ウィスマンビーコル黒星発進。開幕節初戦を12点差で落とす。


「自分たちのやりたいバスケが出来なかった」富山の新戦力スミスに一方的にやられた完敗。GAME2での修正に期待

2018-19シーズン開幕節・GAME1(10月6日 富山市総合体育館)
富山グラウジーズ 94-82 横浜ビー・コルセアーズ
26-24|28-15|23-23|17-20

横浜ビー・コルセアーズは、10月6日アウェー富山市総合体育館で富山グラウジーズと2018-19シーズン開幕節のGAME1を闘い12点差で敗れた。

横浜ビー・コルセアーズは富山市総合体育館でグラウジーズと戦った開幕節初戦を12点差で落とした


今季より、京都から富山に移籍してきたジョシュア・スミスが巨大な壁となり、ウィスマンビーコルの前に立ち塞がった。この試合でスミス一人に喫した失点は実に39得点。さらには11リバウンドでダブルダブルも決められ、まさに一方的にやられてしまった形だ。

富山グラウジーズ#34ジョシュア・スミス


今節では富山からの移籍してきた3選手のうち、橋本尚明と中村太地が欠場。小原 翼はゲーム途中で出場し、古巣富山ブースターから大きな拍手で迎えられた。

今季富山からビーコルに移籍した小原 翼は途中出場でコートに立ち、古巣のグラウジーズブースターから大きな拍手で迎えられた


また、この試合の前日に獲得が発表されたジャボン・マックレアは開幕節初戦でのベンチ入り登録からは外れた。翌日のGAME2で登録されるか注目される。

マックレアはこの試合前のシューティングで一番乗りして調整に励んだ。


開幕節初戦でのビーコルのスターティング5は、#0細谷将司、#1川村卓也、#2高島一貴、#8アマンゼ・エゲケゼ、#36チャールズ・ガルシアの布陣を敷いた。

横浜ビー・コルセアーズ2018−19シーズン開幕戦のスターティング5


1Qからスミスに10得点を入れられ26点を失ったが、ビーコルはエゲケゼの7得点、川村の6得点、田渡の5得点などで反撃して24得点を奪い2点差にまで詰めた。

横浜ビー・コルセアーズ#8アマンゼ・エゲケゼ

1Qでレイアップを決める#1川村卓也


しかし、2Qからディフェンスに綻びが出始め失点。オフェンスでは序盤にガルシアがレイアップを決めた以降で得点が伸びなかったことから点差が徐々に開いていった。

2Q序盤にレイアップを決める#36チャールズ・ガルシア


それでも、4分8秒に川村が3Pシュート、2分4秒には細谷がレイアップを決めたが、このクォーターでもスミスを止めることは出来ず12得点を喫し、スミスに前半だけで24得点を許してしまった。2Qは28-15、トータルストア54-39となりビハインドは二桁15点と大きく広がってしまった。


後半に入って修正したビーコルは、リバウンドからの得点が増える。3Qの開始早々に川村が3Pシュートを沈めたのを皮切りに、ガルシアが自身のディフェンスリバウンドから3点バスケットカウント。
さらにガルシアは、田渡のディフェンスリバウンドから2Pシュートを沈めた。6分の時間帯では、田渡がエゲケゼのディフェンスリバウンドから速攻で2Pシュートを沈め、5分では川村がまた3Pシュート。さらに川村は残り40秒でも3Pシュートを沈めた。

3Qで3Pシュートを沈める#1川村卓也


4分40秒ではモリスがセカンドチャンスから2Pシュートを沈めてビーコルは勢いに乗ったが、3分の時間帯でスミスが3点のバスケットカウントを決めると、富山ブースターからスミスコールが沸き起こりアリーナは異様な雰囲気に包まれた。3Qは両チーム互角の23-23。トータルスコアは77-62となり、ビハインドは15点のまま。

4Qもビーコルはリバウンドから得点。加えて細谷の3Pシュート3本、ガルシアのダンクなどで猛追した。

4Qでダンクを沈める#36チャールズ・ガルシア

4Qで3Pシュートを沈める#0細谷将司


しかしビーコルは、パスとディフェンスのミスから許した失点もあり、差を思うように詰めめることが出来なかった。ただこの最後のクォーターでは20-17でビーコルがリードを奪い、富山の得点を17点に抑え、スミスの得点も2点に抑えることに成功している。このことは明日に繋がる光明といえるだろう。

ビーコルのスコアリーダーは、敗戦の中で獅子奮迅の全力プレーを見せた川村卓也の23得点。3Pシュート4本は両チームで最多となった。

ビーコル最多の23得点、3Pシュートでは両チーム最多となる4本を記録した#1川村卓也


2番手は、チャールズ・ガルシアの17得点。以降はアマンゼ・エゲケゼ13得点、細谷将司が3Pシュート3本を含む11得点、田渡 凌が9得点と続いた。

9得点を挙げた#21田渡 凌


リバウンドでは、ガルシアとエゲケゼが共に7本。エドワード・モリスが6リバウンドと奮闘し得点に繋げた。

13得点7リバウンドを挙げたアマンゼ・エゲケゼ


この敗戦の要因はスタッツにも明確に表れている。両チームのペイント内での得点が、富山の56に対してビーコルは34。フィールドゴールでの確率も、富山の56.4%に対してビーコルが42.9%だった。

試合後の会見でトーマス・ウィスマンHCは、この敗戦をこう分析して修正点を見出している。

「スタッツにもあらわれているように、富山の方がいいシュートを打てている。これでは試合に勝つことは出来ない」

「今日はスミス選手にフィールドゴールを90%近い確率で決められてしまった。これだけの数字になってしまうとさすがに勝てない。富山にはオフェンスリバウンドでも16本を取られてしまった。前半のトータルリバウンドでは富山が25本でウチが11本。ハーフタイムでリバウンドを取っていこうという話をしたが、結果的には(前半の数字が響いて)富山が47本、ウチが36本で劣ってしまった。明日の試合ではこういったところをしっかりと修正する」

「今日の試合では、自分たちのやりたいバスケットが出来ていなかった。ペースを上げてプレーしようと選手たちに言っていたが出来なかった。富山はやりたいバスケットを存分にやったが、相手にこれをやらせてしまうと試合には勝てない。明日は自分たちのやりたいバスケットをやっていきたい」

試合後の会見に応じる横浜ビー・コルセアーズ トーマス・ウィスマンHC


ウィスマンは冷静に語っていたが、目の奥にはメラメラと燃え上がるような勝利への執念が感じ取れた。翌日GAME2での、ウィスマンビーコルの修正と逆襲に期待したい。

【写真・記事/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame