鮮烈なデビューを飾った海賊の新戦力ウィリアム・マクドナルドに聞く。


逆襲期する海賊が大きな武器を得た!

期待の新戦力ウィリアム・マクドナルドが、デビュー戦でいきなり16得点を挙げる鮮烈なデビューを飾った。初めて対戦した富山グラウジーズは、来日してすぐに実戦投入されたマクドナルドのデータがなかったとはいえ、このデビューは鮮烈だった。その存在はチーム内で早速ケミストリーを生み、同僚ハシーム・サビート・マンカは負担が減りダンクを2本決めて16得点と躍動させた。デビュー戦を終え会見に応じたマクドナルドに早速話しを聞いた。

「自分がずっとバスケットボールをプレーしてきたなかで、インサイドでプレーするというのは自分の仕事だと思ってやってきているので、相手が大きくても、小さくても、相手にアジャストして得点を取ることが出来ます。今日のゲームで言えば、自分が次、何をもっと出来るのかということを大事にしていきたいと思っています」

デビュー戦後に会見するウィリアム・マクドナルド

 

コートでのプレーも、話しを聞いても彼はとてもクレバーだと感じた。そして、期待していたサビートとのケミストリーは期待以上だった。サビートは水を得たように最長身を活かしたダンクを決めた。Bリーグ最長身を誇るサビートと、豊富な経験を持ち恵まれた体格を持つマクドナルドとのコンビネーションは、デビュー戦でかなりの可能性を示した。

「サビートは、本当にデカイ選手なので、一緒にプレーするのが楽しみです。僕の経験を彼に伝えてあげたいと思っています。(サビートとのコンビネーションは)これから1週間後、2週間後、どんどん良くなっていくと思うので期待していてください」

シュートを決めるウィリアム・マクドナルド。左はハシーム・サビート・マンカ。この二人のケミストリーがチーム浮上の鍵を握る

 

日本のバスケットボールは彼にどう映ったのだろう。

「今日が日本での初めての試合でしたが、(前にプレーした)中国に比べるとチームプレーを重視するバスケットボールだと思いました。自分のキャリアは15年目になるのですが、世界中を回ってきた選手として、これからアジャストしていくつもりです」

チーム合流して間がない中で臨んだ試合。それでも世界各地を渡り歩いた経験でフィットし16得点を挙げてみせた

 

マクドナルドはすぐにチームにアジャストしてみせ、16得点を挙げた。古田 悟HCはこう評価し期待を大きくする。

「インサイドが強い選手と思って取った選手ですが、ただ体力的な部分で、まだ来てから期間が短く、3回しか一緒に練習していません。向こうでもトレーニングはしていたと思うんですけど、対人の部分で全くやっていませんでした。ただ、今日の短い時間でこれだけ点数(16得点)を取れるということは、これから慣れて来て、体力が付いてくれば、もっとインサイドの起点になってくれるのかなという期待はあります。正直、今日ここまで、思いのほかフィットしていたのかなと思います」

 

マクドナルドは、ビーコルをどのように感じたのだろう。

「チームメイトは、オンザコートでもオフザコートでも本当に仲が良くて、噛み合っています。流石にずっとプレーして来ているなと思います。このチームはいいチームだと思います。あとは細かい点の修正というのが必要になってくると思います。その細かい点が何なのかというのを、いま模索しているところですし、それがチームが強くなっていく秘訣だと思っています」

 

ビーコルブースターへメッセージを聞いた。それはよくある通り一遍等の答えではなく歴戦を闘ってきた勇者らしい言葉だった。

「自分がこれまでに、ずっとやってきたように、チームに影響を与えていきます。今もそうですし、これからも、チームにポジティブな影響を与え続けていきます。ビーコルブースターの皆さんも、それを見ていてください。僕は、簡単には『必ず勝ちます』とは言いたくはないんです。でも、絶対に最大限の努力をして、勝つようにしていくので、応援をこれからもよろしくお願いします!」

ビーコルブースターへメッセージを語ったあとで、とびっきりのスマイルをくれた。試合を離れれば心優しきジェントルマンだ。

 

ここまで苦戦が続くビーコルが得た頼もしき新戦力ウィリアム・マクドナルド。世界中を渡り歩いてきた15年間の豊富な経験は、チームにさらなるケミストリーをもたらすだろう。逆襲期する海賊が大きな可能性を持つ強力な武器を得た。お楽しみはここからだ!

 

【写真・記事/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame