沈める

 

さらには残り1秒で川村のアシストから細谷将司がアウトサイドからの2Pシュートを沈めるブザービーターで2点差。満員のビーコルブースターは地鳴りのように沸き返り、大きな流れを持って3Qを終えた。

3Q、細谷将司のブザービーターで2点差に迫り、沸き立つ平塚のビーコルブースター

 

4Qでハシーム・サビート・マンカが2本のダンクを含む5本の2Pシュートを沈める。

4Q 1分48秒でダンクを沈める#34ハシーム・サビート・マンカ

 

しかし、ビーコルは最後のクォーターでエナジーを失い、3Pシュートを確実に決めるブレックスに引き離されてしまう。なりふり構わず奮戦した海賊たちだったが、残り19秒でネイミックに2Pシュートを決められ万事休す。4Qは10−27。ファイルスコア67−86、19点差での無念の敗戦となった。

無情の敗戦を告げるブザーが鳴り響き、川村卓也はその場でしばらく頭を上げることが出来なかった

オフィシャル席で試合を見つめていたトーマス・ウィスマンもまた悔しさを露わにしていた

 

インサイドのシュートが冴え渡ったウィリアム・マクドナルドが15得点でチームのスタッツリーダー。ハシーム・サビート・マンカが14得点。田渡 凌は13得点を挙げた。そして、川村卓也がこの試合でも躍動し、14得点を挙げてB1通算1007得点。B1での個人通算1000得点を達成して、前日の1000回3Pシュート成功に続いての偉業達成となった。

尺野将太代理HCは、前日同様、試合中声を張り上げて指示を出した。試合後の会見では悔しさをにじませながら敗戦を振り返っている。

「昨日の後半で栃木さんを上回る得点が出来て、後半だけで見ると勝つことが出来ていたので、それを今日は40分間やろうと試合前に話していました。1Qでのオンザコートが向こうが2、ウチが1ということで、不利な状況だったんですけど、2点ビハインドにもってこれていたので、ひとつステップアップ出来たかなと思っていたんですが、ウチがオンザコート2で有利な2Qでファウルトラブルなどがあって、アドバンテージを取ることが出来ませんでした」

GAME2でも声を張り上げ、指揮をとった尺野将太代理HC

「その辺りから僕の指示も少し後手後手になってしまいました。自分の未熟さであったり、ゲームの流れを上手く捉えきれないところが出てしまったと思います」

尺野代理HCは自らを責めた。流れを作っている選手の交代のタイミング、タイムアウトでの流れを切らないように留意していた尺野だが、3Qで細谷将司のブザービーターで勢いがついたとき、4Qでその流れを活かしきれなかったことを悔んだ。

「今日は僕が我慢し過ぎてしまい、タイムアウトが遅れたりしてしまったことで、相手に流れがいってしまいました」

前日のGAME1で尺野は、“エナジー” “ハッスル”という言葉を口にしていたが、このGAME2での4Qでチームはエナジーを出しきることが出来なかった。

「4Qは昨日と合わせると8Qになりますが、その最後の最後のところでウチのエネルギーが切れてしまった。インサイドでビッグマンにやられてしまって、そこの修正をしたら、今度はシューター陣にやられてしまいました。2日間を闘い切ることが、まだ出来ていない。それが今のウチの力かなと思います」

反省点は分かっている。だからこそ尺野は前を向く。

「昨日に引き続き3Qをしっかりと乗り切ることが出来たというのは、先週までと違うところ。昨シーズンからも含めて、このことは大きな一歩です」

試合後に会見する尺野将太代理HC

 

ビーコルはこれで、6連敗となった。次節は遠征となり富山でグラウジーズと再戦する。それまで、海賊一丸で垣根なくアイディアを出し合い、意見を交わしながら、ハードな練習を施し、浮上期する富山戦に臨む。

【記事・写真/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame