ビーコルを押し上げた新戦力“BC”ブランドン・コストナーに聞く。

ウィスマンHCが遂に手に入れた待望の計算出来るスコアラー。敵将も川村に続くオフェンスマシーンと警戒。

新年開けた1月5日、ホームデビュー戦となった名古屋D戦GAME1後に横浜ビー・コルセアーズの新戦力ブランドン・コストナーが初めて会見に応じた。

39得点のハイスコアを挙げたホームデビュー戦で会見に応じた横浜ビー・コルセアーズの新戦力#34ブランドン・コストナー


ビーコルは、これまで勝ち星のなかった琉球と名古屋Dから激しい接戦の末に初勝利を掴んだが、エース川村卓也と共にその原動力となったのが年末に加入したばかりのブランドン・コストナーだった。

ジャボン・マックレアが天皇杯で負った怪我から戦線離脱(以降そのまま退団)となり、得点力不足に陥っていたトーマス・ウィスマンHCは確実に得点出来るスコアラーを待望していたが、チームはクリスマスの翌日12月26日におこなわれたアウェー新潟戦のティップオフ数時間前に新戦力ブランドン・コストナーの獲得を電撃的に発表した。

コストナーは、来日してまだわずか数日だったにもかかわらず、すぐに戦線投入された。チームを変える必要性と強く感じていたウィスマンHCは「リスキーではあったが」としながらも即先発起用に踏み切った。

チームが獲得発表した日に即先発起用されたコストナー。ウィスマンHC(左奥)がベンチの前で見守る【写真提供:©B.LEAGUE】


コストナーは「来日した直後にさらに移動をしなくてはいけないとてもタフな状況でした」と振り返ったが、来日4日後に長岡、そして中3日開けて沖縄と強行軍だった。

長岡でのデビュー戦では、3Pシュートを中心にいきなり24得点を挙げてみせたが、チームの連携に苦しみターンオーバーが6本。シュートでは前半と3Qまでタッチに苦しんだ。ロングレンジのシュートを打ち続けたがその多くをリングに弾かれてしまった。来日すぐでは、やはり難しいかと思われたが、徐々にアジャストしてその実力を発揮していく。

琉球戦で3Pシュートを打つコストナー【写真提供:©B.LEAGUE】


まず片鱗を見せたのがフリースローだった。この試合で計10本を得たが、9本を決めて成功率はなんと90%という高い数字を残した。苦戦したシュートも4Qで3Pシュートを2本決めるなどして躍動、終わってみれば両チーム通じて最多の24得点を挙げていた。さらには8リバウンド、7アシストでこれらもチーム最多のスタッツを記録して、いきなりの実戦で大きなポテンシャルを示した。

沖縄に移動した琉球戦GAME1では9リバウンド、5アシストで貢献を見せたものの得点はわずか1点に沈んだ。だが、翌日のGAME2でカムバックして20得点17リバウンドを挙げて来日初となるダブルダブルをマークした。

ホームデビュー戦となった名古屋D戦GAME1でフリースローを打つ前のコストナー。精神を集中させるその姿はまるで騎士のようだ。ここまでの5試合でのフリースローは32/38本、成功率は84.2%と高いアベレージを誇る


そして、来日して4戦目となった名古屋D戦GAME1が、初めて横浜国際プールでプレーするホームデビュー戦となった。

「来日して3試合はアウェーゲームが続きました。来日直後にさらに移動をしなくてはいけないタフな状況で、正直ストレスと疲れもありましたから、やっとホームでプレー出来ましたね。僕にとっても良かったです」

このホーム2連戦でコストナーは、ビーコルブースターの前で爆発的な活躍を見せる。アウェー3試合では3Pシュートとフリースローの高い成功率ばかりが目立っていたが、初戦のGAME1ではインサイドアタックが冴えに冴えて3点バスケットカウントを量産。ゴール下では匠なフェイント技で相手ディフェンスを翻弄した。フリースローは7/7本で成功率100%、3Pシュートも2本を決めて、名古屋Dの点取り屋マーキース・カミングスの40得点に継ぐ39得点をマークして名古屋Dを圧倒した。

ホームデビュー戦となった名古屋D戦GAME1でインサイドアタックから2Pシュートを沈めるコストナー。アウェーでの3試合ではなかったインサイドアタックが冴えに冴え渡った


ハイスコアの一方でコストナーは、慣れない日本のレフェリーの笛に悩まされた。ファウルを5つ取られてしまい
4Q途中でファウルアウト。39得点を挙げていたコストナーを勝負どころで失ったのは痛かった。コストナーにとっては、日本のレフェリー対応が課題となった。

