反撃の4Q土壇場でサビートが、続けてエース川村もまさかのファウルアウト
横浜ビー・コルセアーズ 82-90 新潟アルビレックスBB(12月20日・横浜国際プール)
22-27|26-18|16-20|18-25
今季ここまで、最大ともいえる悔しさだ。富山で今季初連勝を挙げた勢いそのままに挑んだ新潟アルビレックスBB戦だったが、一進一退の激しい接戦を落し、3連勝はならずだった。
富山でのGAME2を終えた選手たちが横浜に戻ったのは日付の変わった深夜だった。中1日を挟んで、今節の前日にチーム練習を行ったが、休養とコンディションを整える時間、そして今節への準備は決して十分とは言えなかった。しかし、選手たちは試合前練習から活発に声を出し、連勝した勢いと、3連勝へ掛けるモチベーションは並々ならぬものだった。
1Q、ハシーム・サビート・マンカのダンクでビーコルが幸先よく先制。サビートはこのあと続けて2Pシュート沈めた。富山ではGAME1で4得点、GAME2で2得点とロースコアだったサビートだったが、この1Qで5本の2Pシュートを沈めて10得点とオフェンスが冴え渡った。佐藤託矢のオフェンスも光った。3本の2Pシュートとフリースロー1本で7得点を挙げた。さらに高島一貴もアウトサイドからの2Pシュートで続き、22得点を奪った。
しかし早いパス回しの速攻でオフェンスのリズムが出来た一方、ダバンテ・ガードナーを中心にした新潟インサイド陣に得点を許し、両チーム一進一退の展開となる。サビートが、ガードナーに果敢なマンツーマンディフェンスを仕掛けたがファウルもかさみ1Qでファウル2つ。佐藤託矢もファウル2つで、最初のクォーターでチームのファウル数合計が8。新潟にフリースローを100%決められビハインドとなってしまい、1Qを22-27の5点差で終えた。
オンザコート2の2Qで、富山で復帰していたジェフリー・パーマーがウィリアム・マクドナルドと共にコートに立ち、激しく躍動し爆発した。パーマーは、8分22秒にフリースロー2本を確実に決めると、7分5秒に3Pシュートを沈めて得点をかさねていく。約2分でもパーマーは同点となるフリースロー2本を決めてフリースロー成功率100%。そして、圧巻は終盤での3連続3Pシュートだ。まず2分10秒で3Pシュートを沈めて、ビーコルが逆転すると、1分52秒、1分22秒と次々に3Pシュートを沈めた。ビーコルベンチ、ビーコルブースターは興奮の坩堝となり横浜国際プールに大きなうねりが生まれた。2Qは26-18でビーコルがリードを奪い、トータルで48-45と逆転。3点のリードを奪って前半を終えた。
前半では、富山での出場がなかった山田謙治が2試合ぶりにコートに立った。2Q早々の8分57秒で見事な3Pシュートを沈めている。
2Q約5分で川村卓也が3Pシュートを沈めた。前節富山での連勝を大きく牽引した川村はこの試合で7得点だったが、5アシストとここぞのシュートでの活躍が光った。
リードを奪った後半で、ビーコルはディフェンス中心になってしまい得点力が落ちてしまう。前半で16あったチームのアシスト合計も7に減った。この間、ガードナーのインサイド攻撃、五十嵐 圭の3Pシュートなどで失点がかさみ、アルビレックスがじわじわと点差を詰めてくる。残り33秒、五十嵐に3Pシュートを決められ、3点ビハインドでの逆転を許してしまう。しかし、残り1秒でマクドナルドが2Pシュートを沈めて1点差にして食らいついた。3Qは16-20。トータルで64-65。
4Qで猛追したビーコルは、細谷将司の連続3Pシュートで遂に同点に追いついたが、畠山俊樹に3Pシュートを決められアルビレックスが再び逆転し、ここから立て続けに失点を許してしまう。川村卓也が3Pシュートを沈めて肉薄したが、防戦一方のビーコルはこの3Pシュート以降、終盤の攻防で得点が出来なかった。
猛追するビーコルに土壇場で手痛い誤算が起こる。残り31秒でハシーム・サビート・マンカがファウル5つでファウルアウト。
さらに痛かったのが、残り23秒で川村卓也がアンスポーツマンファウルを取られてしまい、追撃期する土壇場でエースがまさかのファウルアウトとなってしまった。
代わってマクドナルドと満田を入れ、ファウルゲームを仕掛ける執念をみせたが実らず、4Qを18-25。ファイナルスコア90-82、8点差でこの試合を落し、惜しくも3連勝を逃した。
この日が誕生日だった尺野将太代理HCは、試合後の会見で疲労困憊だった。それでも、悔しさを噛み締めながら、この悔しい敗戦をこう振り返った。
「今週かなり厳しいスケジュールでゲームがあるんですけど、富山さんに2連勝して、今週1週間で5つ勝ち星を重ねるチャンスがあるということで、選手はコンディションが良くないなかで、それ以上に気持ちが入って、モチベーションを高くして、このゲームに臨めていたんですけど、ガードナー選手に前半やられてしまいました」
ガードナーにはこの試合で42得点も許してしまった。前回も34得点を奪われていた新潟の重戦車は今節も止めることが出来なかった。しかし、尺野はこのことは覚悟して想定していたと語る。
「試合前にみんなに話していたのは、ガードナー選手にたとえ40点を取られても、他の選手を抑えれば大丈夫だということでした。まずガードナー選手に、1対1でサビートとウィル(マクドナルド)をそれぞれマッチアップさせました。しかし、少しファウルが増えてしまったので、後半で修正したのですが、今度は外の五十嵐選手に3Pを決められてしまいました」
「ガードナー選手の得点はある程度目をつむって、ガードナー選手を1対1で守ることで、外の選手のローテーションを少なくして、外の得点を抑えようというプランでしたが、両方が守りづらくなってしまったのが、今日の90点という失点に繋がってしまったと思います」
準備不足も策のバリエーションを減らした。
「練習も昨日1日しか出来なかったので、沢山のプランを準備するのが難しく、ひとつのプランを徹底させたんですが…」
4Q土壇場でのサビートと川村のファウルアウトも痛く響いた。
「ファウルがかさんでしまったのもプランが崩れた原因でもあるので、そこをもう少し、僕もそうですし、チームとして、レフェリーへのアジャストを、賢く闘わないといけなかったと反省しています」
一方で、確かな手応えもある。尺野は次節北海道戦に向けて前を向いた。
「オフェンス自体は少しずつ良くなって来ています。50点、60点だった得点が80点台に伸びています。勝負どころで、誰にどう攻めるのかというところを、僕も含めて、チームとして、もうひとつ段階レベルを上げていかないといけない。このままもっと精度を上げていきます」
次節は、中2日を挟んで、土曜と日曜日に同じホーム横浜国際プールで行われる。対戦する相手は10月にアウェイで連敗しているレバンガ北海道だ。次節も今節同様に準備期間は少ないが、今節の反省と味わった大きな悔しさは、レバンガへのリベンジに繋がるはずだ。
【写真・記事/おおかめともき】
この試合は「MITSUFUJI presents hamon INNOVATION DAY」として行われました。
⬇そのレポートはこちら
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