リーグ連覇の強豪と闘った経験を今後の闘いに活かす。マクドナルドが両チーム最多26得点
2019-20シーズン第12節GAME2(12月15日 横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 69-82 アルバルク東京
18-24|12-20|19-21|20-17
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 12.15 [SUN] 横浜ビー・コルセアーズ vs アルバルク東京】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=4329&TAB=B
中地区2位の横浜ビー・コルセアーズは12月15日、ホーム横浜国際プールで東地区2位のアルバルク東京と第12節GAME2を闘って13点差で敗戦。ホームでの2連戦を連敗し、前節川崎戦から3連敗となった。横浜国際プールには今季最多の5012人の観客が訪れた。
ビーコルはこれで7勝13敗。中地区争いでは、3位富山も島根に敗れたために「0.5」ゲーム差でのビーコル2位は変わらずそのままになっている。この試合で、レジナルド・ベクトンと橋本尚明がベンチ入登録を外れ、外国籍選手ではウィリアム・マクドナルドが加入以来初めて登録されて先発。両チームを通じて最多となる26得点をマークした。
ビーコルのスターティング5は大幅に変更されてサザランド、チェンバース、竹田 謙、マクドナルド、生原の布陣となった。1Qの立ち上がりでビーコルは、前日から打って変わった早いペースでアグレッシブなオフェンスを展開。外からのシュートも積極的に打った。ベテラン竹田が外角から決めた2Pシュートでビーコルが先制したが、安藤に3Pシュートと2Pシュートを続けられてA東京が逆転。サザランドとマクドナルドが2Pシュートを続けてリードを奪い返したもののカークに3点バスケットカウントを決められ、追う展開になった。以降、マクドナルドの2Pシュート、チェンバースの3Pシュートで僅差のビハインドを維持したが、徐々に引き離され、6点差で最初のクォーターを終えた。ビーコルはゾーンディフェンスを多く用いたが、このことから前半でのリバウンドが少なくなった。2Q開始早々に前半でシュートタッチが冴えた田渡が2Pシュートと3Pシュートを決めて6点差にしたが、ここから10点ランを許して、二桁16点差にされた。以降で田渡、マクドナルド、チェンバースが2Pシュートを決めて得点。14点差で前半を終えた。3Qでビーコルは、サザランドとマクドナルドに加えて、帰化選手モリスを入れたオンザコート3でオフェンスの流れを生み、モリスがバスケットカウント(フリースローは失敗)、マクドナルドが内外から2Pシュート3本とフリースロー2本を確実に決めた得点で追撃。残り2分以降でチェンバースが2本の2Pシュートを決めた一方で、失点もかさみビハインドは16点になった。4Qでは、マクドナルドが3点バスケットカウント、サザランドとチェンバースがフリースロー2本を仕留め、マクドナルドの外角2Pシュートで得点して13点差にしたが、3Pシュートと2Pシュートを許して4分には20点差にされてしまう。それでもサザランドが連続2Pシュート、マクドナルドが3点バスケットカウントを決めた7点ランなどで食らいついたが及ばず、13点差の69−82で敗れた。
この試合でビーコルは4人が二桁得点。加入以来初めてベンチ入り登録、先発起用されたウィリアム・マクドナルドが両チーム唯一の20点台となる26得点、前半で11得点の活躍をみせた田渡 凌が13得点(6アシスト)、ジェームズ・サザランド12得点(9リバウンド)、アキ・チェンバース11得点を挙げている。<トーマス・ウィスマンHC試合後会見コメント>
「昨日と今日の試合を振り返ってみて、昨日よりもパフォーマンスの部分で良く出来た。昨日は20点差で負けてしまったが、今日は13点差にまで抑えられた。よく競い合えたと思う。後半では、もう少しで追いつけるチャンスも作れた。選手全員が、気持ちのこもったプレーが出来ていた。前半でリバウンドを取れずに苦しんだが、後半で改善されてリバウンドが良く取れるようになった。今日の試合でゾーンディフェンスを試したのだが、このことがリバウンドを取るのを難しくしてしまった」
「今日起用した外国籍選手のラインナップは、新しく入ったばかりの2選手だったが、その中でゾーンディフェンスをやらないといけなかった。彼らにとっては、分からないことや、新しいことで難しかったと思うが、これから時間をかけて練習をしていけば、伸びしろがあるぶん大丈夫だと思っている。あとはチームとして、これからリバウンドをどうやって練習していくのか、ディフェンスの面でどういった強化をしていかないといけないのか、そういった課題が出た試合だった」
「ウィリアム・マクドナルドは40歳だが、今日、Bリーグに帰ってきてから初めての試合で26得点7リバウンドは素晴らしい成績だった。アメリカに戻っていた時には(NBAのレジェンドもプレーする)『BIG3』という3 on 3のリーグでプレーしていたのだが、彼はそれをキャリアのカウントに入れていない。Bリーグに戻ってきた最初の試合で26得点を挙げたことに、彼のプロフェッショナルなところを感じた」
