プライド掛けたGAME2で爪痕は残す。マックレア3試合連続ダブルダブル。細谷、田渡13得点。川村は徹底マークを受けて連日のロースコアに沈む。
2018-19シーズン第11節・GAME2(11月24日 横浜国際プール)
横浜ビーコルセアーズ 58-75 琉球ゴールデンキングス
12-21|16-16|17-21|13-17
中地区6位の横浜ビー・コルセアーズは、11月24日ホーム横浜国際プールで、西地区首位の琉球ゴールデンキングスと2連戦GAME2を闘い、奮闘も実らず17点差で敗れ連敗した。5位三遠も千葉に連敗したために、5位とのゲーム差は変わらず「3」のまま。
またもや琉球のプレッシャーディフェンスに苦しみ50点台のロースコアで連敗。それでも意地は見せた。前夜の屈辱、36点差での大敗で、このGAME2はプライドを掛けた一戦だった。その強い気持ちは、コート上のプレーになってあらわれた。リバウンドで琉球を上回り、3Qには5点差にまで詰め寄った。しかし、これからというところでアンスポ、パスミスからのターンオーバー、ここぞで得たフリースローも決めることが出来ず、訪れた流れを自ら手放し、琉球よりも優位だった高さとリバウンド力を活かすことが出来なかった。しかし、この試合で見せた強い気持ちがチームを成長させていく。気持ちを奮い立たせて挑んだこのGAME2で爪痕は残した。年末、また琉球に挑戦出来る。それまでにステップアップをかさねて今度こそ琉球から勝利をもぎ取る。
トーマス・ウィスマンHCは、この日もディフェンシブなスターティング5を起用したが、前日のメンバーから竹田と高島を入れ替えた。ベンチ入り登録では、橋本が外れてハンターがベンチ入り。エゲケゼはこの試合もベンチ入り登録されなかった。
この試合も、琉球が主導権を握った。ビーコルは前日のGAME1に続いて琉球ディフェンスに苦しみ、1Qの開始から5分までの得点が9分にマックレアが沈めた2Pシュートのみのわずか2得点。パス回しからゴール下にボールを集めることに終始したが、シュート成功まで至らなかった。
ディフェンスではターンオーバーが多く、いきなり0-12のランを許して二桁10点のビハインドを背負ってしまう。1分に川村が2Pシュート2本を続けて沈めたが、最初のクォーターでわずか12得点と、この試合も低調な立ち上がりとなった。1Qは12-21。9点のビハインドを背負った。
2Q、ゾーンとマンツーマンを織り交ぜたチェンジングディフェンスが機能し、琉球の得点を16得点に抑えることに成功する。オフェンスでは、8分にイベが2Pシュート、以降は好調のマックレアを起点にして得点した。
2分にイベがセカンドチャンスからダンクを決めると、細谷将司がドライブから切り込んでレイアップ。細谷は倒れながらにファウルを奪い、3点バスケットカウントを決める執念を見せる。さら細谷は1分に3Pシュートを沈めて琉球に食らいつき、2Qを互角の16-16に持っていった。トータルスコアは28-37でビハインドは変わらず9点。ひと桁差をなんとか維持して前半を終えた。
3Qの出だし9分でマックレアと竹田の連続シュートで5点差となり流れが生まれた。しかし、ここからターンオーバーが多発。6分には川村がアンスポーツマンライクファウルを取られるなどして流れを失い、琉球に0-17のランを許してしまう。これで差が20点台にまで膨らんだ。
終盤で田渡の内外からの2Pシュート、細谷の3Pシュートで得点してビハインドを10点台にまで戻した。3Qは17-21。トータルスコア45-58でビハインドは13点。
4Q、マックレアのアグレッシブなインサイドアタック。細谷、田渡のガード陣の奮闘で強豪に食い下がる。
2分には細谷のアシストで田渡が3Pシュートを沈めて11点差にして流れが生まれかけたが、直後にブラウンがダンク。さらにはパスミスによるターンオーバーからファストブレイクを許し、ブラウンに2Pシュートを入れられてしまう。ビーコルは、またミスから流れを手放してしまった。
以降、細谷、川村、中村が3Pシュートを打ったが決まらず、そのまま17点差での敗戦となった。4Qは13-17。ファイナルスコアは58-75だった。ビーコルはこれで今節を連敗。琉球は3連勝となった。
