バスケとビーコルの魅力満載!普段は聞けない貴重な話にビーコルブースター満喫!新シーズンへの期待を高める。
7月25日、横浜ビー・コルセアーズはビーコルセンター内にあるビーコルスタジオで「B-COR LAB」を開催。加藤翔鷹ACを講師に迎え、富山から新加入の#7橋本尚明、#81小原 翼がゲスト出演した。
平日夜のビーコルスタジオに40名のビーコルブースターが参加し、普段はなかなか聞くことの出来ない貴重な話や勉強になる話で、バスケとビーコルの魅力を満喫。予定していた90分に収まりきれないほどの充実した内容となり、会場は大きな盛り上がりをみせた。
ビーコル主催で2回目となる今回の「B-COR LAB」は、加藤翔鷹ACによる「SHOYO LAB」と銘打った。さらにゲストの橋本尚明、小原 翼が名刺代わりの絶妙なトークで会場を盛り上げ、開幕を前にして早くもビーコルブースターのハートを掴んだ。
出演者が紹介されたオープニングでは、加藤AC、橋本、小原両選手も会場の熱気あるムードに緊張気味。橋本は「何か言おうと思っていましたが、ここに立つと頭が真っ白になりました」と苦笑い。地元横浜出身の小原は「横浜を盛り上げたいと思っています!」とノリノリ。会場から拍手を浴びていた。
当日は3部形式でおこなわれ、第1部は加藤ACによるチームスタッフの知られざる仕事、役割について詳しく解説された。自身の役割については「ヘッドコーチのトム(トーマス・ウィスマンHC)の事を一番理解していないといけない存在。トムの考え方や戦術、どういう方向に向かいたいかをチームに落とし込む役割」と説明した。
静岡県浜松市出身の加藤ACは中学生からバスケットボールを始め、大学卒業後に一旦バスケから離れたが、進学した筑波大学大学院でバスケ部のアシスタントコーチを務め、その時に筑波大の小原 翼、満田丈太郎と3年間を共にしている。
その後、アースフレンズ東京Zでアナリストを務め、2017-18シーズンより横浜ビー・コルセアーズのアシスタントコーチを務めている。
加藤ACは、ゲーム中いつもノートパソコンを片手にベンチに座るが、その仕事内容は知られておらず、チームの分析担当としての具体的な話に、会場のビーコルブースターは興味を持って耳を傾けていた。
オフェンスの話では「期待値」というワードが出た。3Pシュートの成功確率と2Pシュートの成功確率を比較してどちらを多く狙ったら良いか、フリースローの成功確率も含めた様々な「期待値」があると説明。実戦では、その値を参考にしながら、ショットをどういうポジョンで打つか打たせるかを試合展開に応じて選択していくと説明した。
「選手が何のために動いて、何処を狙って動いているかを観てもらえると、また面白くなってくると思います」
話は次第に専門的な話になっていったが、参加者の中にはメモを取る人もいて、皆真剣な表情で聞き入っていたが、いずれの話もバスケを観戦する上で知識として知っていれば、観戦がより楽しくなるものばかり。会場との質疑応答では、戦術面など、かなり突っ込んだ内容もあり、参加者の熱心さが伺えた。
熱弁を奮った加藤ACには、まだまだ伝えたいことがあったようで、予定されていた枠が短かったことから、思っていた内容が収まりきらず残念がっていた。
第2部は、富山グラウジーズから新加入した期待の橋本尚明と小原 翼が登場してビーコルブースターから大きな歓迎の拍手を浴びた。
横浜高校出身の小原は「身長198cmです。2メートルに届きませんでした!悔しいです!でも2メートルいかない選手が体を張って外国籍選手をやっつけるというプライドを持って、198cmにこだわっています!」また筋肉隆々な自慢のボディーもしっかりとアピール。「この身長で、この筋肉、こんなマッチョな日本人選手は、なかなかいないので圧迫感があると思います。そこを推していきたいです!」とアピール。トークも軽妙で、会場から多くの笑いを誘って盛り上げていた。人気者になりそうだ。
控えめで落ち着いた雰囲気の橋本は、小原のあとで少しやりにくそう。「僕、しゃべりがヘタなんですよ。小原は上手いから、最初にやっとけば良かった(苦笑)」と後悔したが、小原とは真逆なキャラクターでコントラストが付き、絶妙なコンビネーションを生んでいた。
橋本は愛媛県松山市生まれで尽誠学園、近畿大学を経てプロ入り。「近大マグロで有名な近畿大学です。バスケは小学校3年からやっています。大阪エベッサで2年間バスケをやって、富山グラウジーズで1年間。で、横浜ビー・コルセアーズに移籍してきました。っていう感じです。すんません。ホント話ヘタクソなんで(苦笑)」といたって真面目。その実直さがかえって参加者のハートを掴んでいたようだった。
続いて、お互いのプレーを褒め合うコーナーとなり、富山でプレーを共にしていただけにツーカーなやり取りとなった。
「翼は、暇さえあれば、ずっとジムに行ってトレーニングしているがんばり屋さんで、僕から見ても凄い努力しているなと思います。年下なんですけど、見習う部分がいっぱいあります」
後輩である小原は「橋本さんは、流れを変えたい時に出ていってポーンと3Pを打つんです。何も考えてないように打つんですよ。このメンタルは凄いと思います。そしてディフェンス力がスゴイ!一番走りまくる選手です。細谷さん(#0細谷将司)のような走る選手です。試合では細谷さんとガチャガチャガチャガチャ走ると思うので、見どころたっぷりですよ。僕はトコトコトコトコおっとりとやっていきます(笑)」と先輩を立てた。
