渋谷で遂に連敗脱出!選手とブースターで掴んだ尊き一勝
横浜ビー・コルセアーズ67-61サンロッカーズ渋谷
横浜ビー・コルセアーズが遂に勝利した。長く苦しかった7連敗のトンネルをようやく越えたとき、アウェーの地で選手とブースターのたまっていた歓喜が一気に爆発した。この一勝は、選手たちとビーコルブースターが共に闘い掴んだ尊い一勝だ。
実に素晴らしいビーコルのブーストだった。敵地の青山学院記念館に大勢が駆けつけたビーコルブースターの怒濤とも言える大ブーストは、海賊たちを後押しし、勝利の大波に乗せた。
サンロッカーズのフリースローでは、地鳴りのようなブースターディフェンスが巻き起こり、相手にこれでもかのプレッシャーを与え、海賊たちは大きな力を得た。
この試合で8得点を挙げた田渡 凌はビーコルブースターのことを試合後にこう語っている。
「僕、毎回思うんですけど、どんなに遠くへ行ってもビーコルブースターの人たちが試合を観に来てくれるんです。こういうのは、なかなかないんですよね。僕が初めてアウェーで行ったのが北海道の試合だったんですけど、5,000人はいったアリーナで、応援がビーコルのほうが全然多かったんです。それを見た時に、ビーコルブースターの人たちって凄いんだなぁと思ったし、ありがたいなぁと思ったし、今日もアウェーの中で、あれだけ来てくれて、本当に感謝しています。だから勝たないといけないし、みっともない試合は出来ない。現状2勝8敗なので、もっともっと勝ってブースターの人たちに恩返しをしたいです」
1Qは、ボールの奪い合いだった。川村卓也は出だしから気迫のブロックで挑み、勝利への執念を剥き出しにした。しかしビーコルはサンロッカーズのディフェンスに苦しみ、パスミスも多く出てしまい得点をなかなか挙げられず11−16、サンロッカーズのリードで終える。
2Q、5分6秒でジェフリー・パーマーがターンオーバーからのジャンプショットで3Pを沈めて逆転。しかし、直後にフリースロー2本を決められ同点にされるが、4分10秒にハシーム・サビート・マンカがインサイドからの2Pシュートを決めて再び逆転。さらには川村の連続2Pシュート、パーマーの2Pシュートで突き放すが、終了間際に2Pシュートとフリースロー3本を決められサンロッカーズが肉薄。しかし、リードは許さず21−14で終えた。
2点のリードで突入した後半3Q、サビート、田渡、佐藤、川村、パーマーのシュートなどでビーコルは流れを相手に渡さず、得点を重ねていく。さらには残り6秒で細谷将司がアウトサイドからの2Pシュートを決めて3Qを23−12で終え、ここまでのリードを13点にして最終クォーターに突入する。
4Qのビーコルは前戦同様に得点が伸びなかった。さらには8分19秒で#24広瀬と接触したパーマーが足首を痛めるアクシデントで交代すると、オンザコート2の時間帯で外国籍選手が1人になってしまう。さらにはサビートが直後にこの日チーム3つ目のアンスポーツマンファウルを取られフリースローを2本決められてしまう。ここからサンロッカーズは、#9ベンドラメと#6サクレのシュートで猛追。遂には3分5秒に同点に追いつかれてしまう。
しかし、しばらくしてパーマーは、痛みを堪えてベンチで立ち上がり、古田HCにアピール。6分56秒に戦線に復帰した。痛みはまだ残っていたはず。にもかかわらず、出場したパーマーのファイトとガッツには感銘した。パーマーはこの試合で、個人通算1,000得点を達成した。
ビーコルは、この試合もアンスポーツマンファウルを多く取られた。しかしビーコルブースターからは、我慢しろ!我慢しろ!の声が響き、選手たちも何とかファウルが出ないよう務めた。
前戦と同じ展開に不安がよぎったが、それを断ち切るかのように、海賊たちに勇気を与えたのがビーコルブースター怒濤のブーストだった。これに後押しされながら田渡 凌が躍動する。2分14秒に田渡がアウトサイドから2Pシュートを沈めると、さらには1分32秒、奪ったファウルからフリースロー2本をしっかりと決めた。
