ビーコル、神奈川ダービー第3弾で川崎とアウェー戦1試合!


前節で千葉を苦しめた横浜の海賊が、今度こそ川崎から勝利奪う!

横浜ビー・コルセアーズは、3月13日(水・19時05分 TIP-OFF)に、アウェー川崎市とどろきアリーナで、同じ中地区の川崎ブレイブサンダースと神奈川ダービー第3弾となる水曜日ゲーム1試合を闘う。

この試合で偉業達成の可能性がある。横浜ビー・コルセアーズ#1川村卓也が自身の個人通算8,000得点まであと「9」本としている。今節での達成が濃厚だ。

個人通算8,000得点まであと「9」本としている横浜ビー・コルセアーズ#1川村卓也。今節での偉業達成が濃厚だ


ビーコルは、現在12勝32敗で中地区6位。B1残留プレーオフ回避をかけた闘いを続けているが、これを回避するためには下位4チームから抜け出す必要がある。その指標となるワイルドカードの順位でビーコルは依然9位。残留プレーオフ出場圏外8位の秋田(14勝30敗 東地区5位)が目下のライバルだが、秋田も前節で滋賀に連敗しており、「2」ゲーム差が変わらなかったことは幸いだった。秋田は今節で、ビーコルを「2」ゲーム差で追うワイルドカード10位の北海道と対戦。それだけに今節は大事。ビーコルは、川崎から何としても勝利を奪い取らなければならない。

川崎との神奈川ダービーは今回が3度目。ここまでアウェーで2試合、ホームで1試合の計3試合を闘いビーコルが全敗している。12月のアウェー2連戦では、川崎に一方的にやられた55-94で39点差の大敗。GAME2は75-87で敗れたが、打って変わった逆襲をみせて2Qと4Qでリードを奪う互角の闘いを演じた。

1月におこなわれたホーム戦1試合では、前半でチーム最多得点を挙げていたブランドン・コストナーが2Qで負傷退場するアクシデントがあり、これが影響して9点差での敗戦となっていた。

この試合後にトーマス・ウィスマンHCは「川崎と良い試合が出来る準備がようやく整ったと思っていたが、2Q途中でコストナー選手が怪我をしてしまい難しい状況になった」と語っていた。今回の対戦ではブランドン・コストナーが万全であり、三河戦GAME2から20点台の得点が続いて好調なだけに、勝機は十分にある。

川崎戦で負った怪我から復帰後、好調が続く#34ブランドン・コストナー


対する川崎は、前節でのアウェー2連戦で福岡から連勝して、ここまで6連勝中。福岡はビーコルとB1残留プレーオフ回避を争っているが、ホームで川崎と激しい接戦を演じた。特にGAME1では激しい打ち合いとなり、勝敗の行方は延長戦にまでもつれた。両チーム共に100点台のスコアとなったが、最後に底力をみせた川崎が勝利している。 

川崎にとっては、この死闘後わずか中2日で、今度はやはり残留プレーオフ回避がかかる相手と対戦しなければならない。ビーコルも死力を尽くしてぶつかってくるだけに、6連勝中とはいえ、一筋縄ではいかないだろう。

この試合で、帰化選手ニック・ファジーカスが34得点を挙げ、篠山竜青、バーノン・マクリン、シェーン・エドワーズが20点台の得点を挙げている。今回も、ここまでの対戦でやられているファジーカス、マクリン、篠山は要警戒だ。

川崎ブレイブサンダース#22ニック・ファジーカス【写真提供:©B.LEAGUE】

川崎ブレイブサンダース#7篠山竜青【写真提供:©B.LEAGUE】


前節のビーコルは、ホームで千葉と2連戦を闘い連敗したが、チームの成熟度合いが増してきていることを示す闘いをみせた。GAME1では、オフェンスで千葉から83点を奪う成果をみせた一方で、ディフェンスが破られてしまい今季ワーストの110失点を許した27点差で敗戦。

修正を施した翌日のGAME2では前日同様のビハインド展開も高い集中力を維持して終始10点前後の差を維持して徐々に追い上げ、3Qでは千葉の得点を14点に抑えこんで流れを生んだ。そして迎えた最終クォーターで9-0のランを成功させて遂に逆転。しかし、これでギアを上げた千葉に0-13のランでやり返され、結果11点差での惜敗となった。天皇杯3連覇、リーグ戦でも首位を守る千葉の底力を見せられた形となったが、大敗を喫した翌日に修正し、強豪千葉に噛みつき、苦しめたことは、確かな手応えと自信になった。

「千葉のようなチームとここまで渡り合えたのは、我々にとって良い経験。これは、ここから使っていけれる良い経験だ」ウィスマンHCは試合後こう語ったが、幸いライバルの秋田が滋賀に連敗したこともビーコルにとっては追い風となった。指揮官は「残留プレーオフ回避争いを考えれば、ここでひとつ勝つことが出来れば、だいぶ楽になったとは思うが、今日のこの負けをポジティブに捉えることが大事だ。今日出来た集中力、強度の高さがここからの残り16試合で重要になってくる。今回の経験を次の勝たなければならない試合にしっかりと活かしていく」とこの敗戦を前向きに捉えている。

ウィスマンHCがビーコルに来てから推し進めてきたディフェンス改革もチームにいよいよ浸透し、ここにきて名将の策が遂行出来るようになってきている。3Qで千葉を14得点に抑えたゾーンディフェンスでは、ブランドン・コストナーをトップに置くシフトもあった。ディフェンスを重視するトーマス・ウィスマンHCだけあって、その頭脳にあるバリエーションは豊富だが、これまではチームの成熟が足りず遂行することが出来なかった。4度目の対戦となる川崎に対して、ウィスマンHCがどんな策を使ってくるか楽しみだ。前回対戦からもディフェンスのバリエーションは増えて来ている。川崎は戸惑うだろう。

横浜ビー・コルセアーズ トーマス・ウィスマンHC


川崎とのスタッツ比較では、ビーコルがリバウンド、ブロック、スティールで川崎を上回る。これがどう影響してくるか。

両チームのスタッツ比較では、ビーコルがリバウンド、ブロック、スティールで上回る


今週はタフなスケジュールになっている。ビーコルは、前節から中2日で川崎と1試合、また中2日で北海道に遠征してレバンガとアウェー2連戦を闘う。長距離遠征が含まれた中2日の強行軍だが、B1残留プレーオフ回避のためには、今週の3試合を何としても勝たなくてはならない。まずは川崎を撃破して、決戦へさらなる弾みをつける。

【記事・写真/おおかめともき・川崎選手写真提供/©B.LEAGUE】

 


Written by geki_ookame