サザランドの劇的ブザービーターで見事な大逆転勝利!川崎戦で始まった11連敗を川崎戦で止めた!
2019-20シーズン第18節(1月22日 トッケイセキュリティ平塚総合体育館)
横浜ビー・コルセアーズ 86-84 川崎ブレイブサンダース
9-20|23-24|26-19|28-21
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 1.22 [WED] 横浜ビー・コルセアーズ vs 川崎ブレイブサンダース】
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中地区5位の横浜ビー・コルセアーズは、ホームトッケイセキュリティ平塚総合体育館で、同じ中地区首位の川崎ブレイブサンダーススと第18節の1試合を闘い、2点差の86−84で勝利した。ビーコルはBリーグ発足以来20試合目での対川崎戦初勝利。昨年12月11日の前回川崎戦から始まった連敗を「11」で止めた。
ビーコルは、1Qで9得点とスコアが伸びなかったが、2Q以降で20点台の得点を続けて猛追。最終盤4Q残り1秒でサザランドが決めた2Pシュートでのブザービーターに繋げて、劇的な逆転勝利を収めた。
ビーコルはこれで8勝21敗。中地区争いは、4位新潟が富山に敗れたためにゲーム差が「0.5」差に縮まり、チャンピオンシップ出場圏の2位三河までは「4.5」差。18チームの総合順位では、ビーコル17位。16位新潟、15位島根が共に敗れたために、残留プレーオフ圏外となる14位北海道までは「2.5」差になっている。
ビーコルは前節に続いてトーマス・ウィスマンHCが欠場。代わって今節も福田将吾ACが指揮を執り、外国籍選手は、ウィリアム・マクドナルドがベンチ入りを外れた。今季3度目の神奈川ダービーは、トッケイセキュリティ平塚総合体育館が東京五輪リトアニア代表事前キャンプのためにおこなったリニューアルのこけら落としゲームとしておこなわれた。ビーコルと川崎が最後まで勝敗の行方が分からない手に汗握る好ゲームを演じて、大入り満員の観客を沸かせた。
ハーフタイムでは、両チームのチアリーダーズB-ROSEとIRISによるコラボパフォーマンスもおこなわれた。
1Qの開始早々に前節新潟戦で怪我から復帰していた橋本尚明がファストブレイクから2Pシュートを決めてビーコルが先制。以降でベクトン、チェンバースがシュートを決めた。速いテンポでオフェンスを展開したが、シュートを決め切ることが出来ずに得点は9点と停滞。ディフェンスでも、3分以降で川崎に8点の連続得点を許して11点のビハインドを背負った。2Qは両チームともに重たい立ち上がりとなったが、8分に細かいパス回しから生原が2Pシュートを決めて追撃。以降で両チームがシュートを入れあう中でチェンバース、サザランド、生原、橋本、モリス、ベクトンがシュートを決めた。残り1分でベクトンのバスケットカウント(フリースローは失敗)でひと桁9点差にしたが、辻に3Pシュートを決められるなどして再び二桁差になった。それでも、ベクトンが終了間際にセカンドチャンスを押し込んで12点差にして前半を折り返した。後半3Qの立ち上がりで橋本が躍動。開始早々から2Pシュートとレイアップを続けると、8分には3Pシュートも決めた。この橋本のひとり7点ランでチームは勢いづき、反撃への流れが生まれた。中盤以降では、ベクトンと橋本が連続してレイアップを決めて5点差になった。4分にはサザランドの2Pシュートで3点差にした。残り2分で9点差にされたが、ターンオーバーからの速攻でゴール下に飛び込んだ竹田がベテランらしいフェイントでタイミング外して2Pシュートを決めると、サザランドがやはりターンオーバーからダンクを決めて5点差。走りに走ったビーコルは、強度を上げたディフェンスでもターンオーバーを誘発して、3Qは26得点。勝負どころの4Qに向けて、反撃の流れを大きくした。4Qの7分でチェンバースがターンオーバーから2Pシュートを決めて同点。以降で再び川崎にリードされたが、その都度食らいついて同点にした。4分ではサザランドが3Pシュートを決めてこのクォーター3度目の同点。さらにサザランドは3分でも同じ位置から3Pシュートを決めてビーコルが逆転。ベクトンがターンオーバーからのダンクとセカンドチャンスでの2Pシュートで加点してリードを維持した。しかし、フリースローでの失点と藤井のレイアップで残り1分を切った37秒で1点を逆転されてしまう。さらにはファジーカスにフリースロー2本を決められて3点差にされたが、残り6秒で生原が起死回生の3Pシュートを決めてビーコルが同点に。生原は大きく吠え、川崎はたまらずタイムアウト。
そのタイムアウト明け、橋本がサザランドのスティールからファウルを奪い、アンスポーツマンライクファウルかノーマルファウルかのビデオ判定がおこなわれてインターバルが生まれた。判定はノーマルファウルとなり、生原がスローイン。土壇場残り1秒、そのボールを受けたサザランドがファジーカスを引き連れたままゴール下に飛び込み、見事なダブルクラッチで劇的なブザービーターを決めて、ビーコルが大逆転勝利を飾った。
この試合でビーコルは5人が二桁得点。ジェームズ・サザランドが3Pシュート5/12本を含む25得点を挙げてチーム最多。レジナルド・ベクトンが18得点11リバウンドでダブルダブル(4アシスト)。橋本尚明(3Pシュート1/4本)と生原秀将が(3Pシュート3/6本)で共に13得点。アキ・チェンバースが10得点(3Pシュート1/2本、6アシスト)を挙げている。
《川崎・ 佐藤賢次HC試合後会見》
「後半で54失点。うちのディフェンスが機能しなかったことが敗因。ソフトなディフェンスをしていたというよりは、転がったボールを取り切れなかったり、抑えたと思ったところでリバウンドを拾われたり、そういった部分で、今日は横浜さんのほうがエナジーが高く、集中して、勝ちたいという気持ちが強かった。我々は、ディフェンスをしっかりとやらないと勝てないチームだということを再認識した。また一からひとつずつ整理して、切り替えて、前に進んでいく。チームとして、これまで負けていないといった過去の戦績は一切気にしたことはない。そういったことでの気持ちの緩みはなかったと私自身は思っている」《福田将吾HC代行 試合後会見》
「1Qの立ち上がりをいい形で入れたのですが、いい形でシュートを打てていたものの、なかなか決め切ることが出来ませんでした。2Qからは20点オーバーの得点を川崎さんから取れました。選手たちが、ウィスマンHCが普段から仰っていたディフェンスから走るチーム、ディフェンスから強度を上げてビッグマンもしっかりと走るということを40分間にわたってやり続けたことが、勝利に繋がったと思います」
「最後の3点差で負けていた場面で、生原が(3Pシュートで同点にした)ビッグショットを決めて、今度は橋本がスティールをして、そして最後にジェームズ(サザランド)がチームでドローにしたプレーをしっかりとエクスキュートしてくれました。選手全員が動いて、最後にジェームズが決めてくれた。本当に選手たちのお陰だと思っています」
「(サザランドの逆転2Pシュートはデザインされたもの?)はい、そうです。アシスタントコーチの加藤(翔鷹)が『3.6秒あります』と言ってきて、ドローする時間があったので、デザインをして、最後にジェームズに持たせました。ジェームズがレジー(レジナルド・ベクトン)にバックスクリーンをかけたらファジーカス選手がスイッチをしてくるだろうと思っていたのですが、やはりスイッチしてきて、そこからは1on1という指示でした。逆にいうとスピードのミスマッチが生じたということなのですが、ジェームズがよく決めてくれました。あの最後は、本当に選手がよく決めてくれたと思っています」
「(ハーフタイムでの指示は?)前半で12点差ありましたけど、やるべきことはやれていました。ただし、川崎さんは3Pシュートが非常に得意なチーム。前半で3Pシュートを5本やられていましたし、ターンオーバーから辻選手に3Pシュートを決められた場面もありました。前半で44点取られていたので、ディフェンスの強度をもう1回上げて、そこから走ろうと指示を出しました。速い展開で攻めていけば、向こうはついてこれなくなると思っていました。やっていることは間違ってはいない。これを如何に続けるかなんですけど、選手たちに『疲れたらディフェンスを変えるから』と話して、全員でつないでいこうという話をしました。それを橋本はじめ、選手全員が遂行してくれて、一気に流れがきたのかなと思っています」「(田渡ではなく生原を先発で起用した)前節新潟戦後の練習で、田渡選手がオールスターで不在だったことが、ひとつ理由としてあげられますが、昨日、一昨日の練習で生原選手のほうが、非常に良いプレーをしていました。新潟戦ではファウルが先行してしまって、プレータイム12分でファウルアウトしてしまっていたので、それを生原本人も反省をしてくれていました。今日はボールをよく散らしてくれていました。私の中で、田渡選手、生原選手のどちらが固定のスタートだというふうには決めていません。全員でつないでいくということです。次の土曜、日曜の試合(琉球戦)でまた変わってくるかもしれないですし、常にウチのポイントガードには、もちろんハンター・コートも含めて、競い合って欲しいと思っています」
