古巣京都ハンナリーズ戦に燃える佐藤託矢に聞く。


大阪戦GAME2の逆転勝利に繋げた1Qでの魂のディフェンス!皆の悔しさが怒濤のエナジーを生んだ。

大阪エヴェッサとのGAME2で今季最大の大逆転勝利を収めた直後に佐藤託矢に話を聞いた。

ビーコルはGAME1で21点差をつけられて悔敗し、勝つことへの気持ちをさらに強くして挑んだ翌日のGAME2では、4Q4分に怒濤のオフェンスで16−0ランを決めて大逆転勝利。大阪にやり返してみせた。まず佐藤はあの逆転勝利をこう振り返った。

「昨日の負けもあって、みんな凄く悔しい思いをしました。結局は自分たちが悪い結果を招いてしまったんですけど、今日はエナジーがあったとしか言えないです」

横浜ビー・コルセアーズ#15佐藤託矢

 

「いつも自滅するパターンが多いんですけど、やっぱり流れが悪くても自分たちで我慢して、あの4Qのように最後まできちっりやることが出来れば、今日みたいなゲームになる。如何にそれを出来るかということが今後の課題だと思います」

どんな勝利にも、必ず影のヒーローや縁の下の力持ちはいるものだ。この日の佐藤託矢がまさにそうだった。佐藤は得点こそなかったが、相手がオンザコート2の苦しい1Qで外国籍選手二人を相手にしっかりとゲームを作った。加えて自身のファウルを1に抑え、5アシストで勝利への流れを作った。

この大阪決戦でのオンザコートは、ビーコルが1-2-1-2でエヴェッサが2-1-1-2。ビーコルはGAME1でオンザコートのズレた1Qで大量36失点を許し、それが21点差の大敗へと直結していった。それだけにGAME2での出だし1Qは、何としても守り抜かねばならなかった。1Qでの佐藤のエナジーがあの逆転勝利をもたらしたと言っても過言ではない。

このことは尺野将太HCも試合後の会見で、佐藤の奮闘を賞賛していた。

「佐藤選手がしっかりと体を張ってディフェンスしてくれて、1Qを同点で終わることが出来た。この試合の入りが、大阪さんに昨日とは違うぞという印象を与えることが出来たと思います」

ベンチに戻り尺野HCに迎えられる佐藤

 

佐藤にこのことを聞くとこう振り返った。

「昨日の1Q36点を入れられて、全体的にやられたとはいえ、やっぱり自分の責任だと思ってしまうんです」

GAME2の1Qで佐藤がみせたエナジーは鬼気迫るものがあった。外国籍選手に対しアグレッシブなディフェンスを掛け続けた氣魄は、エヴェッサオフェンスに多大なプレッシャーを与えていた。佐藤のエナジーは、以降の展開で他の選手たちにも波及して増幅され、4Q4分で魅せたあの怒濤のエナジーオフェンスに繋がっていった。

「誰かがエナジーを出して、闘志を出して、活力を与えることが出来たらと思っていたんで、今日は積極的に行ったんです。その結果だと思います」

次節は、佐藤の古巣京都ハンナリーズ戦だ。ハンナリーズ時代にキャプテンを務めていた佐藤が、自身の血と汗が染み込んだハンナリーズアリーナにビーコルの海賊戦士として乗り込む凱旋試合だ。

「ハンナリーズは、僕がいた時よりもダントツに強くなっています。外国籍選手もいいですし、ガードもシューターも、日本人ビッグマンも、凄く良い選手が揃っていますし、凄く良いバスケをしています。勝つことが大変な試合になると思います」

それでも、佐藤は大逆転のGAME2で得た自信と手応えがあるのだろう。こう強く言い切り古巣対決へ意気込んだ。

「今日みたいにみんながワーッとひとつになれれば、勝てるチャンスは全然ある。やるしかないですね!!」

最後に佐藤はビーコルブースターに、京都戦に向けたメッセージを送ってくれた。

「次節の相手は古巣なんで、負けたくないという気持ちが絶対あるので、みんなであと押し欲しいです!!ぜひ応援してください!!お願いします!!」

昨季1月のハンナリーズ戦で佐藤のプレーを撮影したとき、なんて手強いビッグマンだと思った。その彼が今はビーコルで全身全霊を傾けた奮戦をみせている。佐藤のディフェンスはアグレッシブで見応えがあり、ファウルをも恐れぬガッツ、より積極的になったオフェンスは、命運が掛かるこれからの7試合でチームを勝利へと導く大きな武器になる。京都戦では、さらに大きな力になってくれるだろう。ビーコルが誇る唯一無二の和製ビッグマン#15佐藤託矢に期待したい。

【写真・インタビュー・記事/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame