ビーコル、西地区首位の琉球と年末沖縄で2連戦!


アウェー沖縄で、前回のリベンジを果たせ!教え子多い琉球に名将ウィスマンどう挑む?

横浜ビー・コルセアーズは、12月30日(水・19時05分 TIP-OFF)と大晦日31日(日・19時05分 TIP-OFF)に、アウェー沖縄市体育館で琉球ゴールデンキングスと第17節の2連戦を闘う。

3連敗中のビーコルは、前節アウェー新潟戦を落として6勝21敗で中地区6位。ワイルドカードでは11位に順位を落としてしまった。残留プレーオフ回避のデッドライン8位三遠(リーグ5位)との差は3ゲーム差のままとなっている。

対する西地区で首位を独走する琉球は現在20勝7敗。2位名古屋との差を「4」としている。

年の瀬におこなわれる今節の琉球戦は、前回11月23日と24日におこなわれたホーム2連戦以来の再戦となるが、この時のビーコルはGAME1を53-89、GAME2を58-75で連敗している。

前回、横浜国際プールでおこなわれた琉球戦


GAME1では、ウィスマンHCが求めるオフェンスが出来なかったが、強い気持ちでぶつかった翌日のGAME2では内容が改善された。リバウンドで相手を上回ることが出来た一方で、シュート成功率が低く、琉球のプレッシャーにも苦戦してしまい得点に繋げることが出来なかった。今節、この強固なディフェンス力を誇る琉球にウィスマンビーコルがどう挑むか。

この時、敗戦の将ウィスマンHCは試合後の会見で栃木時代の教え子古川孝敏の名前を上げている。ビーコルは攻守両方で古川に阻まれ、徹底的にマークされたエース川村卓也は、2得点、4得点と2試合共に封じ込められた。今回の再戦では、川村もただではすまさないはず。エースのリベンジに期待したい。

前回対戦での琉球#51古川孝敏と川村卓也のマッチアップ。前回、古川にやられた川村の巻き返しが期待される


琉球は、主力選手に
アクシデントが相次いでいる。アイラ・ブラウンがビーコルとの2連戦後に左ひざ軟骨損傷で全治6週間の診断を受けて離脱。前々節渋谷戦GAME1では須田侑太郎が試合中のアクシデントで左鎖骨へのひびと左第一肋骨を骨折(以降の2試合には帯同し、ベンチ入り登録をされたが出場なし)。また前節大阪戦では、ジョシュ・スコットが、やはり試合中のアクシデントで負傷退場しており、須田と共に今節を出場出来るかが危ぶまれている。

琉球は前節のアウェー戦で、大阪に85-44でまさかのロースコアで大敗している。44得点は今季の最低得点。1Q開始早々で起きたスコットの離脱が、琉球の得点に大きな影響を与えた。

前回の対戦でビーコルは、並里、エアーズ、岸本、寒竹、ブラウン、スコット、古川に二桁得点を許したことが敗因のひとつになっていたが、現在は離脱しているブラウンと、今節の出場が微妙な須田とスコット。これらが、今回の再戦でどんな影響を及ぼすか。

前節大阪戦での1Q 7分にゴール下で転倒するアクシデント。そのまま退場となった琉球#40ジョシュ・スコット。今節での出場があるかが注目されている【写真提供:©B.LEAGUE】


この時のビーコルオフェンスは、マックレアが2試合共に20点台の得点を入れたが既に退団。代わってチームはブランドン・コストナーを獲得して、すぐさま補強に打って出た。

コストナーは、前節の新潟戦で獲得発表後に即先発起用された。来日してわずか数日だったことから、チーム連携とシュートタッチに苦しんだが、4Qでアジャストしてみせ、5分に3Pシュートを連続して沈めるなどして、終わってみれば両チームを通じて最多の24得点を挙げた。主にロングレンジから打つ3Pシューターだが、フリースローでは9/10で90%という高い成功率も残している。

前節新潟戦でデビューした新戦力ブランドン・コストナー。来日してわずか数日にもかかわらず、両チーム通じて最多の24得点を挙げた【写真提供:©B.LEAGUE】


12月始めに獲得したアーサー・スティーブンソンは、インサイドシューターだが、前節ではコストナーに次ぐチーム2番手となる18得点を挙げて、来日2試合目から続く二桁得点はこれで7試合目となった。ミドルシュートも決まり始めて、ここまで安定した得点力で好調を維持している。

インサイドアタックを武器とするアーサー・スティーブンソン。ここ数戦ではミドルシュートも決まり始めている。インサイドはBIG ALEXにお任せだ


コストナーのコンディションが上がってくれば、3Pシュートの精度も上がってくるだろう。そうなれば、インサイドのスティーブンソン、アウトサイドのコストナーのオフェンスコンビネーションは強力な得点源になってくる。

外国籍選手にはもう一人、前回対戦GAME2でブロックショット4本をマークして琉球を苦しめたディフェンシブなプリンス・イベもいる。オフェンスでのイベにはダンクがあるもののスティーブンソン、コストナーと比べると得点力が落ちるのは否めない。ただ、その卓逸したディフェンス力は捨てがたいものがある。外国籍選手のベンチ入り登録は二人まで。ウィスマンHCがどんな起用をしてくるか注目だ。

前回琉球戦で見せたプリンス・イベのブロックショット


外国籍選手の得点が期待出来るようになっただけに、日本人選手の得点が得点力不足解消の鍵を握っている。前節新潟戦ではコストナー、スティーブンソンが高得点を上げた一方で、日本人選手の最多は
川村と高島の6得点。期待された細谷と田渡は3得点と4得点に留まり、共に振るわなかった。

まずは、前節で怪我から復帰した川村の左足首がどこまで回復出来ているか。前節では先発で起用されたが、ウィスマンHCがエースのカードをどう切ってくるのかも注目したい。前節で6得点、琉球との前回対戦では古川に抑えられた川村が、ここぞでシュートを決めれば得点力が増し、チームにオフェンスの流れが出来る。それを細谷、田渡ら日本人選手の得点で繋いでいきたい。

前回の琉球戦で川村のシュートを見守るウィスマンHC(右端)


中地区首位の新潟と闘った前節でウィスマンHCは、ディフェンスで
ゾーンを多用した。だがこれが裏目となり、新潟の強力オフェンス陣に内外からイージーシュートを多く許した。ただし、オールコートでのマンツーマンディフェンスに変更した4Qでは10点台にまで抑えることが出来ている。

今回も首位とぶつかるカードだが、琉球にはウィスマンHCのかつてのアシスタントコーチだった佐々宜央HC、栃木時代の教え子並里、古川、須田がいる。前回対戦後に名将は「現段階では琉球のほうが我々よりも格が上だ。しかし、相手が格上だから勝てないというわけではない。年末、琉球にもう一度チャレンジする」と巻き返しに燃えていた。ウィスマンHCはどんな策を持って琉球にリベンジを図るのか。琉球のロスターが完全ではないだけに、やり方次第では年末の大金星も不可能ではない。2018年最後の2試合を勝利で終え、いい形で新年を迎えたい。

名将トーマス・ウィスマンは琉球にどんな策で挑むのか。2018年最後の2試合を何としても勝利で飾りたい

【写真・記事/おおかめともき・スミス、コストナー写真提供/©B.LEAGUE】

 


Written by geki_ookame