「(川崎戦初勝利で11連敗を止めた)試合が終わった直後に、アキ・チェンバースが、選手を集めてくれて『この勝ちに満足することなく、この気持ち、勢い、自分たちがやっているバスケを沖縄に持っていこう』と言ってくれました。私も、最後のロッカールームで同じことをもう1度言わせてもらいました。日々の練習から、選手たちはとても頑張っています。ここからしっかりと積み上げていきます」
「新潟戦(GAME2)では最後の4Qでまくられて負けました。あれを選手たちは、自分たちにベクトルを向けてくれました。これには彼らの成長を感じました。私自身、代行ではありますが、コーチとして最後までしっかりと采配出来なかったことを申し訳ないと思っていますが、選手たちは非常に高い意識を持って頑張ってくれています。私がビーコルにきた時から、選手たちに話ていることなんですけど、『残留プレーオフ回避が目標ではなくて、上のプレーオフに出ることが目標』と常日頃からいっています。今でもそれは変わらず、ブレることはありません。チャンスはあるので、上のプレーオフを目指して、選手たちと頑張っていきたいと思います」
「(前節から1週間でディフェンスが変わった)新潟戦が終わってから、ビデオを見ながらしっかりと振り返りをやって、『ここがやられている。ここを直せばもっと良くなる』と話しました。あとは戦術も少し変えています。新潟戦では失点を70点台には抑えていたのですが、ウチが走れていませんでした。その見直しをしっかりとやりました。選手たちには『3分でも4分でも出たら全力でディフェンスをやろう。キツくなったらすぐに代えてあげるから言ってくれ、こちらはローテーションを組んでいるから全員でつないでいこう』と話していました。新潟戦は、私が初めてHC代行をやった試合でしたが、今日は、2試合目ということで選手たちが慣れてくれたと思います。『ここで代えてくれるかな?』『ここまでやって、次は彼にタスキを繋げば、彼がやってくれる』といったタスキリレーが出来るようになりました。そのことが、ディフェンスの強度向上に繋がったんだと思います」《ジェームズ・サザランド 試合後コメント》
「チームで勝ち取った試合です。ひとつひとつのプレーが積み重なって、チームメイトが助けてくれた。最終的にこういった勝利という結果に繋がって、良かったと思っています」
「(自身のブザービーターで逆転勝利を決めた)最近の試合で延長戦にまでもつれた試合が多かったのですが、勝つためにはあのチャンスしかないと思いました。残り3秒で、僕がボールをもらった時点で、決める自信がありました。決められて良かったです」
「(勝利が決まった時のあの割れんばかりのビーコルファンの歓喜の声は聞こえた?)聞こえていました。本当に気持ち良かったです!チームメイトともクレイジーなほどに喜び合いました。本当にハッピーでしたね」「(あの2Pシュートはデザインされたもの?)あの場面では、いくつかオプションがありました。相手(ファジーカス)がスイッチしてくることは分かっていました。僕がファーストオプションで、もし僕が外したら、ハシ(橋本尚明)がセカンドオプションでした。僕のところにボールが来て、もうアタックするのみでした。あのインバウンドの前、ファジーカス選手は僕についていたのですが、たぶんスイッチしてくるんだろうと思ってムーブを仕掛けたら、タイミングのこともあったのか、僕につき続ける形になりました。ボールをもらった瞬間、これはもうドライブするしかないと決断したんです」
「(4Qでは、3分と4分で同じ位置から3Pシュートでビッグショットを決めた)あれは、僕の試合の中でのフロアスペースを考えた上でのショットだったんですけど、レジー(レジナルド・ベクトン)がローポストで得点を取るのが上手いので、僕がウィングにいると相手にダブルチームを仕掛けられる可能性がひろがってしまうので、スペースを上手く使って、トップから打つという選択をしたんです」
「(川崎から遂に勝利して連敗を「11」で止めた)僕たちの最終目標は、プレーオフ(チャンピオンシップ)にいくことです。ここ11試合ではタフな試合が続きました。勝てる試合も落としてしまっていました。ですが、それはもう過去のことです。その過去から学べることも多くありました。これを活かして、先をしっかりと見据えてここから頑張っていきたいです」次節ビーコルは、中2日後の1月25日(土)と25日(日)に、アウェー沖縄市体育館で琉球ゴールデンキングスと2連戦を闘う。
【記事/おおかめともき・写真提供/©B.LEAGUE】