11月12日横浜ビー・コルセアーズ VS 富山グラウジーズ GAME2(横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 83-73 富山グラウジーズ
ビーコルが富山グラウジーズとのGAME2で接戦を制し前日GAME1の雪辱を果たした。ゲームを支配しながら、4Q間際で同点にされ延長戦の末に敗れたあの嫌な流れをこの勝利の歓喜で断ち切ることが出来たのは大きい。
中地区は現在、2位以下が僅差でひしめき合っており、6位ビーコルとしてはここを連敗すると取り残されてしまうところだった。ジェフリー・パーマーが怪我のために欠場。しかし、新戦力ウィリアム・マクドナルドの存在がこの危機を回避させた。マクドナルドは前日のデビュー戦でいきなりの16得点を挙げて鮮烈なデビューを飾ったが、翌日行われたこの試合でも16得点。攻守で存在感を示し、コンスタントにプレー出来ることを証明してみせた。
さらに、インサイドのプロフェッショナルであるマクドナルドの加入で、負担がなくなり前日に16得点を挙げて覚醒していたハシーム・サビート・マンカがその翌日にさらに大爆発。ダンク3本を含む24得点、リバウンド14でダブルダブル。4Qでの連続アリウープは実に圧巻で、アリウープはもはや異次元の最長身ハシーム・サビート・マンカの必殺技だ。
そして、今季アグレッシブ宣言している高島一貴が4Qの苦しい時間帯でここぞでの連続シュートを決め、チームの勝利への流れを作った。ディフェンスでもグラウジーズのオフェンスを封じ、前日に足を痛めながらも、負けられないこのGAME2に出場し、気迫のプレーでチームの勝利に大きく貢献した。
マクドナルドの前日の活躍でオンザコートが注目されたが、パーマーの欠場もあり1-2-1-2。前日チームの最多21得点を上げていた川村卓也がスターティング5に戻った。ビーコルは1Qから攻め得点を重ねていった。9分27秒で川村卓也が3Pシュートを沈めると、佐藤託矢、サビートが2Pシュートで続く。
1Q中盤、前日に5分の出場に留まっていた田渡 凌が細谷将司に代わってコートに立つとスピードを活かした速攻を魅せ8得点。1Qを24-15、ゲームの主導権を握る。
オンザコート2の2Qで、サビートとマクドナルドがコートに立つ。9分9秒でアウトサイドから2Pシュート、7分20秒にサビートがダンクを決めて競演を魅せる。サビートはこのクォーターで9得点を挙げた。
しかし#33ドリュー・ヴァイニーを起点としてグラウジーズが反撃。3分08秒に逆転されるが、川村卓也がフリースローを決めて同点。ここから目まぐるしいシーソー展開になるが、残り12秒でマクドナルドが、アウトサイドから見事な2Pシュートを決めて逆転。
さらに終了間際にサビートがヴァイニーのジャンプショットを鬼神のブロックショットで封じリードを許さない。トータル40-39の1点リードで2Qを終えた。2Qはヴァイニーに12得点を入れられ16-24。サビートは13得点で前半のスコアリーダー、田渡が8得点、マクドナルドが7得点で続いた。
3Qで竹田 謙を投入。開始早々、早速竹田が続けて2Pシュートを沈め、田渡も躍動した。3Qで投入したいぶし銀とゴールデンルーキーのアグレッシブなプレーが光った。
高島一貴もアウトサイドから見事な2Pシュートを沈めた。しかし緊迫した一進一退の接戦はこのクォーターも続く。1分17秒にマクドナルドがインサイドから2Pシュートを決めて1点差。
終了間際に細谷将司が3Pシュートを沈めて逆転。19-18で3Qを終え、トータルで59-57、2点のリードとなる。
4Qもやはり熾烈を極めた接戦となるが、8分32秒で山田謙治に代わった高島一貴が6分23秒にアウトサイドから2Pシュート。
さらには5分55秒で細谷のパスから切り込みしびれるレイアップを沈めて、横浜国際プールのビーコルブースターは総立ち状態となった。リードは7点にひろがり勝利への流れを大きくした。
高島は、前日にもレイアップを沈めているが、このGAME2でのレイアップは、5月19日B1残留プレーオフ2回戦でのグラウジーズ戦で一時は逆転にしたあのレイアップを彷彿とさせるここぞのシュートだった。
高島の投入前、古田 悟HCはベンチの高島に指示を出していた。このことを古田HCは試合後語っている。
「外国籍選手につかせようと思って、ハシームも含めてファウルが重なっていたので、彼がディフェンスで対応出来ると思っていたので、彼に全てを託しました。結果を出してくれたのは、本当に嬉しいというか、自分でも良かったなと思っています。(あのレイアップには)僕もしびれていました」
古田HCは高島一貴に大きく期待している。
「高島選手は、凄くディフェンスで頑張って、昨日も頑張ってくれて、今日もオフェンスの部分でも、点は沢山入れていませんが、要所要所で、走ったり、カットしたり、目立たないんですけど、僕はそういうプレーが凄く好きですし、今後もディフェンスの起点としてプレーして欲しいです」
しかし、グラウジーズが必死に食らいついてきたが、サビートとマクドナルドがバスケットカウントを決めるなどして得点を重ね、リードを渡さない。
サビートが残り16秒でファウルを取られてしまいファウアウト、代わって竹田が入る。5秒で#11宇都直輝に2Pシュートを決められ点差はわずか3点。前日に4Q終了間際に同点とされているだけに緊張が走った。しかし、宇都のシュート後のスローインで川村卓也がゴール下から相手ディフェンスの穴を突いてペイントエリアの竹田に絶妙なロングスロー。竹田がこれを見事沈め、川村はガッツポーズ。
残り2.4秒でゴール下からスローインを出した直後、川村卓也はタイムアップのブザーを待たずして勝利の雄叫びを上げた。
古田HCは試合後、雪辱の勝利をこう総括している。
「ずっと悪かったところもあったんですけど、入り出しから上手くいきました。あとは接戦になったんですけど、本当に我慢してやったと思います。逆転されても、いつもだったら畳み掛けられて10点差になるところでサビートとマクドナルドの二人で40点取ってくれました。特にインサイドの起点が、2つ出来たことが凄く大きいことです。外角のシュートが、まだなかなか入ってないんですけど、彼らを起点にしながら、これから外もチャンスが生まれてくるのかなと思います」
GAME1で87点、そして勝利したGAME2では83得点を挙げた。古田HCは大きな手応えを感じている。
「今まで60点台のチームだったんですけど、昨日、今日と80点台いきましたし、それはもう自信を持ってプレーすべきだと思いました。ただちょっと怪我人を含めて、正直苦しい場面もありましたが、よくみんなファウルしながらも乗り切ってくれたと思います」
グラウジーズにはB1残留プレーオフ2回戦での敗戦で大きな悔しさを味わった。これに前日のGAME1での悔しさが加わったが、翌日に激戦を制して、すぐに雪辱を果たせたことは大きい。マクドナルドが加わったことで、得点力がアップし、わずか2試合でチームに大きなケミストリーが生まれ、海賊たちは浮上への大きな自信を得た。
この勝利でビーコルは、まだ6位ながら2位名古屋まで2ゲーム差になった。次回はアウェー、ウィングアリーナ刈谷で前回連敗を喫した現在14連勝中で中地区1位を独走するシーホース三河との対戦だ。あの時のビーコルとは違う。新たな強力な武器を得た海賊たちが強敵の胸を借りて、ここからの逆襲で一気浮上を図る!楽しみだ。
【写真・記事/おおかめともき/一部写真提供:©B.LEAGUE】