ビーコルのハンターとモリスが話題のテクノスポーツHADOを体験!


AR技術を駆使した未来型スポーツHADOはバスケに通じるものあり。

横浜ビー・コルセアーズのハンター・コートとエドワード・モリスが話題のテクノスポーツHADOを体験した


ここ最近で注目が大きくなってきているHADO。このAR(拡張現実)技術を駆使した未来型のスポーツ競技HADOを、Bリーグ 横浜ビー・コルセアーズのハンター・コートとエドワード・モリスが
体験した。Bリーガーの二人を大満足させたHADOとは一体どういったものなのか。体験した二人のコメントと、HADOを開発した株式会社meleap(メリープ)を訪ねて、HADOというテクノスポーツを探った。

HADOは、今季横浜ビー・コルセアーズ(ビーコル)のホームアリーナ横浜国際プールでの数試合で設置されていたので、体験した人もいるかもしれない。また、ビーコルの本拠地ビーコルセンターすぐ近くにある「Northport Mall(ノースポート・モール)」の6階にはHADOを本格的に体験することが出来る「HADO ARENA @ THE 3RD PLANET横浜本店」もある。

昨季、ビーコルのホーム横浜国際プールに導入されたHADO。ビーコルブースターも初めてのHADO体験を楽しんでいた【写真提供/©横浜ビー・コルセアーズ】

What’s HADO?

HADOをプレーする時のスタイルは、実に未来的でクールだ。まず頭にヘッドマウントディスプレイ、腕にアームセンサーを装着する(それぞれにiPhoneが内蔵されている)。装着したヘッドマウントディスプレイには、カメラを通して見える実映像(実際の風景映像)とコンピューターグラフィックス(CG)が同時に映し出される。この現実の情報を拡張する技術をAR(拡張現実)技術というのだが、HADOはこの技術が駆使されている。

このAR技術を使うことで、現実にはないエナジーボールを自分で飛ばすことが可能になった。手からエナジーボールを撃ち、体の前にシールドを張って相手の攻撃を防御する。アニメやSF映画で見られる世界感を実際に体験出来るのは快感だ。

HADOの試合形式は1対1、2対2、3対3でおこなう対人戦で、1試合は80秒になっている。公式大会も数多くおこなわれており、加えてトップチームによるリーグ戦「HADO JAPAN LEAGUE」や、世界各国からチームが参戦する「HADO WORLD CUP」と銘打った世界大会も開催されている。これらの大会では上位チームに賞金が出るのも特徴だ。

またYouTubeで試合のLIVE中継もおこなわれており、これを見て興味を持った海外の人々がHADOをやり始めている。

外部モニターにはAR(拡張現実)で作られたHADOの世界が映し出される。会場はバディスポーツ幼児園・横浜センター南校

ビーコルのハンターとモリスがHADOに挑戦!

このHADOを、現役Bリーガーであり、横浜ビー・コルセアーズのハンター・コートとエドワード・モリスが、バディスポーツ幼児園・横浜センター南校に設置された特設会場で体験した。

バディスポーツ幼児園は、ビーコルアカデミー、ビーコルユースチームの練習会場でもあり、スポーツ教育を実践している。同園ではテクノスポーツであるHADOを教育目的としての導入を考えており、meleap社との提携を視野に入れている。

ヘッドマウントディスプレイとアームセンサーを装着したハンターとモリスは、さながらSF映画から飛び出してきたようなカッコ良さで、1対1と2対2の対人戦を体験した。二人ともHADOは初めての体験で、最初はエナジーボールとシールドの出し方に苦戦した様子だったが、それでもプレーを重ねるごとに慣れていき、対戦はどんどんヒートアップしていった。

ヘッドマウントディスプレイとアームセンサーを装着したハンターとモリス。SE世界から飛び出してきたようなクールさが漂う。

小野マネージャーが意外な才能を発揮!?

小野貴大マネージャーとビーコルスタッフを交えた2対2の対人戦では、選手組とスタッフ組に分かれて試合をおこなった。かなり速い動きで、大きな声が飛び交う激しい試合になったが、勝利したのは意外にもスタッフ組。それも小野マネージャーのひとり勝ちだった。「小野マネージャー、ヤバイですよ!逃げられない!僕らはディフェンスしてばかりで、撃つヒマがありませんでした!」とはハンターの言葉。小野マネージャーは「めちゃくちゃ楽しかったです。HADOは、子供の頃に見ていたアニメの世界感や感覚に似ているんです。それを自分でも体験出来たのが楽しかったですね」

HADOで大きな才能を見せた小野マネージャーだが、彼もHADOは初めての体験。

「HADOのことは2、3年前から知ってはいたんですけど、一度、やってみたいと思っていたんです。そしたら、今シーズン、チームが試合会場(横浜国際プール)に導入して、通訳の渥美(渥美雄大・川崎に移籍)と『対戦してみたいね』って話していたんですけど、結局出来ませんでした。今日やっとプレーする機会が来て、ホント興奮しました」

小野マネージャーはビーコル史上初のHADOチャンピオンになった訳だが、勝つ秘訣を聞くと「パラメーターの設定は、シールド以外は全部「3」、シールドは「1」にしていました。シールドパワーが少ないって?問題ないです。僕、避けるのが上手いですから(笑)。身体能力は間違いなくエドとハンターのほうが上ですけど、僕は動体視力が良いのかも。あとは頭脳プレー、チーム戦は戦術が大事ですからね」と話す。

初めてのHADOで意外な才能を開花させた小野貴大マネージャー。ビーコル史上初のHADOチャンピオンになった。

家に欲しい!ビーコルの練習、試合のアップはHADOでOK!?