その後二人は、ゲスト講師としてバスケのポジョンを解説。プロ選手ならではの詳しい説明がおこなわれた。最初に説明を担当した小原はここでもブーストアップ。某人気学園ドラマの有名教師よろしく「◯年◯組、筋肉せんせーっ!」といきなり自慢の長い髪をかきあげるとホワイトボードに「人」という字を書いて見せ、会場は一瞬の間をおいて大爆笑となった。
バスケの説明では、自らコート図を描き「うーん、どうしようかなー。僕、そこまで勉強している訳ではないんで(苦笑)。本当ならバスケットの話より、筋肉の話が得意なんですよ(笑)」とおどけてみせた。それでも、実例を出しながら1番から5番のポジションを分かりやすい言葉で詳しく解説。そのオモシロ解説に、参加者の興味はさらに増したようだった。
橋本は、昨季多く担当してきたシックスマン(ベンチスタートでありながらゲーム途中で流れを変えることが役割の主力級の選手)というポジションを解説。「シックスマンは、流れを変えるのが一番の仕事ですが、自分はシュートだけでなく、泥臭いプレーで流れを変えるということをやってきました」
昨季、富山が残留プレーオフ2回戦進出を決めた島根との1回戦GAME3で、大事な中盤にコートに立ち、流れを変えた貴重な3Pシュートを決めたことは記憶に新しい。小原は「あの3Pシュート、絶対に観てください!泣けます!」と感慨深そうだった。橋本によると、ビーコルでシックスマンをやるかどうかはまだ決まっていないそうだ。
第3部は、5月19日におこなわれたビーコルとグラウジーズの運命の決戦。B1残留プレーオフ2回戦を加藤AC、橋本、小原両選手がスタッツを見ながら振り返るコーナーだった。橋本と小原はこの決戦で富山の選手としてビーコルと雌雄を決しただけに、ビーコルのベンチにいた加藤ACと元富山の二人が、実に生々しい話を包み隠さず披露した。
第2部と第3部も質疑応答がおこなわれ参加者からは鋭い質問が連発されたが、3人共包み隠さず答えていた。残留プレーオフについての質問もあり、小原は「地獄のような日々でした。毎日夜も寝れず、もう二度とやりたくない」と言っていたのが印象的だった。
セミナーを終えた3人は、新シーズンへの意気込みをそれぞれ語り、参加者は期待に胸を膨らませていた。
加藤翔鷹AC
「今シーズンは、何よりも一戦一戦を大事に闘って、一歩一歩ステップアップして階段を登っていきたい。優勝経験が豊富なトムが来たこと、新しい若い選手たちが入ってきてくれたのは強み。良いチームを構築して、ビーコルブースターの皆さんに勝利を届けたいと思っています。熱いブーストをよろしくお願いします」
#7橋本尚明
「昨シーズンよりも良い成績を残せられるように、チームにしっかりと貢献していきたい。チームが若返っただけ、また違ったビーコルを皆さんにみせたいと思っています。応援よろしくお願いします」
#81小原 翼
「昨シーズンは、プレータイムを全然もらえていませんでした。ブースターの皆さんには『なんで、こんな選手を獲ってきたんだ』と思っておいて欲しいです。必ずこれを見返していきます。僕のスタイルである強いメンタリティを持ってバスケをしていきます。応援よろしくお願いします」
最後には、参加したビーコルブースターと一緒に写真に収まった出演者の3人。お見送りでは、個別に参加者と交流して会話を交わして記念撮影もおこなった。平日の夜に熱く盛り上がった「B-COR LAB」は充実した内容で締めくくられた。
参加者からは「楽しかった。普段聞くことの出来ないチームのことも聞けて、今シーズンへの熱い想いがさらに高まりました」「もっと話を聞きたかった。続きを是非聞きたい。またやって欲しい」「次回は、新生ビーコルのキーワードである『ストレッチ4』のことを聞きたい」「新加入の橋本選手、小原選手の人間性も知ることが出来て期待が高まった」と好評な意見ばかりだった。
「B-COR LAB」は、講師を務めた加藤翔鷹ACの名前を冠して「SHOYO LAB」とも銘打たれていた。終了後に加藤ACは今回の感想をこう語っている。
「こういうイベントは初めてでした。ビーコルブースターの皆さんと近い距離で、直に顔を合わせて話が出来たことが凄く新鮮で、僕自身も楽しむことが出来ました。ビーコルブースターの皆さんの熱さ、どれだけビーコルを愛してくれているのかが伝わってきて嬉しかったです。その反面、もっともっと良いチームにしていかないといけないと改めて自覚しました。ビーコルに来る前からビーコルブースターは一、二を争う熱さがあると思っていました。今シーズンは危機感を持って、多くの勝利を皆さんに届けたいです」
参加したビーコルブースターも、加藤AC、橋本、小原両選手もお互いの交流に大満足の表情をみせていた。
司会進行を務めたビーコル研究所の秋定副所長は「少しでもバスケとビーコルの魅力、そして選手もスタッフもブースターもみな一緒になって戦う海賊(仲間)なんだということが伝わってくれていたらうれしい。まだまだ伝えきれなかったことが沢山あります。「B-COR LAB」またやりたいですね」
大好評のうちに幕を閉じた「B-COR LAB」「SHOYO LAB」。次回の開催を大いに期待したい。
【取材・写真・記事/おおかめともき】