10月22日横浜ビー・コルセアーズ 対 シーホース三河 GAME2横浜国際プール


屈辱の大敗、そして突然訪れた英雄との寂しき別れ

横浜ビー・コルセアーズ 69-96 シーホース三河

海賊たちがもがいている。疾風怒濤の荒波を乗り越えようと必死懸命の航海を続ける海賊たち。この日は、ホームアリーナの外でも台風の接近で大雨荒れた天候となり、ビーコルブースターもまた荒波の中を苦難の海賊たちと共に闘うべくホームアリーナに駆けつけた。

横浜国際プール今季開幕節のGAME2。怒涛の追い上げを仕掛け73点を奪い、6点差で惜敗したGAME1の流れと勢いを持って臨んだGAME2はシーホースに3Pを多く入れられてしまい屈辱の96失点、27点ものビハインドで大敗を喫してしまった。失意に追い打ちを掛けるかのように、試合後ジェイソン・ウォッシュバーンが怪我の手術のために帰国することがウォッシュバーン自身から発表され、ビーコルブースターに別れを告げた。

前半、田渡 凌の2Pシュートで先制し、ハシーム・サビート・マンカのインサイドからの攻撃で流れを掴んだビーコルだったが主導権を握るまでには至らず、激しい点の奪い合いになった。古田HCは、田渡 凌と細谷将司の同時投入を試みたが、ターンオーバーでの失点が増え、シーホースにじりじりと離されしまい前半は16点差の28−44となった。

先制点を奪ったあと田渡 凌は、1Q7分52秒にもジャンプショットを沈めた

 

後半に入ると劣勢をなんとか打開させるべくゾーンディフェンスを展開するが、シーホースにアウトサイドからの攻撃で切り崩され失点が増えていった。特に32得点を奪われたシーホース西川貴之に、ゾーンディフェンスの手前からロングレンジを打たれ3Pシュートをことごとく決められたのも痛かった。ビハインドがどんどん開き遂には3Q終了時点でビハインドが20点台になってしまった。

4Qでも失点は止められずビハインドは絶望的な30点台になってしまう。しかし、山田謙治が意地を魅せる。6分47秒にジャンプショットで3Pシュートを決めるとそこから続けて3Pを決めた。

これに続いて佐藤とパーマーが続いて怒涛の得点を重ねたが、その点差はあまりに多かった。加えて、サビートが前日に続けてファウルアウト。前日同様にビーコルは、ファウルトラブルに泣かされ、ミスが多くなってしまったのは痛恨だった。

古田HCは、試合後こう総括した。

「相手はリズム、オフェンスの部分でも、シュート確率が良かったですし、自分たちもディフェンスでインサイドをやられないようにはしましたが、やはり外からのシュートで崩されてしまいました。そのあとはインサイド、アウトも巧く攻められてしまいました」

「今日は(昨日の)外国籍選手ではなく、西川選手が止めようがなかった。普段なら比江島選手、ジェイアール選手のところを抑えようとするんですが、それ以外の部分で彼に活躍されたことがこの96点差になった原因だと思っています。今日の96失点は凄く多い数字です。失点を70点以下に抑えれるようにまた修正していかなきゃいけない。課題が凄く見えた試合でした」

「オフェンスで、時間がなくなった状況で打たされているようなシュートがありました。自分で良いタイミングで打つんだったら良いんですけど、打たされるようなタイミングであれば、次の展開の動きに持っていけれるようにしないといけません。次戦は今週水曜日なんですけど、確認事は明日、明後日にやっていきたいと思っています」

これで、ビーコルは開幕節GAME2で勝利してから6連敗。シーホースは7連勝。

この試合でビーコルは、Bリーグレギュラーシーズンホームゲーム通算来場者数100,000人(102,285人)突破を達成。またジェフリー・パーマーが前日の5,000得点達成に続けて、通算2,000ディフェンスリバウンドを達成した。

 

試合後に、松葉杖姿でベンチ入りしチームメイトを鼓舞し続けたジェイソン・ウォッシュバーンが、怪我の手術のために帰国し、チームを離れることが自身の口から報告された。別れのスピーチ、チームメイトとの抱擁、アリーナのビーコルブースターとの別れを惜しんだ。