ビーコルのスコアリーダーは、21得点14リバウンドで3試合連続ダブルダブルをマークしたジャボン・マックレア。20点台の得点も3試合連続で好調が続く。琉球の佐々宜央HCは「マックレアはマークしていたが、てこずってしまった」と試合後に語っている。
2番手は、細谷将司と田渡 凌の13得点。田渡は4アシストも記録した。
前日のGAME1でわずか2得点に沈んだ川村卓也は4得点。この日も終始徹底したディフェンスを受け、3Pシュート成功がなく(試投0/2)特に古川孝敏のマークに苦しんだ。
琉球の佐々HCは「今回、川村選手をポイントとしてマークしていたが、その川村選手をしっかりと抑えることが出来た」と川村封じの成功を連勝の要因に挙げている。
また佐々HCは「高さとリバウンド力、アグレッシブさが横浜にはあるが、リバウンド数で負けてしまった。ポジェッションでも、タフな試合になってしまった」と振り返っている。
トーマス・ウィスマンHCは、試合後このように語っている。
「今日は、昨日に比べて気持ちが入っていた。試合内容も良かった。現段階では琉球のほうが我々よりも格が上だ。しかし、相手が格上だから勝てないというわけではない。琉球とは年末にまた2試合対戦する。そこでもう一度チャレンジする」
「今日の試合で見せた気持ちの入ったプレー、強度を上げたプレーをこれから積み上げていく必要がある。それをしっかりと積み上げて、琉球のような強いチームでも同等に闘えるように、このチームを仕上げていく」
「琉球には称賛しかない。彼らのディフェンスは、今シーズン当たってきたチームの中で一番のディフェンスだと思う。佐々HCはチームをしっかりとまとめ上げ、チームディフェンスが出来るようにしている。ひとり選手をあげるのならば古川選手だ。彼はオフェンス、ディフェンスの両方でチームに貢献出来る。彼は今週、川村選手をノックダウンした。古川選手のような選手が私の目指す2WAYプレーヤーだ」
「今日の試合に限って言えば、我々のターンオーバーは21と多く、フィールドゴールは37.7%と低い。これは琉球の高いディフェンス強度ゆえだと思っている。後半、田渡選手と細谷選手がしっかりとステップアップして得点を入れてくれたが、この週末は琉球のプレッシャーディフェンスに苦戦したイメージだ」
「昨日と今日、20点を超えたクォーターが一度もなかった。ハーフクォーターを通して20点以内(前半での得点はGAME1で24点。GAME2で28点)に抑えられてしまった。総得点も昨日が53得点で今日が58得点。この点数では勝つことは出来ない。オフェンスをしっかりと強化しなければならない」
琉球の佐々HCは、かつてトーマス・ウィスマンのもとでアシスタントコーチを務め、また並里 成、古川孝敏、須田侑太郎は栃木時代の教え子だった。このことについてはこのように話している。
「かつてのアシスタントコーチと対戦するのは特別なものがあったが、佐々HCは代表でのアシスタントコーチを務めた経験があるし、琉球を素晴らしいチームに押し上げてしている。しかし、私は競争意識が高いヘッドコーチだ。相手が誰であろうと関係なく相手に勝ちたい。私とやっている時は、たとえ愛弟子でも良い試合はして欲しくないというのが本音だが、他のヘッドコーチとの試合では、彼が頑張ることをいつも願っている」
「琉球には、ブレックス時代の教え子、並里選手、古川選手、須田選手もいた。須田選手はプレーしなかったが、彼らが活躍することは私にとっても誇らしい。彼らの成長は、私の中で特別に思っている」
現在ビーコルは、4勝15敗で北海道と並び、ワイルドカードの順位で11/12位と苦しい状況だ。ウィスマンHCもこのことを気にする。
「現状、残留争いの真っ只中にいる。我々はまず、ここから抜け出すことが最優先だ」
リーグ戦は、天皇杯のために1週間のブレイクとなる。ビーコルは次週、トッケイセキュリティ平塚総合体育館でおこなわれる天皇杯で、12月1日に信和建設と闘い、勝ち進んだ場合は翌2日に千葉ジェッツと対戦する。リーグ戦の再開は12月8日と9日のアウェイ川崎2連戦からとなる。
【写真・記事/おおかめともき】