ビーコル、大阪に延長戦の末に惜敗 今季4度目の連勝逃す


4Q終盤でチェンバースが起死回生の同点3PでOT戦へ 大阪を終始苦しめながらも、接戦を落とす

2019-20シーズン第21節(2月2日 横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 85-92 大阪エヴェッサ 
30-20|17-20|18-21|11-15|9-16

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 2.02 [SUN] 横浜ビー・コルセアーズ vs 大阪エヴェッサ】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=4455&TAB=B

中地区5位の横浜ビー・コルセアーズは、ホーム横浜国際プールで、西地区首位の大阪エヴェッサと第21節の2連戦GAME2を闘い、延長戦の末に7点差の85−92で敗戦。今季4度目の連勝を逃した。高まった競争力で西地区首位の大阪を終始苦しめ、粘りを見せたビーコルだったが、あと一歩及ばなかった。前日のGAME1で劇的な勝ち方から接戦を制したビーコルは、その勢いそのままに、立ち上がりから3Pシュート攻勢を仕掛けてリードを増やし、計30得点を入れて快調な滑り出しを切った。以降で大阪の追撃を受けて、拮抗した展開になりながらも、粘りのオフェンスで3Qまでリードを維持した。4Qで大阪に同点からリードを奪われると、一進一退の攻防に発展し、両チームは数度の同点とリードチェンジを繰り返した。残り34秒で大阪が勝ち越ししたが、粘るビーコルはアキ・チェンバースが起死回生の同点3Pシュートを決めて、勝敗の行方は5分間のオーバータイム戦に持ち込まれた。そのオーバータイム戦で、ビーコルは9点を入れたがフリースローでのアテンプトと得点がなく、7回のフリースローアテンプトで5本を入れて計16得点を入れた大阪が最終的に上回った。ビーコルはこれで9勝25敗。4位新潟は名古屋Dに勝利。5位ビーコルとのゲーム差が再び「2.5」にひろがった。3位富山と2位三河は共に敗戦。3位までのゲーム差「4.5」と、チャンピオンシップ出場圏2位までのゲーム差「6.5」は変わらずそのままになっている。

B1総合順位で、ビーコルは17/18位。10勝25敗で16位の島根とは負け数が並んで「0.5」ゲーム差。15位新潟までは「2.5」ゲーム差。残留プレーオフ圏外14位北海道までは「2.5」ゲーム差になっている。

1Qでビーコルは、立ち上がりから3Pシュート攻勢を仕掛けて主導権を握った。サザランド3本、生原と秋山がそれぞれ1本ずつを決めて、このクォーターで決めた3Pシュートは成功率68.8%の5/8本。2/10本で成功率20%だった大阪に差を付けた。速いペースで快調に得点をかさね、最大で13点のリードを奪った。2Qに入ると、大阪に2Pシュートと3Pシュートを続けられたが、8分と7分で生原が3Pシュートを続けてリードを守った。大阪はヘンドリックスの連続2Pシュートで差をひと桁差に詰めてきたが、田渡が2Pシュートでブザービーターを決めて10点差に戻した。しかし、残り9秒でヘンドリックスに3Pシュートを決められて、7点リードで前半を折り返した。3Qの立ち上がりで大阪に6-0のランを許して1点差にまで詰め寄られたが、ビーコルは粘りを見せてリードを守った。立ち上がりで、アキ・チェンバースがレイアップと3Pシュートを続け、さらに5分では3点バスケットカウントも決めて突き放した。残り2分と1分を切ってからはサザランドと秋山が3Pシュートを決めて4点のリードを持って4Qを迎えた。4Q開始9分、ブラウンにレイアップを許すと中村に3点バスケットカウントを許して1点差にされた。ここから両チームは同点を4回、リードチェンジを7回繰り返した。残り34秒でヘンドリックスが同点から2Pシュートを決めて大阪が勝ち越したが、32秒にチェンバースが外角から2Pシュートを決めて同点に追いついた。これで一気にリードを奪い、逃げ切り勝利に持っていきたいビーコルだったが、橋本尚明が狙った3Pシュートが決まらず、大阪もハレルソンとヘンドリックスが3Pシュートを外して、オーバータイム戦に突入した。ビーコルは勝負どころの4Qで大阪を15点に抑えた一方で、得点が11得点と伸びなかった。5分間のオーバータイム戦、最初の1分間は両チーム無得点だったが、3分で橋本拓哉に3本のフリースローを与えてしまい橋本拓哉はこれを3本とも決めた。直後にサザランドがダンクを決めて1点差にしたが、以降で橋本拓哉にレイアップ、ハレルソンにオフェンスリバウンドから2Pシュートを許して5点差に。以降で両チームはシュートを入れ合い、ビーコルはサザランドが3Pシュート、チェンバースが2Pシュートを決めて食らいついた。残り1分を切ってからゴール下に切り込んだサザランドがレイアップを決めて1ポゼッション3点にまで差を詰めたが、ヘンドリックスに2Pシュートを決められて5点差に。直後にファウルゲームを仕掛ける執念を見せたが、そのフリースローを2本とも決められてしまい7点差で惜しくも敗れた。

