ビーコルが、横浜労災病院小児病棟を訪問


『バスケットボールと医療の連携』の一環。選手とB-ROSEが入院患者の子どもたちに勇気を与える

横浜ビー・コルセアーズは、独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院と『バスケットボールと医療の連携』といった取り組みを始めている。昨年12月23日には、その一環として、竹田 謙、生原秀将、秋山皓太、チアリーダーズB-ROSEのKotoneとYou-yuが同病院の小児病棟を訪問。クリスマスプレゼントを手渡すなどして入院している子どもたちを喜ばせた。

新横浜駅にほど近い横浜労災病院は、横浜市北東部診療圏の中核施設として、勤労者医療、高度医療、 救急医療を担い、親切な医療を基本方針とし、脳・循環器疾患治療、365日24時間救急医療、小児医療、メンタルヘルスなどの総合治療に取り組んでいる。加えてビーコルのホームゲームで選手、来場者、大会関係者が怪我をした場合の救急治療受け入れもおこなっている。

新横浜にある横浜労災病院

バスケ好きの救命救急医師の想いから実現

今回の小児病棟訪問を企画したのは、同病院・救命救急センター医長の中川悠樹先生。中川先生は、大のバスケ好きで、本場アメリカのNBAに何度も足を運んで観戦するほどのファン。その中川先生が、NBAメンフィス・グリズリーズの渡邊雄太が小児病棟を訪問したことに感銘を受け、自分にも出来ないかと思ったことがスタートだった。

「前から大好きなバスケと僕がやっている医療をつなげることが出来ないかと思っていたんです。去年の7月に渡邊雄太選手が日本に帰国していた時に小児の病院を訪問されていたのを渡辺選手のTwitterで見て、大きな刺激を受けまして、以前から交流があった竹田選手に連絡させていただいたんです」(中川先生)

横浜労災病院 救命救急センター医長中川悠樹先生 自身のデスクの壁には大好きなNBAやビーコルなどのポスターが飾られていた


以来、話は一気に進み、チーム、フロントの協力を得て、今回の小児病棟訪問が実現した。自らもサンタクロースになって、趣味であるサックスでクリスマスのメロディーを奏でて、この訪問を盛り上げていた。

中川先生はサンタクロースにもなって、趣味のサックスで訪問会を盛り上げた


「実現するまでは、正直、不安になるところも沢山あったんですけど、フロントスタッフの皆さんに励まされながら、実現することが出来ました。とても良い会になりましたし、やって良かったと思っています」(中川先生)
選手とB-ROSEが病室を訪れると、ビーコルオリジナルのクリスマスカードや、様々なビーコルグッズを子どもたちに手渡し、サインをしたり、写真撮影もおこなった。普段接することのないバスケットボール選手とチアリーダーズとの触れ合いに子供たちは喜びの表情を見せて、夢のようなひと時を楽しんでいた。訪問後は、病棟内にあるプレールームに入院している子どもたちを集めて、選手とB-ROSEが挨拶。『I Love 横浜 』のダンスパフォーマンスも披露して喜ばせた。周囲には、医師、看護師、関係者らも集まってちょっとした人だかりも出来て、パーティームードだった。

病棟内にあるプレールームでは『I Love 横浜 』のダンスパフォーマンスも披露した

スポーツが持つ力が医療を上回った!

入院患者の中には、これまで立つことが出来なかった子どもが、選手とB-ROSEに接したい一心で立ち上がる場面もあり「こんなことは初めて」と医師、看護師たちを驚かせて感激させていた。

「本当に驚きでした。僕ら医療側では出来ないこと。まさにスポーツの力です。プロのスポーツ選手が持つ力の大きさを感じました」(中川先生)

選手、B-ROSEも貴重な経験に

訪問を終えた選手たちも得難い時間になったようだ。「みんなが喜んでくれたので、参加することが出来て良かったです」(竹田)「こういった訪問は初めてでした。貴重な経験が出来たと思っています。今後も積極的に参加したいと思います」(生原)「いい経験が出来ました。いろいろと感じることも多かったです。子どもたちみんなの笑顔が沢山見れて、とてもうれしかったです」(秋山)またB-ROSEの2人は「私たちのパフォーマンスで子どもたちが元気になってくれたと聞いた時には本当にうれしく、ありがたく思いました。私たちも、もっと頑張らないといけないと、私たちのほうがパワーをもらいました」(You-yu)「今まで、プロバスケットボール選手と触れ合う機会がない子どもたちも多かったと思います。私たちも良い経験をさせていただきました。今回だけでなく、次に繋がるイベントになったと思います」(Kotone)

これからさらに拡大していきたい

訪問会を終えた中川先生はこのように話す。

「今回だけで終わってはいけないと思っています。我々ドクターやナースにもバスケットボールをやっている医療関係者は沢山いますし、選手の皆さんにも、渡邊選手のように何かやってみたいと思っている人もいるかもしれません。こういったイベントが、さらに増えて、成功体験をかさねていけば、横にどんどん広がっていくと思います。世界は無理としても、日本だけなら何とかなるのではないかと思っているんです。今回は小児病棟だけでしたが、今後は病院全体で出来たらと思っていますし、労災病院だけでなく、他の病院にも広がっていったら良いですよね」(中川先生)

A東京戦の試合会場では親子でのAED講習会も

この訪問の前、昨年12月15日ホーム横浜国際プールでのアルバルク東京戦の試合前には、会場内のアイランドパークで『親子で学ぼう!体験しよう!命を守る心肺蘇生/AED』と題したAEDを使った心肺蘇生講習会やドクターユニフォームを着た写真撮影会も実施。試合会場を訪れたバスケットボールファンに医療啓蒙活動をおこなった。

昨年12月横浜国際プールでのA東京戦試合前におこなわれた親子参加のAED講習会【写真提供:©︎ B-CORSAIRS/T.Osawa】


「試合会場でも医療に関するイベントが、何か出来ないかと思っていたのですが、皆さんに一番知られているAEDを取り上げてやってみました。楽しみにしていましたといった声も頂いて、とてもうれしく思いました。子どもさんを対象にしたAEDイベントは過去にあったんですけど、親子でのAED講習会はなかったんです。詳しく知る必要はないんですけど、AEDのことを少し、さわりだけでも知ってもらって、家に帰ってAEDのことを話してもらうだけでも意味があります。皆さんに、AEDのことを知っていただくきっかけになったと思っています。」(中川先生)

AED講習会での中川先生【写真提供:©︎ B-CORSAIRS/T.Osawa】

ドクターヘリにも乗るER医師中川先生が思い描くビーコルとのこれから

中川先生は、救命救急センターで医療に従事しているが、日々の活動の場はドラマでも知られる“ER(緊急救命室 )”であり、時にはドクターヘリにも乗って、現場に急行する緊急医療に携わっている。

「AED講習会ではドクターのユニフォームで出たんですけど、ドクターヘリや救急医療を題材にしたTVドラマの影響もあって、皆さん興味を持ってくれたみたいでした。ドクターユニフォームを着てもらって写真撮影もしたりして、楽しく出来ました。これからも続けていけれたらと思っています」(中川先生)

中川先生は、時にはドクターヘリに乗って医療現場に急行する。その勇姿はTVドラマそのもの。子どもたちの憧れでもある【写真提供:中川先生】


バスケを愛する中川先生は、医療とのつながりでビーコルのホーム会場が盛り上がることも思い描いている。

「この小児病棟訪問がきっかけになって、子どもたちや、ご家族の皆さん、我々病院側の人間がバスケットボールに興味を持って、ビーコルの試合会場に観にいってくれたらうれしいです。訪問会で選手に会って、試合を応援しにいく。自分が会ったことのあるプロ選手を試合で観ることって、なかなかない特別な感覚だと思うんです。実際、僕自身がそうでしたから。それを皆さんにも感じてもらいたいんです」(中川先生)中川先生の夢が叶ったともいえる今回の小児病棟訪問。バスケ好きの医師がプロ選手の活動に感銘を受けて、自身も同じことをおこなう。こういったことはなかなか出来ることではない。また、ファンとして自身が体験したことを、他の人にも体験して欲しいという願いもある。中川先生は、医療とバスケットボールをつなげるアイデアを沢山持っているようだった。ビーコルの植田哲也代表取締役も「今後はコルスも参加するイベントがここで出来たら、子どもたちも喜んでくれるのでは」と協力を惜しまない。医療とバスケットボールを繋ぐ架け橋として、横浜労災病院とビーコル、そして大のバスケ好きの医師中川先生のこれからの取り組みに期待したい。【取材・写真・記事/おおかめともき・一部写真提供/©︎ B-CORSAIRS/T.Osawa/中川悠樹先生】

・独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
https://www.yokohamah.johas.go.jp


Written by geki_ookame