東地区2位に挑む2試合は、競争力が出てきたチームの試金石。
中地区5位の横浜ビー・コルセアーズは、2月8日(土)9日(日)にアリーナ立川立飛で東地区2位のアルバルク東京と第22節のアウェー2連戦を闘う。
福田将吾HCが指揮を執るようになったビーコルは、前節ホーム大阪2連戦で1勝1敗。西地区首位の大阪から1勝をもぎ取ってみせた。今度は、現在東地区2位も、宇都宮、千葉と上位を争うA東京が相手。指揮官交代以降でチームの状態も上向いている。前回のホーム対戦では連敗したが、今回の再戦でどんな闘いを見せてくれるか楽しみな2試合になる。
ビーコルは、中地区争いで4位新潟まで「2.5」ゲーム差。3位富山までは「4.5」ゲーム差。そして、チャンピオンシップ出場圏となる2位三河までは「6.5」ゲーム差としており、B1総合順位では依然17/18位のままで残留プレーオフ圏内にいる。16位の島根とは「0.5」ゲーム差。島根は今節「2」ゲーム差で15位の新潟と直接対決。ビーコルと島根の勝敗次第では15位浮上の可能性もある。
残留プレーオフ圏外脱出のためには「2.5」ゲーム差の14位北海道を超えなければならない。その北海道は今節で三河と対戦する。
対するA東京は、前節のアウェー川崎戦を1勝1敗。ここまで26勝9敗の東地区2位で首位の宇都宮を「1」ゲーム差で追っている。また、3位千葉も2位A東京と「1」ゲーム差の位置につけており、東地区の上位争いは激化している。
ビーコルは、昨年12月14日、15日におこなわれた第12節ホーム横浜国際プールでの2連戦でA東京と対戦して連敗を喫している。
GAME1では、3Qまでのロースコアが響いてトータルで58得点しか入れられず20点差を付けられての敗戦だった。大差のビハインドになってしまったためにリズムを崩されてしまったことも敗因だった。それでも4Qでアキ・チェンバースがオフェンスの起点となって26得点を入れ、ディフェンスも2Q以降で改善されてA東京を10点台の得点に抑えたことは光明だった。
GAME2では、加入以来初めて登録されたウィリアム・マクドナルドが先発して、両チームを通じて最多の26得点を挙げた。ビーコルは1Qの立ち上がりで前日から打って変わった早いペースでアグレッシブなオフェンスを展開してリードしたが、以降のクロスゲームでビハインドを背負った。2Qと3Qで失点がかさんでふた桁差となり、4Q残り4分で20点差にされたが、以降の7点ランで食らいついたものの及ばず13点差で敗れている。
前回対戦では、ジェームズ・サザランドとウィリアム・マクドナルドが加入したばかりで、チーム連携が完全ではなかったが、現在ではそれも解消されて、連携にまとまりが出てきている。このことからディフェンスは向上し、前節ではリーグ屈指の得点力を誇る大阪を70点に抑えてシュート成功率も38.6%に封じ込めたばかりか、平均11本とオフェンスリバウンドでも力がある大阪を、この試合ではわずか6本に抑えている。
また前回対戦でいなかった戦力、特別指定選手(青山学院大学3年)の赤穂雷太に期待がかかる。赤穂は前節大阪戦GAME1でデビュー。ディフェンスではアイラ・ブラウンについて互角のマッチアップを見せて苦しめ、勝負どころの4Qでは、チームがリードを死守していた最終盤で投入されると、大阪のセットプレーを読み切って、ブラウンからスティールを奪うとそのままドライブを決めて勝利を決定付けた。
現在ビーコルは特別指定選手が、ホール 百音 アレックスを加えて2人。今節でも赤穂がベンチ入り登録されるかだが、ブラウンを苦しめたあのディフェンスが竹内譲次、田中大貴、安藤誓哉の日本代表選手を擁するA東京とどんなマッチアップを見せてくれるか楽しみだ。
福田HCが指揮を執ってからビーコルは2勝5敗だが、5敗は全て惜敗であり、2勝は川崎と大阪から挙げた2つの金星だ。新たな指揮官のもとで粘りと競争力が出てきたビーコルにとって、今節は試金石の2試合になる。「チームに変化は出てきています。それだけに結果につなげたい」と話す福田HCは「ここでまた勝利を取れれば、何かが変わる」と意気込む。ビーコルが3つ目の金星を掴む可能性は十分にある。
【記事・写真/おおかめともき・A東京選手写真提供/©B.LEAGUE】