「(あと一歩、惜しい展開が多かった)A東京はリーグを連覇して、カンファレンスでの2位だけあって、とても素晴らしいチームだと感じた。ピックアンドロールへの対応やオフェンスも巧い。よくコーチングされていると思う。昨日、沢山ピックアンドロールでやられてしまったことから、今日はゾーンディフェンスに変更しないといけなかったし、ディフェンスでもいろいろと調整する必要があった」
「カンファレンストップ4のチームと競い合うことが出来た。我々のスタイルであるディフェンスから走るプレーが今日はよく出来ていた。これに関しては良かった」
「今日は、本来であればレジー(レジナルド・ベクトン)を起用する予定だったが、彼のコンディションから、それが出来なくなった。今日は、ゾーンディフェンスをすると決めていたので、出来れば、新しい外国籍選手は使いたくはなかった。新加入選手を使ってしまうと、コミュニケーションが取れなかったり、新しいことで混乱が起きる可能性があるからだ」
「今日の試合で課題が見つかった。新しい選手がシーズン途中で入ってきて、調整しないといけない部分が多くなっているが、課題が見えたことは良かったと思っている」
「(スタメンを大幅に変えた)ひとつの理由は、ナオ(橋本尚明)とレジー(レジナルド・ベクトン)がプレー出来なかったことがある。タケ(竹田 謙)を使ったのは、プロ選手として長くやってきているし、ゾーンディフェンスにも慣れているから。結果として、先発に40歳以上のタケとマクドナルドがいることになったが、若い選手たちに刺激を受けて欲しいという想いもあった。どちらの40歳も、バスケ歴が長く、プロとしてやっている年数も長い。若い選手たちに、2人のプレーから学んで欲しいということもあった」「今日、予定していた先発はレジーとマクドナルドだった。急遽の変更となったが、ジェームズ(ジェームズ・サザランド)は、いまチームに大きな影響を与えている。マクドナルドとジェイムズは来日したばかりで、ぶっつけ本番だった。チーム練習が足りていないところがあるが、これから練習をかさねていけば、チームに溶け込めて、このチームにいい影響をもたらしてくれるだろう」
「(新外国籍選手の加入でこれからどうチーム力を挙げていく?)ビザ手続で彼らの合流が遅れてしまったが、そんな時に限って、新潟でのアウェー戦だったり、川崎とA東京の強豪が相手で、彼らにとっては非常にタフな試合だったと思う。これから、少しは落ち着けるだろう。昨日も言ったが、自分たちのことを信じて、一緒に練習をかさねていけば、チーム力は築けていけると思っている」
<ウィリアム・マクドナルド 試合後コメント>
「A東京は、とても対戦するのが困難な、素晴らしいチームだと感じました。偉大なヘッドコーチがコーチをするチームで、素晴らしい選手が沢山います。こういうチームと対戦することは、チームを強くしていくためには必要なことです。昨日と比べて、チームのパフォーマンスは良く出来ていたと思います。あと一歩届きませんでした」
「(前半と後半で動きが変わった印象がある。ハーフタイムで何か指示があったのか?)もちろん、ウィスマンHCからは、最初から良い形でプレーして欲しいと言われていたのですが、前半ではそれが少し難しい部分がありました。ハーフタイムでは、A東京のような強豪チームとも闘えるんだという自信が見えたのかもしれません。後半では良いプレーが出来ましたね」
「(良いプレーをするために心がけていたことは?)どんな状況になっても、僕はチームを助けたい。リバウンドであったり、アシストであったり、どんなところでもチームを助けたいんです。HCがタイムアウト明けやハーフタイムで指示を出せば、その通りに遂行するようにしています」「(ビーコル復帰後最初の試合で両チームを通じて最多の26得点だった)僕はスコアラーです。僕の17年間のキャリアの中でスコアラーとしてやってきて、ずっと同じことを何も変えずにやってきました。ですが、今日はたまたまです。次の試合では、もしかしたら低い得点になるかもしれませんし、高い得点になるかもしれません。もしかしたら、ジェームズ(ジェームズ・サザランド)がもっと点を取るかもしれないですよ(笑)」
「(26得点を挙げた要因は?)チームメイトが、この26点を助けてくれました。僕がいいポジションにいたら、仲間がいいパスを出してくれて1ドリブルでシュートに持っていけた得点もありました。僕はもう40歳ですが、他の選手と比べたら、高くは飛べないかもしれないし、速く走れないかもしれません。自分の身体のことは僕が一番分かっていますけど、身体の大きさを活かせたことも得点につながったのではないでしょうか」
「(久々にビーコルの選手としてファンの前でプレーをした感想は?)とても、いい気分でした。一昨年、ビーコルでプレーしていた時もそうでしたが、僕の人生経験の中でも、とてもいい経験が出来ました。今年またビーコルに帰ってくる機会を、ウィスマンHCや、ファンの皆さまに与えていただきました。その最初の試合が出来たことは、とても気持ちが良かったです」
「(ビーコルファンへメッセージ)これからも常にサポートしていただきたいです。この2日間、観客もとても多かったですけど、こういったことからも、僕たちはモチベーションをもらうものなんです。これからも練習を続けて、良くなっていくので、変わらぬ応援をよろしくお願いします」次節ビーコルは、12月21日と22日にアウェー船橋アリーナで千葉ジェッツと対戦する。
【記事・取材・写真/おおかめともき】