オーバータイム戦でのフリースローの差が明暗を分けたひとつの要因になった。フィールドゴールだけのスコアは9−11だったが、ビーコルはフリースロー機会がなかった。一方で大阪はフリースロー7回でうち5本を決めている。フィールドゴールだけのスコアでビーコルは3点ビハインドだったとはいえ、フリースローのアテンプトと得点が大阪と同じであれば、また展開も変わっていただろう。ビーコルのふた桁得点は4人。ジェームズ・サザランドが3Pシュート3/5本を含む22得点10リバウンドでダブルダブル(4アシスト)。レジナルド・ベクトンが19得点12リバウンドでダブルダブル(5アシスト)。アキ・チェンバースが3Pシュート2/6本を含む16得点(5リバウンド)、生原秀将が3Pシュート2/6本を含む10得点を挙げた。《天日謙作HC 試合後会見

「(ビーコルとの今季全4試合が終了、ビーコルの印象は?)どのゲームもクロスゲームでした。最初の時、横浜は負けが先行していたので、組み合わせが悪かったのではないかと思います。僕らはこれで横浜とやる必要がなくなって、凄くありがたいです。パワーもあるし、シューターもいる。良いチームだと思います。今シーズン、もうやらなくて良いので助かっています」

「(前回のアウェー2連戦と今回の2連戦を比べてビーコルに変化はあったか?)前回の外国籍選手には外からのシューターがいましたが、今回のサザランド選手は右のドライブが強烈です。そういった部分で変化がありましたし、個々の選手が成長していることを感じました。特にガードの2人。アキ・チェンバース選手は、ずっとレベルの高いシュートをしていました」《福田将吾HC 試合後会見》

「出だしから選手たちが非常にエナジーを持ってくれました。大阪さんが昨日の負けで、相当なエナジーを持ってゲームから入ってくるのは予想していたので、それに対して、ウチの選手たちが、相手を上回る気迫とエナジーを持って戦ってくれたことは非常に良かったと思います。あそこから拮抗したゲームになり、結果的に延長戦になりましたが、40分間のワンポゼッション、ワンポゼッションの積み上げの結果でタイゲームになったのか、例えば、その前のところで簡単なミスをしてレイアップをやられていなければああいった展開にはならなかったのか、このことは選手たちに話しました。ああいった場面でこそ、最後のワンプレーが非常にフォーカスされると思います。私はシュートが入る入らないは時の運だと思っています。勝負の運だと思いますし、逆にいうと、今後こういった試合を勝ち抜くことが出来るチームになるためには、そういったところも含めてチーム力をあげていかなければいけないと感じました」

「(1Qで成功5/8本で成功率68%だった3Pシュートについて)思い切りよく3Pシュートを打ち切ってくれました。逆にあれを、中、中、中としてしまうと重たくなってしまいます」

「(オフェンスではどんな指示を?)大阪さんが、これまでにダブルチームで来たことはデータ上ほとんどないのですが、昨日の得点を見て仕掛けてくるのではないかと思っていました。試合前に、『どこかは分からないけども、必ずダブルチームで来るから、その時はインサイドアウトでさばいて、そこから自信を持ってシュートを打っていけ』という話を選手たちにしていました。これは予想通りでした」

