海賊屈辱、シーホース三河にリーグ新記録16連勝を許す。
横浜ビー・コルセアーズ 72-90 シーホース三河 (ウィングアリーナ刈谷)
シーホース三河にリベンジはならず。ホームに続いてアウェーでも連敗してしまった。GAME2、ビーコルは前日の課題をしっかりと修正していた。チームスタッツでは前日の成績を上回っていたが、シーホース三河との3Pシュートの差が勝敗を分けた。
前日終了間際に#5バッツの肘が顔面に当たり、心配されていた#34ハシーム・サビート・マンカは元気な姿を見せて出場し、この試合も躍動。3試合連続のダブルダブルをマークした。
オンザコートは、ビーコルが前日同様2-1-1-2、シーホースは1-2-1-2。ビーコルは、1Qから攻めに攻めた。特に前日にディフェンスに徹した#1川村卓也が、序盤から鮮やかな3Pシュートを連発して得点を重ねる。
ビーコルは、前日にことごとく外した3Pシュートを修正し、積極的に3Pを沈めて得点を重ねた。1分41秒で#45ウィリアム・マクドナルドからのスーパーパスを受けた#21田渡 凌がジャンプショット。大ベテランとゴールデンルーキーのコンビネーションは実に鮮やかだった。しかし、シーホース三河が#14金丸を起点にじわじわと追い上げてくる。終了間際に金丸に3Pを決められ1Qは26-20。6点のリードで終える。
2Q、シーホースはオンザコート2、ビーコルはオンザコート1。開始早々、#15佐藤託矢がミドルレンジから2Pシュートを沈める。さらには#2高島一貴がレイアップでの2Pシュート決めてこれに続いた。
シーホースはオンザコート2で外国籍選手二人となり、ディフェンスはファウル覚悟のブロックになっていった。佐藤が体を張ったブロックで、#3オルトンを防ぐも倒されファウル。チームファウルが5つとなり、フリースローから同点にされる。これで流れが一気に変わってしまった。
ビーコルは我慢の時間帯となるが、#6比江島に3Pシュートを決められ、ついに逆転を許す。川村が流れを渡さんとばかりに2Pシュート、#8満田丈太郎が3Pシュートを決めると直後に#16松井が3Pシュート。この時間帯は、3Pの打ち合いになった。
ビーコルは何とか離されまいと、川村、満田らが得点するが、展開したゾーンディフェンスの穴を突かれ、外から松井に3Pシュートを多く決められてしまう。1Qで出だしよく26点を奪い、攻めまくったビーコルだったが、2Qで逆転を許してから突き放され、2Qで38点もの大量得点を許してしまった。2Qは17-38。トータルで43-58、前半を15点ビハインドで終える。
ビーコルは1Qで川村を中心に3Pシュートを積極的に沈めて、3Pを7回トライして4つ成功(成功率57.1%)。一方、シーホースには14本中、11本(成功率78.6%)を決められてしまった。
何とか後半で巻き返したいビーコルは3Q、川村が開始早々に2Pシュート。川村は、サビートにパスを出しアリウープを狙うが失敗。しかし、佐藤託矢の3Pシュート、#0細谷将司のアシストからサビートがエナジー全開のダンクを決めた。さらには川村がアウトサイドから2Pシュートを沈めた波状攻撃でシーホースに食らいついていく。
サビートは、この日もリバウンドとシュートが冴えた。3分36秒から4連続してバスケットカウントを含む2Pシュートを沈めたのは圧巻だった。この時間帯でシーホースはサビートの勢いを止めることが出来なかった。川村とサビートを起点にしたオフェンスで、3Qは19-13とクォーターでのリードを奪い返し、トータルスコアでは62-71。ビハインドを9点にまで詰めた。
勝負の4Q、オンザコート2となりマクドナルドとサビートがコートに立ち、ファウルトラブルの高島も投入する。しかし、ディフェンスの穴からシーホースのシュートを防ぎきれない。シーホースはセカンドチャンスを次々に沈めていく。
ビーコルは、シュートを打つも決められず、6分39秒にマクドナルドがインサイドから2Pシュートを沈めるまで得点が出来ない時間帯が続く。このあとも3分5秒にやはりマクドナルドがインサイドから2Pシュートを入れるまでシュートが決まらず、もどかしさが続いた。2分36秒で田渡がアウトサイドから2Pシュート、残り24秒で川村が怒りの3Pシュートを沈めて意地をみせたが、ここまでだった。
1Qで、エース川村卓也のゾクゾクするような3Pシュートで攻めに攻めまくったビーコルだったが、Bリーグ前人未到の16連勝で首位を独走するシーホース三河は、これを遥かに上回っていた。「1Qはじっくり観ていた」と試合後語った鈴木貴美一HC。シーホースの敵将は1Qで冷静に海賊たちを観察していた。
そして、3Pシュートの差が、前日以上に大海戦の勝敗を大きく分けた。シーホースにはこの試合で、13本(試投26)もの3Pシュートを決められた(成功率50%)。特に松井が5本、金丸が4本、同じ選手に多くの3Pシュートを入れられたのは、あまりに痛恨だった。
ビーコルは、前日のチームスタッツを上回っていた。1Qの速攻は鮮やかだったし、胸躍る波状攻撃も魅せた。この試合でオフェンシブに行った川村卓也は3Pシュート3本を含むチーム最多の21得点を挙げた。
サビートは15得点、15リバウンドで、3試合連続のダブルダブルをマーク。マクドナルドは、4試合連続二桁得点となる10得点を挙げ、引き続き安定した得点力を示し、リバウンドも6と貢献した。
加えて田渡8得点、満田5得点。佐藤は、体を張ったディフェンスでシーホースに挑み、ファウルアウトこそしたが、仁王の如く気迫溢れる守護神ぶりだった。
そして、古巣対決の高島はこの試合も素晴らしい動きを魅せた。ここぞの4得点で存在感を示し、4つのファウルでファウルトラブルにはなったが、ディフェンスでも強豪シーホースに勇猛果敢にぶつかっていった。その必死なプレーは、古巣の三河ブースターに今の高島一貴の躍動を報告した恩返しになった。
連敗はした。しかし、希望はあるし、チームは確実に成長している。シーホースとは来年3月24日と25日にホームで三度再戦する。それまでにさらなる進化を遂げて、今度こそのリベンジだ。
海賊たちは、天皇杯を挟んで、次節12月2日からのホーム琉球ゴールデンキングス戦までしっかりと修正して、巻き返しを図る。
なお、ビーコルは、11月25日から岩手でB2仙台89ERSと「第93回天皇杯・第84回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」3次ラウンドを闘う。
【記事/おおかめともき(写真提供:©B.LEAGUE)】