必死に食らいついてくるサンロッカーズに対し、サビートが長身を活かしたブロックショットで追撃を阻止。
残り12秒でファウルを奪った川村が2本のフリースローを沈めて、ビーコルが歓喜の中で勝利。苦しかった連敗が遂に7で止まった。
試合後の古田HCはこの勝利をこう総括している。
「失点を70点以下に抑えることが目標でした。70点以下に抑えれば十分チャンスはあると思っていました。自分たちの得点はいつもの平均点だったんですけど、4Qの苦しい場面で流れが悪くなったところで、逆転される前に選手たちがディフェンスの意識を高めて闘ってくれたことは大きな収穫です。今日は凄くみんながディフェンスを頑張ってくれて、相手が嫌がるディフェンスをやってくれました。これからこれをこのチームの特徴にしていければと思っています」
古田HCはGAME2向けて、勝って兜の緒を締めよとばかりに引き締めた。
「明日も同じチームと当たるので、今日以上のディフェンスをやっていきたいと思っています」
ハシーム・サビート・マンカがまたさらなる進化をみせチームの連敗ストップに大きく貢献した。チームのスタッツリーダーとなる15得点、12のリバウンドを奪い、そしてブロックショットを4つ決めた。
古田HCは、この日のサビートのことをこう語っている。
「サビートはファウルで出れない機会が多かったんですが、相手にとっては凄くやり辛いと思います。ディフェンスにいるだけでもシュートミスになっていましたし、ブロックが来ると思っていても、なかなか交わすことが出来ずに周りも止まってしまう。今日、彼が最後まで残ってくれたというのは、ひとつの勝因なのかなと思っています」
3試合連続ファウルアウトのサビートが、最後まで試合に出たのは大きかったといえる。サビートは試合後にこう振り返った。
「今日はファウルに気をつけ、スマートにプレーすることが出来ました」
さらにこの勝利について、こう語っている。
「4Qまでずっと闘い抜いて勝った試合だと思っています。ハーフタイムでも、チームメイトに闘い抜いたほうが勝つと伝えていたんです。明日のGAME2もこういったゲームが引き続き出来ればいいと思っています」
サビートが、自らチームメイトにこういったことを伝えることが出来ている。サビートはもう完全にチームに溶け込んでいると言っていい。
サンロッカーズの猛追にあった4Q終盤では、サビートのここぞのブロックショットがチームを勝利へと導き、彼ならではの長身がサンロッカーズのオフェンス陣に多大なプレッシャーを与えた。
「いつもチームメイトには、ドライブの時は下でファウルしないで、僕がペイントを守っている守護神なので、僕に持ってくれば必ずブロックするということを伝えているんです」
まさに“海賊の守護神”、チームへのアジャストがさらに進んでいることがうかがい知れる言葉だ。
田渡は彼への信頼をこう言っている。
「サビートがいるから、ブロックしてくれる信頼があります」
GAME2では、サンロッカーズも立て直してくる。二人へのマークも厳しくなるだろう。サビートと田渡はビーコルブースターに向けて明日のGAME2への意気込みとメッセージを送ってくれた。
サビート「今日みたいな闘うバスケをしていきます。明日も今日のように40分間闘うということをしていきたいと思っています。Come suport!Go!B-COR!」
田渡「明日も、もちろん、勝つつもりで行きます。毎試合、毎試合、勝とうと思ってやっているんですけど、なかなかそれが出来てなくて、今日やっと勝てたんですけど、今日の良いところは継続して、今日、ダメだったところはまだまだあるし、追いつかれてしまっているので、そういう部分を改善して、明日も良いバスケをして、早くもっと良い形でバスケットが出来るように、チームを作って行きたいと思っています」
GAME2も、選手とブースターがひとつになって連勝あるのみだ!ゴービーコー!!
【写真・記事/おおかめともき】