「4Qでウチのオフェンスが重たくなったのは、レジナルド・ベクトンを見過ぎてしまい、他の選手がもっと攻めながらやれば良かったところを、私の指示ミスで、中、中、中となってしまいました。もう少し展開させるべきだったと思います。それでも、今日は3Pシュートのアテンプト(40本)が2Pシュート(35本)を超えてしまっていたので、これに関しては、少し修正しないといけないと感じています」

「ここ数戦で、3Pシュートの成功率が上がってきている要因は?)もともとウチは3Pシュートのアテンプトがあまり多くないチームでした。逆にロング2といわれる、ペイントでもない3Pシュートでもない、真ん中のあたりから打つ、一番非効率的といわれるシュートが多くありました。逆にディフェンスでは、相手にあそこでロング2を多く打たせろというのがどこのチームも目標にしていることだと思います。データを取るとウチはこういったシュートが、1試合で20本近くありました。そこで、ペイントにアタックしてペイント内で打つか、3Pシュートにするかということを、はっきり分けました。これを選手が表現してくれているのではないでしょうか。今日の試合に関しては、3Pシュートのアテンプトが多過ぎたと思います。これをどう調整していくかは、今後の課題です」

「(3Qまではいい形。4Qで失速して接戦に持ち込まれ、オーバータイムでも失速したことについては?)ひとつは、リバウンドの部分だと思います。大阪さんは2BIGで、アイラ・ブラウン選手をいれると3BIGです。大きく、中でプレー出来る選手が3人いるのに対して、ウチは、今日のラインナップでいうと1人。ベクトン選手は中で攻めますけど、他の選手は外の選手でした。そのために中を非常に多く突かれました。リバウンドの場面でも、取られたりした場面もありました。あとは、最後の合田選手に対してのハイピックを止めるところがちょっと上手くいきませんでした。あそこは、早めに指示を出したほうが良かったと思っています」「(中2日ゲームが続いて来たが次節は中5日空く。どう準備して巻き返していく?)次戦はA東京さんで、また非常にタフな相手になります。ここ6試合は、非常にハードなスケジュールで遠征があったので、次戦に向けて、まずはリカバリーを優先して、あとは頭を使った練習をしていきたいと考えています」

「(頭を使った練習とは、昨日に言っていたビデオチェックやグループミーティングのこと?)そうです。対人プレーよりも、次の2日ぐらいはリカバリーにあてます。特にプレータイムが長かった選手は、これ以上やらせてしまうと怪我のリスクも出てきます。それよりも、1回リセットして、再来週も水曜ゲーム秋田戦が入ってくるので、コンディショニングも非常に大事になってきます。こういったことに関して大阪さんのほうが、選手たちが長い時間を出ることに慣れていています。延長戦になった時でも45分間を闘えるようになっています。ウチが延長戦で失速してしまったのは、エナジー切れもひとつ考えられます。そこは、私のベンチ起用であったり、延長戦でも選手を交代させる勇気が必要だったと感じています」《アキ・チェンバース 試合後コメント》

「ゲームの入りをとてもいい形で入れて、自分たちもエナジーを沢山持って出来たのですが、ゲームの中盤、後半になってから、そのエナジーが少し落ちてしまいました。最初にあったエナジーを保つことが出来なかったことが敗因になったと思います」

「(4Q終盤で追いついた3Pシュートについて)ああいった展開でのシュートは、もう何本も打ってきています。あの時、僕が空いていたので、時間をかけて、シュートを決めることだけに集中していました」

「(惜敗が続いている今のチームの状態は?)昨日勝って、良くなってきてはいると感じています。ただ今日は、昨日の勝ちで、自分たちに少し気の緩みが出てしまったのかもしれません。GAME1で勝ったら、翌日の試合も集中しないといけないのに、勝ったことで1回満足してしまったところがあったのかもしれません」

「(次も土日2連戦、次戦までどう準備する?)5日間空くので練習を頑張ります。ゲームになれば、1試合目にフォーカスします。相手チームから下に見られているところもあると思うので、まずは1試合目を集中してやっていきます」

「(いまのチームの変化に対してビーコルファンも期待を高めている)先はまだ遠いですけど、僕らもハードに練習をして、全力を尽くしていきます。ファンの皆さんからエナジーをもらっています。僕たちを応援し続けてください」次節ビーコルは、中5日後の2月8日、9日にアウェー・アリーナ立川立飛でA東京と2連戦を闘う。

【取材・写真・記事/おおかめともき】


Written by geki_ookame