ビーコル3シーズン目の闘いを迎えるエース川村卓也に聞く。


「自分を上手く利用していって欲しい」エースがウィスマンビーコルに寄せる期待とは。

ビーコルで3シーズン目を迎えるエース川村卓也。今季はかつて教えを請うたトーマス・ウィスマンのもとで闘う。その川村に新チームのこと、ウィスマンのバスケなどについて聞いた。

横浜ビー・コルセアーズ#1川村卓也


川村は、川俣町でおこなわれたプレシーズンゲーム福島戦から始まった対外試合で良好な結果を残して来ている。ウィスマンビーコルになってからの初勝利となった稚内でのレバンガ北海道戦GAME2では、逆転の3Pシュート、ここぞでのバスケットカウントを決めて起点となり、開幕に向けて順調な仕上がりを見せている。

川俣町でおこなわれた福島とのプレシーズンゲームでシュートを決める川村卓也


今季からヘッドコーチがトーマス・ウィスマンに変わり、ロースター13人中、7選手が入れ替わった。ウィスマンが選んだ7選手は、エドワード・モリスを除いて20歳代であり、チームは若返り大きく様変わりした。川村はこのことをこう感じている。

「彼らの若さからくるエネルギッシュなところを、僕が積極的に声を掛けながら、ゲームの中で上手くコントロール出来たらと思っています」


平塚での航海練習では、若い選手にアドバイスをする場面もあり、川村の技術を継承しているようにも見えた。

「僕の技術は伝えるつもりはないです。役割が違いますから。如何に相乗効果で僕が活きて、他の選手が活きるかです」

「そのためには、言葉でしっかりとコミュニケーションを取ることが重要になってきます。タイミングだったり、スペースの使い方だったり、コミュニケーションの中から生まれる部分が多いんです

「今季は、新しくきた選手たちも、アメリカンプレーヤーも、これまでにプレーしてきていない選手たちなので、より多く自分を上手く利用してもらいつつ、自分が活きるような形をコートの上で表現出来るようにしていきたいです」


川村は、リンク栃木ブレックス時代にウィスマンのもとで闘っている。ウィスマンのバスケを知る川村はチームに名将のバスケを浸透させる役割もある。エースは新チームの変化をこう見ている。

「ヘッドコーチが変われば、バスケットの質は大きく変わります。今季のトム(トーマス・ウィスマンHC)のスタイルは、やはりトランジションが多いバスケットになると思います」

「練習メニューでは、最低限の体力向上も求められていますが、トランジションの中で、レイアップであったり、3Pシュートであったり、より多くのイージーシュート、より多くのノーマークのシュートを作るシチュエーションが求められています」

「そういう意味では、橋本、ハンターがしっかりと縦に切る力がある選手なので上手く活かしたい。エド(エドワード・モリス)は、体を張れたり、タイミングよくインサイドにダイブ出来る。小原は未完成な部分がまだ多いですけど、彼がオフェンスリバウンドやディフェンスリバウンド、ディフェンスでのスクリーンアウトなど、そういったところの制度を高めていけば、また新しい風がこのチームに吹くと思っています」

これに、チャールズ・ガルシア、アマンゼ・エゲケゼが加わり、エドワード・モリスは帰化選手となった。それぞれの選手が持ち味を発揮してウィスマンのバスケを遂行していければ、新チームへの楽しみと期待は増す。

「ベンチではトムがコントロールして、コートの中では僕がしっかりとコントロール出来るように、新しい選手を巻き込んでいけたらと思っています」

川村卓也とトーマス・ウィスマンHC。エースがウィスマンのバスケを熟知していることは大きい


猛練習と対外試合をこなしていくなかで、ウィスマンの考えは着実にチームに浸透してきている。エース川村がウィスマンのバスケを熟知しているのは大きく、
川村もそのことをしっかりと認識している。

「選手が大きく変わったと言われていますが、半分は同じ選手です。過去2年間で苦しい想いを一緒にした選手もいます。その中で元にいた選手が、新しく来た選手にやりやすい環境を提供してあげることが必要です。僕がその役割を担っていると思うので、そこはしっかりとやりたいです」


川村に意気込みを聞くと、新チームへの手応えが伝わってきた。

「まずは、中地区のカンファレンスでしっかりと上位に食い込めるような勢いを開幕から出せるようにしたい。シーズンの最後には笑って終われるようにしたいです」


最後に川村は、今季も共に闘うビーコルブースターにメッセージを送ってくれた。

「今シーズンも、このチームでプレー出来ることを楽しみにしています。皆さんに今年こそは、結果で応えたいという気持ちが非常に強いです。まずは怪我なく、皆さんの前で1分でも長く良いプレーを見せれるように頑張りたいと思います」

8月には自身のトークショーを開催。ビーコルブースターにバスケを初めた頃の少年時代のことや様々な想いを語った


ビーコルでの過去2シーズンで、味わった悔しさと無念さ。それだけに、かつて教えを請うたウィスマンのもとで闘う今シーズンにかける期待は大きい。

昨シーズンB1残留を決めたあの瞬間、川村はコートの上で体全体を使ってその喜びを表した。「これが優勝だったら…」試合後の会見を終えて会見場をあとにする時につぶやいたエースの言葉が忘れられない。優勝の歓喜をビーコルブースターと共に喜びあう日が来るために、新チームのさらなる熟成は進む。上位で闘えるチームへ、そして優勝出来るチームへ。時間はかかるかもしれない。しかし、チームが確実に進化していることは確かだ。川村卓也のビーコル3シーズン目の闘いは10月6日からいよいよ始まる。

【インタビュー・写真・記事/おおかめともき】

川村卓也 Twitter
https://twitter.com/takuyakawamura1

インスタグラム
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Written by geki_ookame