川村卓也3Pシュート9本、今季自己最多32得点も1Qでの31失点が響く。
横浜ビー・コルセアーズ 93-96 新潟アルビレックスBB(3月10日・横浜国際プール)
19-31|22-23|24-16|28-26
横浜ビー・コルセアーズは、ホーム横浜国際プールで新潟アルビレックスBBとGAME1を闘い、川村卓也が3Pシュート9本を沈める今季自己最多32得点を挙げるなどして、ビーコルはB1チーム最多得点となる93点を挙げたが、1Qでの31失点が響く形となり、3点差で初戦を惜敗した。
今季のホームゲームの中で、これほどしびれるゲームがあっただろうか。横浜国際プールに訪れた3,111人の観客はゲーム終了間際の猛追に興奮し胸を熱くした。
ビーコルが得点すれば、新潟が得点して逃げるという展開で、4Qでの怒濤の猛追で5点、3点、1点と詰め寄り、遂には同点に追いついた。しかし、ミスから失点してしまい残り37秒で8点のビハインドを背負いファウルゲームに持ち込んだ。
ここからエース川村卓也が神がかり的な3連続3Pシュートを沈め2点差にまで肉薄。城宝匡史にフリースロー1本を決められ3点差となり、残り4秒で川村が同点の3Pシュートを狙ったが無情にもリングに弾かれ、細谷も3Pシュートでブザービーターを狙ったが、これも外れてしまい無念の惜敗となった。
オンザコートは1−2−1−2。川村は先発を外れ、細谷、高島、満田、佐藤、マクドナルドが先発。
1Q開始早々9分42秒にウィリアム・マクドナルドがレイアップで2Pシュートを沈めてビーコルが幸先よく先制。9分1秒には満田丈太郎がアウトサイドから2Pシュートを沈めて続いた。
しかし、ここからダバンテ・ガードナー、鵜澤 潤、五十嵐 圭らに立て続けにレイアップなどで得点を許し、1Qで31失点を喫してしまう。
ビーコルは、マクドナルド、ハシーム・サビート・マンカ、満田丈太郎、田渡 凌、川村卓也が得点したが19得点に留まった。1Qは19−31。出だしから12点のビハインドを背負ってしまう。
2Qで、ビーコルは反撃に出る。9分37秒と同21秒の川村と田渡の2Pシュート。8分26秒と7分39秒での川村とジェフリー・パーマーの3Pシュートで5点差にまで迫り、反撃の流れを作る。
しかし直後に城宝に3点のバスケットカウントを決められ、流れは再び新潟へと傾いてしまう。
ビーコルは、満田の2Pシュート、マクドナルド、サビート、パーマー、川村のフリースローで得点して2Qを22−23とし、トータルスコア41-54。13点差で前半を折り返した。
3Q出だしで、サビートが内外からダンク1本を含む2Pシュートを3連続で沈める。
さらには6分3秒と5分32秒、細谷将司が2本連続で渾身のレイアップを沈める。
4分29秒と3分48秒、今度は川村が3Pシュートを連続で沈めた。しかし一方で、これら得点の直後に新潟に得点を許してしまう。
残り1分で、この日3月10日佐藤さんの日で自身のイベントもあった佐藤託矢が魅せる。1分56秒にディフェンスリバウンドからのバスケットカウントを奪う2Pシュート。残り55秒にはマクドナルドのディフェンスリバウンドから3Pシュートを沈めた。
佐藤の2本のシュートで流れが生まれ、残り2秒でマクドナルドが2Pシュートを沈めて5点差にまでビハインドを減らし、最終クォーターでの反撃に繋いだ。
4Qも、ビーコルが得点すれば新潟が得点する展開になったが、ビーコルは凄まじい猛攻で得点を重ねた。
9分31秒に田渡が2Pシュート、8分48秒に川村が3Pシュート、8分11秒にマクドナルドがアウトサイドから2Pシュート、7分29秒には川村が3Pシュートを沈めた。
パーマーは2度のフリースロー機会を4本とも全て沈めて、4分54秒に3点差にまで迫る。
4分14秒にマクドナルドがアウトサイドから2Pシュート、3分23秒に田渡がレイアップで2Pシュートを沈めて1点差にまで肉薄した。
そして2分53秒、城宝からファウルを奪った満田がフリースロー1本を沈めて、遂に同点に追いついた。
しかしここから、ファウルからのフリースロー、シュートミスからリバウンド、連携ミスで失点を許してしまい終盤37秒で8点のビハインドを背負ってしまいファウルゲームに持ち込む。
37秒でサビートがファウルアウトしたが、ここでエース川村卓也が神がかり的な逆襲を魅せる。33秒、20秒、12秒に突き刺さるような3連続3Pシュートを沈め、2点差にまで詰め寄った。
残り11秒、怒号のようなブースターディフェンスが轟く中で、城宝がフリースロー1本を決めて3点差。残り4秒で、川村が同点を掛けて3Pシュートを打ったがリングに弾かれ、パーマーのオフェンスリバウンドを受け取った細谷が3Pシュートを打ってブザービーターを狙ったが、これも弾かれてしまい無念の惜敗となった。
ビーコルはこれでアウェイ三遠戦から5連敗。5位富山が大阪に敗れたため5.5ゲーム差はそのまま。4位新潟までのゲーム差は7に広がった。新潟は4連勝。
下位4チームに課されるB1残留プレーオフの指標となるワイルドカード12チーム中でビーコルは依然10位。9位の滋賀とはゲーム差1だが、残留プレーオフ回避のデッドラインである8位大阪との差は、3.5ゲーム差に広がった。
チームのスコアリーダーは、9本の3Pシュート(9/13 成功率69.2%)を含む、今季自己最多得点となる32点を挙げた川村卓也。
ハシーム・サビート・マンカとウィリアム・マクドナルドが14得点。ジェフリー・パーマー、田渡 凌、満田丈太郎が8得点。田渡はアシスト6も記録した。
佐藤託矢は、3Q終盤で4Qの猛追に繋がる流れを生んだ3Pシュートと2Pシュートで5得点。アシスト6も光った。
細谷将司は4得点。蒲谷正之は今回も出場がなかった。
なおこの試合で、新潟#3畠山俊樹と#30今村佳太が、試合中の怪我のために退場している。
尺野将太HCは試合後の会見で、こう総括している。
「前半でエネルギーが足りないディフェンスをしてしまい、相手がやりたいことをさせてしまった。シューターもあけてしまい、ガードナー選手に寄り過ぎてしまったことで、他のシューターに気持ちよくシュートを決められてしまいました」
「後半、修正して闘う力を示しましたが、勝ち切る部分、川村選手がシュートを決めてくれましたが、前半の失点を埋めるのにエネルギーを使ってしまい、ラスト3分の大事な時間帯で8−0のランを許してしまい勝ち切れなかった。やはり、そこが悔やまれます。ここを乗り越えれば、後半のようなゲームは出来ると思うので、これを40分間続けられるように、明日もう一度頑張りたいと思います」
1Qでの31失点はディフェンスを重要視する尺野HCだけに無念は大きい。
「チームとしてやるべきことが出来ないままレイアップを決められてしまった」
「チームとしてやるディフェンス、チームルールの中でディフェンスが徹底出来ていない。これが出来ていれば、オフェンスも流れが来ましたし、ディフェンスで相手に難しいシュートを打たせることも出来た。5人で共通認識を持って、チームディフェンスが出来るかどうかです」
尺野HCは試合後のコートでビーコルビースターに向け、GAME2での逆襲を誓った。
「ここまで闘えたのはビーコルブースターの声援のお陰。明日は1Qから激しいディフェンスを掛ける」
攻守に奮闘した佐藤託矢は、こう振り返っている。
「チームとして、ディフェンスをしっかりとやって、失点を減らすことを目標にして臨んだが、1Qで31点も取られてしまって、リズムに乗ることが出来なかった」
「最後タク(川村卓也)のシュートが、立て続けに決まって競った感じにはなったが、あれがなかったら、かなり苦しい試合になっていた。自分たちのプラン通りにはいかず、ずっと相手のペースになってしまった」
32得点を挙げた川村卓也は、試合後のコートでビーコルビースターにこう語っている。
「シュートではチームを助けることが出来たが、重要なところで自分のディフェンスミスでレイアップを決められたり、ディフェンスでのミスが非常に多いゲームになってしまった」
「チームのディフェンスを、しっかりと自分のものに出来るように、明日気持ちを切り替えて、今日のシュートタッチを継続出来るようにしたい」
シーズン序盤は70点入れるのがやっとだったチームが、80点台の得点になり、この試合ではB1チーム最多得点となる93得点を入れるまでになり、チームの成長はここ数戦で顕著になっている。しかし勝ちに繋がらない。前試合川崎戦GAME2がそうであったように勝ち切ることは、いま大命題になっている。オフェンスは出来てきている。あとはディフェンスだ。チームとしてのディフェンスを如何に徹底していくか。今日魅せた4Qの猛追を明日に繋げるためにも、GAME2での修正に期待したい。
【写真・記事/おおかめともき】