川村奮戦26得点。パーマーB1個人通算500ディフェンスリバウンド達成。来場者数4,562人でB1チーム最多入場者と横浜国際プールのB1アリーナ最多入場者を記録。
横浜ビー・コルセアーズ 91-95 新潟アルビレックスBB(3月11日・横浜国際プール)
13-14|22-17|23-35|33-29
横浜ビー・コルセアーズは、横浜国際プールで新潟アルビレックスBBとGAME2を闘い、前半をリードしながらも、後半での接戦を勝ち切れず4点差で惜敗した。
前日のGAME1に続くスリリングな試合だった。この試合でもビーコルが得点すれば、新潟が得点する激しいシーソーゲームとなり、ビーコルはオフェンスで前日に続いて90点台91得点のハイスコアを挙げながら、またもや接戦を落としてしまった。
この試合で、横浜国際プールには4,562人の来場者が訪れ、B1チーム最多入場者と横浜国際プールのB1アリーナ最多入場者を記録した。またジェフリー・パーマーが、B1個人通算500ディフェンスリバウンドを達成した。
前日のGAME1でビーコルはB1チーム最多93得点を挙げ、翌日のGAME2でもこれに継ぐ91得点。GAME1で驚異的な9本の3Pシュートで今季自己最多32得点を挙げた川村卓也も、3Pシュート3本(3/4 成功率75%)で26得点を挙げ、新潟と激しい接戦を演じたが、この試合でも勝ち切ることは出来なかった。
スターティング5には、細谷、高島、満田、佐藤、サビートを起用。GAME1で31失点を喫した尺野将太HCが「明日は1Qから激しいディフェンスを掛ける」と明言していた通りに、ビーコルは1Qからアグレッシブなディフェンスを展開。修正も上手くいき新潟を1Qで14得点、2Qで17得点に抑え込むことに成功する。
一方でオフェンスでは、1Qで6得点を挙げたハシーム・サビート・マンカを起点に攻めたものの13得点に留まった。これはディフェンス重視の布陣を引いたことからだったと尺野HCはいう。
「昨日の1Qに31点取られてやられていたので、1Qのディフェンスを徹底しようとディフェンシブなメンバーで構成しました。ただ、ディフェンスのメンバーにやって欲しかったトランジションで、ストップは出来ていましたが、しっかりと走れなかったところ、もっと走ったほうが良かった。ターンオーバーでシュートまでいけませんでした」
結果1Qは13-14となり、両チームともロースコアのスタートとなった。
2Qで川村卓也が前日のシュートタッチを再現する。7分56秒に3Pシュートを沈めると、6分46秒、パーマーが倒れながら執念でスティールしたボールを受け取ると、執拗な新潟ディフェンスを突破したタフシュートで背面レイアップ。さらにはバスケットカウントを奪いフリースローも決めた。
さらに5分50秒にも、今度はドライブから背面レイアップを沈め、さらに2分11秒には3Pシュートも沈めた。川村は2Qでフリースローを含む12得点を挙げオフェンスの起点となった。
これにパーマーが2Pと3Pで続き、細谷将司も3Pで続いた。2Qでビーコルは22得点を入れて22-17でリード。トータルスコア35-31で逆転し、流れを持って前半を終えた。
後半に入ると3Qの出だしで佐藤託矢が前日同様に流れを生む3Pシュート2本を沈める。さらにはパーマー、満田丈太郎が3Pシュートを沈め、この時間帯でビーコルは3P攻勢を仕掛け得点を重ねた。
しかし、五十嵐 圭らに決められた3Pシュートで逆転を許し、3Q終盤に8点のビハインドを背負ってしまい3Qを23-35、トータルスコア58−66でこのこのクォーターを終える。
4Q出だしで竹田と川村がフリースロー5本を決めた直後、パーマーが2Pシュート。これで乗ったパーマーはさらに連続して3Pシュートを沈めて逆転に成功する。
しかし生まれた流れは確実なものにはならず、ここから追いつ追われつの白熱した接戦になっていく。
残り49秒で、五十嵐に3Pシュートを決められビハインドが2点差に。さらにはダバンテ・ガードナーにも2Pシュートを決められ差が4点に広がってしまう。
しかし、残り5秒に細谷のアシストで川村卓也が3Pシュートを沈めて1点差に肉薄。4,562人の観客で埋まった横浜国際プールは興奮の坩堝と化した。
しかし残り4秒、新潟のタイムアウト明けのスローイングで、五十嵐とガードナーにディフェンスが誘い出されてしまったところをノーマークだった池田雄一に3Pシュートを決められ痛恨。再び4点差になってしまう。
さらにはバスケットカウントとなったが、池田は怒号の如きビーコルブースターのブースターディフェンスの中でこれを外す。
時計の針が再び動き出した残り4秒で、パーマーがB1個人通算500となるディフェンスリバウンドを奪い細谷将司にロングパスを出したが、細谷がドライブに入った瞬間、無情の試合終了のブザーが鳴り響き、新潟の勝利が決まった。
ビーコルはこれで6連敗。新潟は5連勝となった。5位富山との差は、富山がこの日ゲームがなかったために6ゲーム差に広がり、4位新潟までのゲーム差はさらに広がり8になった。
下位4チームに課されるB1残留プレーオフの指標となるワイルドカード12チーム中でビーコルは依然10位のままだが、9位の滋賀とのゲーム差が2に広がり、残留プレーオフ回避のデッドラインである8位大阪とのゲーム差は4に広がってしまった。
スコアリーダーは、前日の自己最多32得点に続く26点を挙げた川村卓也。3Pシュートは3本(3/4 成功率75%)。アシストは5を記録した。
ジェフリー・パーマーが、5本の3Pシュート(5/7 成功率71.4%)を含む21得点で続いた。
パーマーは、リバウンド5も記録。ディフェンスリバウンドでは4つ奪い、自身の記録B1個人通算500ディフェンスリバウンドを達成した。
前日4得点に終わった細谷将司は奮闘をみせ、2本の3Pシュートを含む13得点。アシスト7も光った。
ハシーム・サビート・マンカは8得点、ウィリアム・マクドナルドは7得点と二桁得点はならなかった。
またキャリア通算3,000得点まであと13得点としていたベテラン竹田 謙はフリースローを3本決めて、自身の偉業達成まであと10とした。
GAME1で出場した山田謙治はプレータイムなし、蒲谷正之はこの試合も出場がなかった。
試合後、長いミーティングがおこなわれたあとで会見に応じた尺野将太HCはこう総括している。
「昨日の1Q 31失点から、今日前半で31失点(1Q 14失点、2Q 17失点)で、前半はいいディフェンスが展開出来たと思いますが、後半で3Qに35失点、4Qに29失点取られてしまった。ウチのファウルトラブルもあり、激しいディフェンスが出来ない場所が出たところを相手に上手く突かれてしまい後半で64失点を取られてしまいました」
「オフェンスは点数を取れるようになりましたが、2日続けて96点、95点という失点だと難しくなる。なかなか勝ち切れないチームなので、ディフェンスの部分で40分間を闘えるかどうか。続いているこの課題をトム(アドバイザーのトーマス・ウィスマン)とも相談しながら、あと一歩を越えるために必要なところをいろいろチャレンジしていく」
2試合で60点近い58得点の驚異的なハイスコアを挙げた川村卓也。試合後のコートでエースはビーコルブースターに言葉を振り絞るようにして語った。
「勝つことを目的に、自分が出来ることをチームのためにやっていく。いろいろと原因はあると思う。とにかく皆さんに勝ち試合をみせること。それだけをしっかりと意識して残りのホームとアウェイの試合を闘っていくので…。こういうゲームが続いて、引き続き応援して欲しいというのも非常に言いにくいですが、シーズン終わるまで自分が持っているものをコートで表現出来るようにしっかりと準備してやっていきたいと思います。ありがとうございました」
話し終えたあと、川村はコートの中央で肩を落とした。ビーコルブースターの前で見せたその姿は、川村がこの2試合で死力を尽くし、全てを出し切って闘ったことをあらわした。それだけに切なさがつのる。
GAME1で93得点、GAME2で91点を取り、オフェンスは出来てきている。残り18試合で勝つために、「勝ち切る」ためにはチームディフェンスの強化徹底は急務だ。海賊たちは何とかしようと必死にもがいている。B1残留プレーオフを何としても回避するために、「勝ち切ること」この突きつけられた大命題を海賊たちは、何としても乗り越えなければならない。
次節ビーコルは、アウェイ名古屋でダイヤモンドドルフィンズと2試合を闘う。
【写真・記事/おおかめともき】