「僕がコートにいれば勝てたかもしれないし、勝てなかったかもしれない。日本のレフェリーの基準の中で、何が良くて、何が悪いのか。それをまだ学んでいる最中で、現時点では完璧にアジャスト出来ていません。ここからの毎試合は日本のレフェリーについて学ぶ機会だと思っています。試合の中で何が出来て、何が出来ないのかをしっかりと把握していきます。順応は出来ると思っています」

敵将名古屋ダイヤモンドドルフィンズの梶山信吾HCは初めて対戦したコストナーについて「事前のスカウティングでオフェンスマシーンと聞いていたが、フェイクなどで彼独特の巧さがあり、抑えることが難しかった。ある程度の得点は仕方がないと考えていたが、あまりに簡単に打たれたり、ドライブされてしまった。ここは明日調整しないといけない」とその驚異のほどを明かしたが、ウィスマンHCは「得点の取れる選手として獲得したが、今日の結果でそれを証明出来た」と手応えを語っている。

GAME2で梶山HCはコストナー対策を打って来たはずだが、コストナーは翌日の試合でも安定した得点力を発揮。得点は前日を下回ったものの28得点(9アシスト)をマークして、チームの名古屋D戦初勝利に大きく貢献した。

またエース川村卓也も24得点を挙げて、日米オフェンスマシーンのタッグで計52得点を入れた。二人の高得点で、ディフェンスにも余裕が生まれ、オフェンシブな名古屋Dを3つのクォーターで15点以下に抑え、計68点に抑え込んだことも勝利に繋がった。

これから日米のオフェンスマシーンがビーコルオフェンスの軸となる


「彼が来たことで、このチームはまた一歩前に進むことが出来た。これから先、しっかりと成長していけば、いいチームになる」
とウィスマンHCは語る。得点力不足にあえいでいたチームに与えたコストナー効果は大きく、ビーコルはここからの巻き返しへ向けて、これ以上ない強力な武器を手にすることが出来た。

その実力を初めてのBリーグ、それも中地区首位と西地区首位と2位相手に見せつけたコストナーに慢心はない。ここからコンディションが良くなれば、さらなる活躍が期待出来るだろう。

「まだ合流して2週間しか経っていないのですが、最初の1週間は、まだ残っていた時差ボケと戦いながらのプレーでした。加えて新しいチームメイト、新しいヘッドコーチにも慣れないといけません。順応するのには時間が掛かりますが、それも次第に慣れていくでしょう。他の選手が何をしたいのか、何が出来るのかも把握出来てきていますから、ここから先、きちんとやっていけばさらに良くなっていくと思っています」

アウェー3戦で3Pシューターと思われたが、ホーム2連戦ではインサイドアタックも出来ることを証明し、ゴール下でフェイント技を使ったアシストも実に優れていた。自身の持ち味を聞かれたコストナーは「それは内緒だよ(笑)」と不敵に笑った。まだまだ秘めたテクニックと引き出しを沢山持っていそうだ。

ホームデビュー戦を終えた感想についてはこう語っている。

「来日して、3試合アウェーゲームが続いて、正直ストレスと疲れがあったので、やっとホームでプレー出来ました。僕にとっても良かったです」

また初めて受けたホームのビーコルブースターの大声援にも感銘を受けたようだ。

「ホームでのビーコルブースターの皆さんの声援を自分自身の肌で感じることが出来ました。チームの成績が伸びていないのにもかかわらず温かいサポートをしてくれていますし、皆さん本当にバスケットボールが好きなんだなと思いました。ビーコルのホームはプレーしやすい良い雰囲気です。ビーコルブースターの皆さんが全力で応援してくれる限り、僕たちは全力でプレーをしていきます。これから先もしっかりとやっていきます」

コストナーに、ビーコルブースターからどう呼んでもらいたいかを聞くとこう答えている。

「 “BC” と呼んでくれたら嬉しいですね」

ウィスマンHCは、インサイドのアーサー・スティーブンソン、ディフェンスのプリンス・イベ、そして内外からの得点が計算出来るブランドン・コストナーと、特色がそれぞれはっきりと別れた3人の外国籍選手でローテーションを組めることになった。

コストナーが加わってから、チームが一気にステップアップしたことは明白だ。「ようやくスタートラインに立てた」と指揮官は言ったが、コストナーと川村の日米オフェンスマシーンコンビが今後、オフェンスの軸になることが予想されるだけに、スティーブンソンとイベをどう起用していくか。指揮官にとっては、難しくも嬉しい悩みになる。新戦力ブランドン・コストナーを得たビーコルが後半戦逆襲への舵を大きく切った。

【取材・写真・記事/おおかめともき・アウェー戦写真提供/©B.LEAGUE】

 

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Written by geki_ookame