「怪我は思っていたより酷いものになっていたので、帰国して手術をして治療に専念することにしました。本当に悔しい気持ちでいっぱいです。フロントのスタッフの皆さま、僕に2年目のチャンスをくださってありがとうございました。チームメイトのみんな、僕の不在の中でも闘ってくれて本当にありがとう。僕の妻とJP(ジェフリー・パーマー)の奥さんにもありがとうと言いたいです。JPの奥さんは、僕の妻をサポートしてくれて、妻は僕のことをずっとサポートしてくれました。そして、ビーコルブースターの皆さん、日本で一番のブースターだと思っています。本当にありがとうございました」

アリーナには涙するビーコルブースターの姿もあり、それは、ウォッシュバーンがどれだけ愛されていたのかが分かる切ない光景だった。彼がまたビーコルで闘う日がくることを、みんなが心から願い待っている。

#42ジェイソン・ウォッシュバーンは松葉杖を使わず両手で愛するビーコルブースターと別れのハイタッチをした。ビーコルの英雄は惜しまれながらホームアリーナを去った。必ずやまた再会出来ると信じて…

 

ビーコルは、またもや苦しい試練を迎えた。エース川村卓也はGAME1の終了後、ブースターに「怪我人は言い訳に出来ない」と言った。それでも、バスケの神様はあまりに無情だ。どれだけ海賊たちに試練を与えるのか。もしかしたら、この試練はビーコルを強くするために与えたのかもしれない。この逆境は辛く苦しいが、これを前向きに捉えよう。昨季、あの悔しさを経験し、敢えてまたこの船で共に闘うことを選んだ海賊たちは、必ずこの苦難逆境を乗り越えてくれると信じる。

光明はある。ハシーム・サビート・マンカがビーコルに来て最多だった10月15日立川での対アルバルク東京GAME2での16得点を上回る24得点を挙げた。28分28秒に渡ってコートに立ち、リバウンド10本と、221cmのBリーグ随一の身長を活かしたリバウンドも増えて来た。しかし、これを引き換えにGAME1とGAME2で続けて5つのファウルはやはり痛い。このことはアグレッシブなプレーの代償になっているが、日本のレフェリーのジャッジへの慣れは大きな課題だ。ウォッシュバーンを失った今、彼の存在はより一層フォーカスされる。自身の成績よりもチームの勝利を重要視する彼自身もその気概を大きく感じているはずだ。

「これから修正点はいっぱいありますが、ひとつ、ひとつ修正していって、チームが勝てるようにしていきたい」

サビートが試合後にビーコルブースターに向けて語られた決意の言葉だ。

3Q 5分36秒豪快なダンクショットを決めるハシーム・サビート・マンカ。この試合で24得点を挙げた

 

シーホース鈴木貴美一HCは初めて闘ったこの規格外のビッグマンの印象をこう語っている。

「これまでに215cmぐらいの選手との対戦はありましたが、サビート選手がきちんとやると、ゴール下は攻められないですし、すぐにオフェンスリバウンドに絡んでくるので、僕らにとっては非常に脅威でした。大きいだけの選手ではなくて、走れる動ける選手としてNBAにドラフト指名されただけに球際の強さがありました。今日は苦しかったですし、彼にやられてしまいました」

ハシーム・サビート・マンカと対戦した印象を語るシーホース三河鈴木貴美一HC

 

古田HCの現在のサビートの評価と期待はこうだ。

「得点源のハシームは点を取ってくれたものの、やはりファウルの問題も含めて、なかなか(ファウルトラブルで)プレーさせてもらえない。このことはシーズンに入ってからの問題ですが、彼に対して周りの選手がフィットしてきたと思いますし、これからも起点になる選手です」

チームへのフィットは出てきている。それだけにレフェリーへの慣れが急がれる。これらが克服出来れば、サビートを中心としたゾーンディフェンスも含めて、チームにとって最強の武器となる。今は我慢のときだ。

そして、この試合では佐藤託矢がサビートに続く15得点を挙げた。ハンナリーズから移籍してきた和製ビッグマンがいよいよ本領を発揮しはじめている。前半は、オフェンスリバウンドでチャンスを作り起点となる時間帯もあった。後半はサビートとの交代で使われる時間帯もあったが、221cmのサビートと和製ビッグマンの二人の存在は、ビーコル浮上の鍵を大きく握る。

3Q 残り40秒インサイドからのジャンプショットを決める佐藤託矢

 

次節からビーコルは、アウェーの闘いに出る。まずは10月25日(水)に新潟市東総合スポーツセンターで、中地区4位の新潟アルビレックスBBと闘う。修正時間が短いが、アレク、Jウォッシュの無念を晴らすためにも海賊たちの奮起、そして今度こその勝利を期待したい。

【写真・記事/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame