今度こその今季初勝利で、巻き返しに弾みを!
横浜ビー・コルセアーズは、10月20日(土・18時05分 TIP-OFF)と10月21日(日・14時05分 TIP-OFF)に横浜国際プール開幕節となる第4節を西地区の滋賀レイクスターズを迎えて2試合を闘う。
中地区6位のビーコルは、前節ホーム開幕となった富山戦を惜敗で落として開幕から5連敗中。同地区5位の三河と共に未だ勝ち星がない。一方のレイクスターズは、ここまで新潟と川崎にそれぞれ1勝ずつを挙げた2勝3敗で西地区5位。
今節が横浜国際プールの開幕節となるビーコルは、満員の後押しがあるホーム戦で何としても今季の初勝利を挙げたい。
ビーコルのウィスマンHCは、前節富山戦でのスターティング5で今季初めてチャールズ・ガルシア、アマンゼ・エゲケゼの外国籍選手二人と帰化選手エドワード・モリスを併用するオンザコート3と細谷将司と田渡 凌のポイントガードを併用する2ガードの布陣を引いた。
この策が功を奏したビーコルは、1Qの出だしで8-0のランを決めて好スタートを切った。しかし以降でリードを許し、激しい点の奪い合いが展開された中で、3Q終盤にアマンゼ・エゲケゼの3Pシュートと田渡 凌の2Pシュートで2度逆転。しかし、インサイドのディフェンスが突破されたことでリードを守り切れず、以降の猛追も実らず、第2節京都戦以来となる3試合続けての惜敗で試合を落としている。
富山には開幕節でのディフェンスの崩壊から100点ゲームを喫するなどして大きくやられたが、9日後の再戦で敗戦も、修正を試みたディフェンスが機能した場面もあり、またウィスマンHCの策も大胆に施されたことで善戦出来たことは、熟成途上のチームにとっては、またひとつ前進といえた。
ビッグラインナップ+2ガードは、連敗の中で実に刺激的な策だったが、ファウルトラブルと終盤の勝負どころでスコアリーダーがファウルアウトに陥るなどの副作用もあった。
ウィスマンHCは「ビッグラインナップを使い過ぎたせいで、ファウルが多くなってしまった。ビッグラインナップは効果的な面もあるが、ファウルトラブルにも陥りやすい。そこのローテーションを私のほうでしっかりと考えていかないといけない」と語っている。
また「ビッグラインナップをもう少し短くする。長い時間ではなく、切り札的な形で使っていくことが、私たちのチームの強みになる」とも語っていたことから、今節でウィスマンHCがどんな起用をしてくるか注目だ。
レイクスターズは前節、ホームで大阪と対戦して60-64で敗戦。共にロースコアゲームとなったが、#31ガニ・ラワルが14得点12リバウンドでダブルダブル。#32狩野祐介3Pシュート2本を含む12得点。#40ディオール・フィッシャー11得点12リバウンド7アシストでダブルダブルと外国籍選手二人がダブルダブルをマークしている。
ラワルとフィッシャーは開幕からの5試合で、ダブルダブルを共に4回も記録している。ラワルは、レイクスターズが勝利した第2節川崎戦GAME2で30得点を挙げて得点力が高く、フィッシャーは5試合全てで二桁リバウンドをマークしている。
狩野はここまでの5試合で3Pシュートが16本。チームが勝利した新潟戦GAME2では5本の3Pシュートを決めている。
今節では、このラワルとフィッシャーの外国籍選手、3Pシュートを打てる狩野が要注意となる。
ビーコルは開幕からディフェンスの課題を抱えるが、試合をこなすごとに徐々にではあるが改善が見られ、ウィスマンHCのもとで修正が進められている。
ウィスマンHCは、前節の富山戦でもゾーンディフェンスを駆使することで、現状でのディフェンス対策としたが、開幕節でとことんやられた富山オフェンスを11得点に抑えた2Qがあった一方で、ジョシュア・スミスとレオ・ライオンズにインサイドを突破されるなどして失点がかさみトータルで88点を失っている。
ウィスマンHCは、前節の試合後に現時点でのマンツーマンディフェンスが出来ないことからゾーンディフェンスを多用したと説明している。またこのゾーンディフェンスも「ゾーンのルールが守れていない」としてチームディフェンスの意識徹底を求めていた。今節で対戦する好調ラワルとフィッシャーを如何にして止めるか。また、今節もゾーン多用ならば、3Pシューター狩野の外からの得点にも注意していかねばならない。
前節では、得たフリースローの数にも課題を残した。この試合でビーコルが得たフリースローは富山の21本に対して14本。ウィスマンHCもこのことに言及して「アグレッシブにアタックしていないというのが数字に表れた。インサイドにアタックしないで、外のシュートに落ち着いてしまっている」とインサイドアタックの少なさを問題視していた。今節でガルシアを始めとしたインサイド陣がどこまでファウルを奪えるかも鍵となりそうだ。
ビーコルの開幕戦からここまで5試合の総失点数はリーグ最多の454。一方で、ビーコルが挙げた総得点数404はリーグ6位で中地区で2位だ。ディフェンスの改善が待たれるが、ディフェンスが改善されれば勝機があることをスタッツがあらわしている。
細谷将司キャプテンは、今節への意気込みをこう語っている。
「このチームが勝つためには、やはりディフェンス。ディフェンスをしっかりとやる。滋賀は外国籍選手も良く、日本人選手も良い。何を守るのかをチーム全員で共有する。しっかりと守った上で、全員で走っていく。チームで自分たちのスタイルをもう一度作り上げていく」
試合消化数が増えるのに比例して、ディフェンスは徐々に改善してきているが、今のチームにもうひとつ必要なのは勝つことだ。そのことをキャプテン細谷はよく理解している。
「ひとつ勝てば、流れが変わる。チームメイトを信じて、ブースターの皆さんを信じて、とにかく勝つこと。土曜日の試合を勝つことだけを目標にしてやっていきます」
中2日でおこなわれる今節のレイクスターズ2連戦。ウィスマンHCのもと、どこまでディフェンスの改善がおこなわれたか。また前節でみせたビッグラインナップ+ダブルガードのような大胆な策が今節で見られるか。ウィスマンビーコルは横浜国際プールの開幕節で、満員のビーコルブースターと共に海賊一丸となり、今度こその今季初勝利を狙う。
【記事・写真/おおかめともき(滋賀選手写真提供・©B.LEAGUE)】