横浜ビー・コルセアーズが、福田将吾HCの退団を発表


今季途中からのHC就任でビーコルを上昇気流に載せた若き指揮官が来季新潟のHCに。

横浜ビー・コルセアーズは5月19日、福田将吾ヘッドコーチ(以下HC)の契約満了と退団を発表した。また同日、新潟アルビレックスBBは同氏の来季からのHC就任を発表している。

横浜ビー・コルセアーズから契約満了と退団が発表された福田将吾HC。来季は新潟アルビレックスBBのHCに就任する


福田氏は、仙台89ERSでのアソシエイトヘッドコーチ、島根スサノオマジックでのアシスタントコーチを経て、今季からはビーコルのアシスタントコーチ(以下AC)に就任してトーマス・ウィスマン前HCをサポートしていた。今年1月15日の第17節アウェー新潟戦からは、この試合から休養が続いたウィスマン前HCに代わってHC代行として指揮を執り、チームの立て直しに着手。2月1日からはHCに就任して、チームを上昇気流に乗せた。

プロチームの指揮は初めてながら、選手たちの声を丁寧に拾って反映し、タイムシェアも積極的に取り入れてチームを活性化させた。選手のみならず、フロントスタッフ、ファン・ブースターも含めた“ワンチーム”にこだわったチーム作りは良好な成果を生み、1月22日ホーム平塚での川崎戦初勝利をはじめとして、大阪、SR渋谷、三河といった強豪チームから勝利を挙げるなどした。

福田氏にとって新潟は、奇しくもHC代行として最初に指揮を執った時の対戦相手だ。来季からは、その新潟でBリーグ初年度から指揮を執っていた庄司和広前HCの後任として、その手腕を発揮することになる。

福田氏は、チームを通じて以下のようにコメントしている。

「はじめに、今般の新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に、謹んで哀悼の意を表するとともに、コロナウイルスに感染し闘病されている方々やそのご家族、これまでに感染された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。そして、最前線でコロナウイルスと日々闘っておられる医療従事者の方々をはじめ、私達の生活を支えて下さっている関係者の方々に、最大限の敬意と感謝を表します。

昨年6月に、私を横浜ビー・コルセアーズのアシスタントコーチとして採用していただきました河内GMと、前代表取締役である岡本様に心より感謝申し上げます。また現代表取締役である植田社長をはじめ、フロントスタッフの皆様には1年間という短い期間でありましたが大変お世話になりました。

前ヘッドコーチであるウィスマンコーチの下、7ヶ月間アシスタントコーチとして働けた事は、私の12年間のコーチ人生の中で、とても大きな財産であり誇りです。

また2月1日より正式に横浜のヘッドコーチに就任し(実際に試合の指揮を執り始めたのは1月15日の新潟戦から)、2019-20シーズンの中止が決まった3月27日まで約2ヶ月間でしたが、私が初めて指揮を執った新潟戦まで10連敗と非常に苦しい状況だった中で、下を向かずに共に前を向いて戦ってくれた選手達は私の誇りであり、感謝の気持ちでいっぱいです。またプロチームでのヘッドコーチとしてはルーキーだった私を支えてくれたチームスタッフにも、とても感謝しています。

牧全選手の退団コメントにもありましたように、私がヘッドコーチに就任した際、はじめにチームのみんなとチャンピオンシップ出場を目標に掲げました。そして選手達の日々の練習からの頑張りで、チームの調子が徐々に上がっていっていた中、レギュラーシーズン19試合を残しシーズンが中止となり、チームの目標を叶えることができなかったことは、とても心残りです。

横浜のブースターの方々の熱い応援は、いつも私達に力を与えてくれました。特に試合の後半で負けている苦しい展開の中での皆様の大きな声援は、私達の気持ちを再び奮い立たせてくれ、そして我々の背中を押し続けてくれました。

実際の結果として、私が指揮を執ったホームの試合で勝利した3試合(川崎戦・大阪戦・SR渋谷戦)は、全て後半で逆転勝ちしたものであり、ブースターの方々をはじめ、横浜を応援して下さった皆様には、心より感謝しております。

来シーズンを横浜ビー・コルセアーズの海賊の一員として戦えない事は、私としても残念な気持ちでいっぱいです。私は横浜で学んだ事を糧に、来季は違うチームで指揮を執ります。皆様とは来シーズンの試合会場でお会いできるのを、とても楽しみにしております。

最後になりましたが、来季10周年を迎える横浜ビー・コルセアーズの益々の発展を心より祈っております」

若き指揮官としてビーコルを立て直した福田氏が指揮を執る来季の新潟は、より手強くなりそうだ。ビーコルも同日、新HCカイル・ミリング氏との契約基本合意を発表。来季のビーコルと新潟は熱戦必至の好カードになることが予想される。

ビーコルの指揮を執るようになってからの福田氏は、いつも試合後会見でその日の試合を率直な言葉で振り返り、質問にも丁寧に応えてくれた。練習場で会っても福田氏との会話は、いつも前向きで楽しく、氏のバスケットボールへの真摯さが強く伝わってきた。福田氏は、新潟アルビレックスBBのBリーグになってから二人目の指揮官という大きなチャレンジに挑む。ビーコルでの数多くの貢献に感謝すると同時に、新天地新潟での活躍を祈念したい。

【記事・写真/おおかめともき】

・横浜ビー・コルセアーズ|福田将吾ヘッドコーチ 退団のお知らせ
https://b-corsairs.com/news/team_20200519_1/

・新潟アルビレックスBB|福田将吾氏 ヘッドコーチ契約合意のお知らせ
https://www.albirex.com/news/detail/id=18959


Written by geki_ookame