ガードナー、ハミルトン、五十嵐を如何に抑えるか?ビーコルディフェンスの試金石。
横浜ビー・コルセアーズは、10月24日(水・19時05分 TIP-OFF)に、ホーム横浜国際プールでおこなわれる第5節を同じ中地区2位の新潟アルビレックスBBと1試合を闘う。
3日前、国プ開幕節での滋賀2連戦GAME2で、4Q土壇場19秒でエース川村卓也が決めた逆転2Pで最大24点差をひっくり返し、クラブ史に残る大逆転劇で今季の初連勝を飾ったウィスマンビーコル。
滋賀戦までは、ディフェンス難に苦しみ5連敗だったが、課題であったディフェンスが改善されたGAME1で今季初勝利を挙げると、一気に連勝を決めて波に乗る。
中地区争いは前節で変動があった。滋賀戦に連勝したビーコルが2勝5敗となり5位に浮上。ビーコルと共に勝ち星のなかった三河がSR渋谷に連勝して4位(同じ2勝5敗のビーコルと勝率で並ぶが、得失点差で三遠が上回る)となり、琉球に連敗して6連敗となった三遠が1勝6敗で6位となっている。ビーコルとしては、今節の結果次第では4位浮上もあり得るだけに新潟に勝利して、さらなる上位進出を目指したいところだ。
一方の同じ中地区を争う新潟は、現在4勝3敗で2位の位置にいる。3連勝して千葉に乗り込んだ前節千葉2連戦では連敗したが、90得点、87得点とハイスコアを挙げている。
要警戒は、昨シーズンやられたリーグ得点数2位の重戦車ダバンテ・ガードナーに加えて、ここまでの5試合全てでダブルダブルをマークしているラモント・ハミルトン。3Pシュート成功数でリーグ2位の五十嵐 圭。千葉戦GAME2で3Pシュートを4/4、成功率100%で入れた柏木真介らになるが、滋賀戦で改善を見せたビーコルディフェンスがこれらをどう抑えるか。
3Pシュートでは、五十嵐19本で川村卓也が18本。川村は滋賀戦GAME2で神がかり的な活躍を魅せたばかり。川村と五十嵐の3Pシュート対決は、今節での楽しみな見どころのひとつだ。因みに、川村卓也のここまでの得点数119(リーグ15位)は日本人選手でのトップ。日本人選手2位は99得点(リーグ25位)の五十嵐になっている。
ビーコルは昨シーズンの対新潟戦で1勝5敗だったが、今季ここまでの総得点数だけで見れば、ビーコルがリーグ8位の556得点、新潟がリーグ5位の575得点と、差はさほど開いてはいない。それだけにディフェンスが鍵を握る。新潟のスコアを抑えることが出来れば勝機はある。
トーマス・ウィスマンHCは滋賀戦でもゾーンディフェンスを駆使したが、ゾーンディフェンスに関してウィスマンHCは当初、マンツーマンディフェンスがまだ出来ていないことからゾーンを使わざるを得ないと語っていたが、現時点でゾーンディフェンスがディフェンスの要となっているのは確かだ。
滋賀戦GAME2ではゾーンにマンツーマンを織り交ぜたチェンジングディフェンスで滋賀を翻弄して、4Qではわずか7点にまで抑えることに成功している。ウィスマンは、ゾーンディフェンスのパターンをまだまだ持っていそうだ。今節、ガードナーとハミルトンの強力なインサイド陣、五十嵐らの3Pシューターに対してどんな秘策に打って出るか楽しみだ。
オフェンスでは、帰化選手モリスに外国籍選手を加えた実質オンザコート3のビッグラインナップ、スピードのある細谷と田渡を併用する2ガードが、ウィスマンビーコルの大きな武器になっているが、名将はこれらも積極的に投入して成果を得て来ている。
ウィスマンHCは、滋賀戦でビッグラインナップは切り札的に使うかもしれないとも言っていたが、2位新潟と闘う今節で名将はどのような形でこのカードを使ってくるか。
ビーコルは、エース川村卓也に加えて、アマンゼ・エゲケゼ、細谷将司、田渡 凌が好調。帰化選手エドワード・モリスもここに来て調子が上がってきている。
エゲケゼは、滋賀戦GAME1で3点バスケットカウントが実に3回。翌日のGAME2でも3点バスケットカウントを決めており、持ち味のスピードを活かした果敢なインサイドアタックが光る。
また開幕前に新加入したジャボン・マックレアも、徐々に状態を上げて持ち味を発揮してきている。直近の滋賀戦GAME2では来日後最多となる19得点(7リバウンド)をマークし、ダンクも1本決めている。
ホームの猛ブーストを受けて、3連勝を狙う今節の新潟戦。強力なインサイド陣、3Pシューターを擁するチームが相手なだけに、現時点でのウィスマンビーコルのディフェンス力が試される。連勝で波に乗る海賊たちのさらなる勝利を期待したい。
【記事・写真/おおかめともき(新潟選手写真提供・©B.LEAGUE)】