勝てばB1残留、負ければ入替戦。かつてビーコルがbjリーグチャンピオンに輝いた5月19日に必ず勝ってB1残留を決める!
横浜ビー・コルセアーズは、奇しくも昨年と同じ5月19日に、同じ相手富山グラウジーズと「B.LEAGUE B1残留プレーオフ2回戦 2017-18」を、横浜にほど近い蒲田にある片柳アリーナで1試合を闘う。
勝ったチームがB1残留決定。負けたチームはB1・B2入替戦に回ることになる運命の決戦だ。
ビーコルは、決戦を2日前に控えた5月17日に「たきがしら会館」で練習をおこない報道陣に公開した。
練習では緊張感の中にも程よいリラックス感が保たれ、選手たちはキレのいい動きで充実した練習メニューを次々にこなしていった。運命を賭ける決戦に向けて、チームの準備調整は万端だ。
昨年の5月19日に代々木第二体育館でおこなわた富山との残留プレーオフ2回戦では、ビーコルが開始早々に15-0のランを喫するなどした屈辱的な惨敗を味わった。その時の悔しさは、誰もが忘れてはいない。
今季のビーコルには、その時を闘った選手が多く残っており、今回はリベンジともいえるが、エース川村卓也は練習後のインタビューでこのことについて、こう語っている。
「昨年、代々木第二でやった時に、富山と彼らのブースターが喜んでいる姿は、今でも鮮明に覚えています」
「彼らはあの時、自分たちのやるべきことをしっかりとやって、あそこでシーズンを終えてB1に残留しました」
「今シーズン富山は、昨シーズン以上の良い結果を残しています。ここで僕らが勝つことは、(富山がそうだったように)今後のビーコルにとって、来シーズンの勢いのひとつになると思っています」
また昨年の5月19日にチーム最多の26得点を挙げたジェフリー・パーマーはこう語っている。
「昨シーズンの2回戦のことはよく覚えています。あの時は(秋田で勝って)みんなが興奮して、楽しみだったり、いろんな感情が入り混じった試合でした」
「でも、いざ試合になるとスタートで空回りして、10点のビハインドから始まってしまい、そこから返さないといけませんでした。やはり、最初のクォーターで大差のリードを付けられると、抜け出すのが難しくなり、そのまま惨敗してしまいました」
「今回は、リベンジという言葉がふさわしい試合になります。今シーズンは、去年経験しているので、選手たちは準備が出来ていると思いますし、もう1回闘う機会が出来たことは、僕にとって大きな楽しみです。土曜日に全力でプレーする!それだけです」
高島一貴は、少し違った考えでこの決戦に挑む。
「昨シーズン、富山さんと闘って負けてしまって非常に悔しい思いをしたんですけど、今シーズンは去年の富山さんとやる訳ではないですし、富山は(選手の入れ替えで)新たなチームになり、ウチも新しいチームメイトが入っています」
「因縁といった部分では、あまり深く考えない。1点でも多く取って、1点でも少なく守って、ただ目の前の相手を倒すだけです」
今季、ビーコルは富山と6試合を闘い、アウェイで今季の初連勝を挙げるなどして4勝2敗という成績を残している。パーマーはこう語っている。
「レギュラーシーズンの富山戦で4勝2敗という結果が自分たちの自信に繋がっています」
あの雪降る12月のアウェイ富山戦で出来た今季初連勝はチームに大きな自信を与え、その後チームは急速に闘えるチームへと進化成長していった。
ここまで6試合を闘った富山の印象を、川村はこう語る。
「富山は宇都(#11宇都直輝)のチームだと思います。宇都を中心とした速い展開だったり、彼がかき回したりすると厄介になる。まずは彼から出るパス、レイアップを防ぎたい」
「彼をしっかりと止めることが出来れば、チームの総合得点が落ちて、リズムも出せないと思う。宇都を止めることがキーです」
また高島一貴は。
「宇都選手を中心にした非常にアップテンポなバスケットをやってくるチームです。僕や竹田選手が宇都選手をどれだけペースダウンさせることが出来るか。頑張りたいと思います」
さらに高島は、宇都以外の選手の名前もあげた。
「大塚選手(#24大塚裕土)というアウトサイドのシューターが入ったことで、さらに攻撃力が増したと思います。あとは4番で出ることが多い上江田選手(#22上江田勇樹)もアウトサイドが非常に上手い選手です。やりづらい部分はありますが、ウチにもアウトサイドから点数を取れる選手はいます」
また、ディフェンスの要となる佐藤託矢は富山をこう見る。
「富山はインサイドのピットマン(#45デクスター・ピットマン)が強くて、バランスが良いチームという印象です。オフェンシブなチームだけに、守り方もしっかりと考えていかないといけません」
ビーコルには、B1残留プレーオフ1回戦GAME1で両チーム最多29得点を挙げ、苦しんだ低迷期を脱し、さらなる復調を見せた川村卓也がいるが、大事な決戦でさらに調子を上げてくる川村の存在はビーコルにとって大きな勇気と力になる。
「レギュラーシーズン終盤は自分のパフォーマンスが出来ず、好不調の波が激しい状態でしたが、残留プレーオフ1回戦で、自分の気持ちを出してゴールに向かったことで、きっかけが掴めました」
「チームのために、このチームをB1に残留させれることが出来るように、自分のパフォーマンスの頂点をこの2回戦に持っていきます」
滝頭の練習では選手たちから、これまでにない強い意気込みを感じ取ることが出来た。勝てばB1残留決定、負ければ昨年同様のB1・B2入替戦。満身創痍の選手も多く、ここで何としてもB1残留を決めたい。
決戦の場となる片柳アリーナは、Bリーグ主催の中立会場とはいえ、横浜に近い蒲田にあり多くのビーコルブースターが駆けつけることが予想される。
また富山もバスツアーを組んでグラウジーズブースターが富山から大挙乗り込み、地元富山では各地でパブリックビューイングがおこなわれるという。それだけに、コート外でも激しいブースト合戦が繰り広げられるのは必至だ。
5月19日は、ビーコルとグラウジーズにとっての因縁の日となったが、この日はビーコルにとってもうひとつの縁がある。
2013年5月19日に有明コロシアムでビーコルはライジング福岡から勝利して、2012-2013シーズンのチャンピオンに輝いた。「5月19日」因縁と良縁があるこの日に、今度はB1残留決定という縁を刻む。
ビーコルとグラウジーズが雌雄を決する運命と因縁の一大決戦。ひとりでも多くのビーコルブースターに駆けつけてもらい、ビーコルの選手たちを怒濤のブーストであと押しして欲しい。絶対に勝って、B1残留を決めよう!B1に生き残るのは俺たち横浜の海賊たちだ!
【記事・取材・写真/おおかめともき】
⬇B1残留プレーオフ2回戦は、奇しくも昨季と同じ5月19日、相手も同じ富山グラウジーズと雌雄決する。決戦の地は片柳アリーナ。詳細はチーム公式HPのこのリンクから見ることが出来る。