怪我から立ち直り、今季に掛けるミスタービーコルの決意。
「いや、いや、ただ長いことやっているだけですよ(笑)」
昨季インタビューをしたとき、謙遜気味にこう答えてくれた蒲谷正之。
試合では体を張ったいぶし銀のようなプレーが印象的なミスター・ビーコルだが、昨季は怪我に泣き、思うような貢献が出来なかった。
それでも、入れ替え戦では、ここぞのプレーでチームのB1残留の危機を救った。
B.LEAGUEの前身bjリーグでの2012-2013シーズンでは、その活躍でビー・コルセアーズを初優勝に導いたビーコルにとって唯一無二の選手だ。
まだまだ衰えるわけにはいかない。
蒲谷はB.LEAGUEが誕生した時、新リーグへの期待をこう語っていた。
「バスケットボールの選手、バスケットボールを今まで経験している人にとって、B.LEAGUEはバスケットボールの夢の第一歩ではないかなと思います。B.LEAGUEが立ち上がったことで、知名度もそうですけど、スキルとか技術の向上で、全てにおいての第一歩になったと思うんです。
バスケットボールの競技者人口は多いんですよ。皆(学校の)体育の時間とかで経験はしていますし、今でもバスケットボールをやってるよっていう人は人口的には凄い多いスポーツなんですね。
バスケットボールをやっている選手たちは、bjリーグだろうが、NBLだろうが、B.LEAGUEだろうが、みんな思うことはひとつで、このバスケットボールを“プロのスポーツ”として知名度を上げて行きたい。
プロスポーツとしてバスケットボールは、サッカーと野球に比べて、知名度や人気で劣っていますから、B.LEAGUEが立ち上がったことは、大きな第一歩になったんじゃないのかなって凄い感じています」
捲土重来を期する今季は、昨季出来なかったことを取り返すべく、シーズン序盤からフル回転する覚悟だ。シーズンオフの、プライベートイベントで激励したとき彼はこう笑って言った。
「怪我しないよう、頑張ります」
自嘲地味な言葉だったが、とても印象に残った。何かただならぬ決意を感じた思いだ。
ミスター・ビーコル蒲谷正之から、ますます目が離せない。
【写真・インタビュー・記事/おおかめともき】