悪夢の4Qで新潟に敗れ7連敗。サビートのファウルアウト響く
横浜ビー・コルセアーズ 63 – 70 新潟アルビレックスBB
中地区6位のビーコルは6連敗を止めるべく、アウェーの新潟市東総合スポーツセンターで中地区4位で4連敗中の新潟アルビレックスBBと闘った。
3Qまでは、海賊たちが久々に魅せた胸のすくようなオフェンスで、リードを奪い流れを支配していた。誰もが今度こそ勝てると思ったはずだ。しかし、4Qが悪夢の展開になってしまい痛恨の逆転負けを喫してしまった。
スターティング5は、川村、高島、佐藤、田渡、サビート。オンザコートはこれまで同様1-2-1-2だった。
1Q開始早々、両チーム共にシュートを打ち合うがことごとくリングに嫌われ得点が停滞。7分47秒にアルビレックス#11鵜澤 潤の2Pシュートで先制されたが、直後にハシーム・サビート・マンカがすぐさま2Pシュートを沈めると、ここから得点の奪い合いになる。ビーコルは、サビートと川村卓也で得点を重ね、終了間際42秒で佐藤託矢が2Pシュート。さらには残り1秒でジェフリー・パーマーが2Pシュートを沈め16-11。リードで1Qを終える。
サビートの躍動が光った。1Q 2分31秒で満田丈太郎のアシストから沈めた力強いダンクには大きな勇気をもらった。
2Q、サビートが持ち前の高さを活かしたディフェンスで、#54ダバンテ・ガードナーのシュートをブロックする。アルビレックスは、アウトサイドからのシュートも狙ってくるが、ビーコルのディフェンスが機能しミスを続けた。5分での蒲谷正之とパーマー、4分でのパーマー、さらには2分に川村が沈めた連続シュートは実に鮮やか。2Qは16-13とリードをキープした。
8点リードで前半を終えたが、ファウルが心配されていたサビートが、前半で既に4つのファウルを取られている。ファウルトラブルでの交代時に激昂する場面もあった。
3Q、ここまでビーコルのディフェンスに苦しみ得点が伸びなかったガードナーに、開始早々インサイドからの2Pシュートを決められる。しかし、直後に川村が3Pシュートを沈めて流れを渡さない。
エース川村はこの試合で絶対に勝ち、連敗を止めるんだという気持ちを前面に押し出していた。7分51秒で決めたジャンプショットでの2Pを沈め、なりふり構わず大きく吠えた姿は、まさにその現れだった。
4連敗を止めたいアルビレックスは必死に食らいついてくるが、ビーコルもすぐさまやり返してリードを明け渡さない。2分48秒で、高島に代わってコートに立った細谷将司が躍動する。2本の3Pシュートを沈めて3Qは25-21。リードは12得点となり、連敗ストップへの期待が膨らんでいく。
4Q、この我慢の最終クォーターに魔物がいたのだろうか、それとも慢心があったのだろうか。悪夢が海賊たちを待ち受けていた。開始早々から立て続けに、#7五十嵐 圭、ガードナーらに2Pシュートを決められたビーコルは、ファウルからの失点も多くなり、さらには5分34秒にサビートが5つ目のファウルを取られ3試合連続のファウルアウト。ここからビーコルは流れを失っていった。
4分59秒ガードナーに2Pシュートを決められ遂に59-59の同点に追いつかれてしまう。ビーコルも何とか立て直して、同点~勝ち越し~同点~勝ち越し~同点と一進一退の展開になる。しかし1分09秒でガードナーに2Pシュートを決められ勝ち越しを許すと、残り28秒で今度は佐藤託矢がファウルアウト。ガードナーにフリースローを2本とも決められてしまいビハインドは4点。
時計の針がどんどん進む中で何とか同点~勝ち越しを狙うが、残り9秒で#15オースティン・ダフォーにバスカンを決められて万事休す。70-63、痛すぎる逆転負けを喫し、ビーコルはこれで7連敗。アルビレックスは連敗を4で止めた。
悪夢なら覚めて欲しい…。3Qまでリードし、流れを支配しながら、4Qにまさかの失速。最終クォーターの得点はわずか6点だった。オンザコート2の大事な4Qでサビートがファウルアウト。さらには終盤に佐藤と川村までもファウルアウトで失ってしまったのも痛かった。
この試合で、海賊たちはサビートへパスを多く供給した。湊谷とウォッシュバーンを怪我で欠いたチームは、まだ未完成のサビートに依存していかないといけない状況にある。この悔敗ではこれが大きく影響した。サビートがファウルアウトして以降、流れがアルビレックスに行ってしまったのが悔やまれる。
ウォッシュバーンに代わって今後はサビートを中心にチームは組まれていくだろう。この試合で、サビートは持ち前の高さを活かしたブロックで、10月15日豊橋での三遠ネオフェニックス戦で、Bリーグ最多となる47得点を挙げたダバンテ・ガードナーのシュートを阻止した。
そしてゾーンディフェンスもアルビレックスを苦しめた。アルビレックスはゾーンを崩そうとアウトサイドからシュートを打ち、多く外していた。ゾーンディフェンスは少しずつ修正されて効果を生み出している。古田HCがこだわり推し進めるこの戦術は、サビートを中心に置くことを念頭にしている。それだけにサビートがファウルをどう克服していくか。どう克服させていくか。この大命題をクリアしたときにハシーム・サビート・マンカの真の力がコートで一気に開放され、チームは強さを得る。
次回12月20日にホーム横浜国際プールで行われるアルビレックスとの再戦で、これらのことが克服され、進化していることを期待したい。
次節は2日後、青山学院記念館で東地区5位のサンロッカーズ渋谷と対戦する。海賊たちに休息の時間はない。
7連敗となり、いろいろな不安や、意見もあると思う。しかし、今は我慢の時だ。今、もがき苦しむ選手たちに必要なのはビーコルブースターのブーストだ。10月28日と29日には青山学院記念館に少しでも多くのビーコルブースターに集まって欲しい。そして、ホームを彷彿とさせる大ブーストで選手たちを全力で後押しして欲しい。そして、家族である選手、ブースター、みんなで今度こその勝利を掴もう!
【記事/おおかめともき(写真提供:©B.LEAGUE)】