負けて悔しがったのは、現役Bリーガーのハンターとモリス。それでもHADOをとことんエンジョイしたようだ。ディフェンスばっかりだったと笑うハンターは「やっている間、凄く集中出来ました。ひとりがシールドで守って、もうひとりが攻撃。お互いの連携が大事になってくるので、チームプレーということではバスケットボールに通じるものがあるかもしれません。HADOは、ホント楽しいし、もう、家に欲しいぐらいです!」

横浜ビー・コルセアーズ ハンター・コート「HADOはホント楽しい!家に欲しいぐらい」


モリスは「楽しくて、気に入りました。ディフェンスの動きがバスケットボールと似ているかもしれませんね。僕は選手ですから、勝ちたい気持ちが強くて、最後のほうでは動きが激しくなってしまいました(笑)」

小野マネージャーが言っていたように、ハンターもモリスもプロのBリーガーであり身体能力には自信がある。それでも、かなりの体力を消耗したという。

「HADOは、ちょっとでも休むとすぐ死んでしまう(撃たれてしまう)んですよ。避けて、撃って、とにかく動かないといけない。だから、もの凄く体力を使うんです。僕らも、練習や試合のアップは、HADOでいいんじゃないかな?ぜひ置いて欲しいですね」

横浜ビー・コルセアーズ エドワード・モリス「練習や試合のアップは、HADOでいいんじゃないかな?」

 

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HADO開発秘話 ルーツはあの“かめはめ波”!?

ビーコルの選手、スタッフにも大好評だったHADO。この未来型テクノスポーツを開発した株式会社meleap(メリープ)のHADO公式MC・加藤エンさんにお話を伺った。

「映画やゲームでよく聞かれるVR(バーチャルリアリティ)は、仮想の世界に自分が没入するんですけど、AR(拡張現実)はこの逆で仮想のものを自分たちの世界に持ってくるものです。AR(拡張現実)を使ったコンテンツは世界中でいろいろなものが出ていますが、ここまで体を動かすスポーツコンテンツ、スポーツ競技として成り立っているものは、今のところ世界でHADOだけになっています」

株式会社meleap(メリープ)のHADO公式MC・加藤エンさん


HADOが出来たきっかけが面白い。HADOを開発したmeleap社の福田浩士CEOが、子供のころから“かめはめ波”を撃ちたかったことから全てが始まっている。

「福田は大人になってからも、ずっと“かめはめ波”を練習してきたんですけど、どんなに練習しても、どうやっても“かめはめ波”が出ない。試行錯誤の末にようやくたどり着いたのがAR技術だったんです」

AR技術が全てを可能にさせた

福田CEOの夢から始まったHADOは、今では世界中でさらなる拡大をみせている。現在23カ国が導入し、2016年からはワールドカップを開催。2018年には全7カ国が参加した。

「YouTubeで、試合のLIVE中継を毎試合配信するということもやっています。これらを海外の人たちが観てHADOを始めています。現時点では日本人選手が強いのですが、世界中の人たちが中継映像を教材にして、自分たちで研究することで、どんどん巧く強くなってきています」

女子高生やメイドが神社でHADO!?

HADOを世界に広めたきっかけは、もうひとつある。

「2017年に作ったプロモーションビデオをSNSで公開したことも大きかったです。女子高生の格好をした女の子が神社でHADOを使ってバトルしたり、メイド服を来た女の子がエナジーボールを撃ち合ったりするイメージムービーなんですけど、これがいろんな動画サイトでウケまして、世界中から大きな反響を頂きました。海外メディアでも取り上げられたこともあって、一気に拡がりました」

100年先に残る文化 HADOをサッカーを超えるスポーツに

meleap社は、HADOを「サッカーを超えるスポーツにしたい」という。

「僕たちはゲームを作っているのではなくて、文化を創っています。100年先に残る文化、それが一番目指すところです」

「AR技術は今後さらに進化していきます。今iPhoneを使っているヘッドマウントディスプレイ、アームセンサーも今後ウェアラブルデバイス(着用出来るコンピュータ端末装置)になって、そのウェアラブルデバイスもどんどん小型化されていくでしょうし、今のスマホのように普及して誰もがウェアラブルデバイスを持ってARを使う日がくると思います。そうなれば、子供たちが学校帰りに公園でHADOをしたりする。実際のボールではなくて、ARのエナジーボールで遊ぶんです。今のHADOは屋外でのプレーは出来ないんですけど、将来的に屋外で出来るようになれば、子供たちの遊び方も変わって来ます。こういったことは夢ではないと思っています」

「バスケットボールや、サッカー、野球は、昔からあるアナログなスポーツですが、文明が発達していった過程で工業社会になって、バイクや車を使うモータースポーツが出来ました。今は情報社会です。「情報社会スポーツ」で、出てくるものは何だろうと考えたら“テクノスポーツ”なんですね。“テクノスポーツ”は、いま我々の独占市場になっています。その中のひとつがHADOなんです」

「今回ビーコルさんの選手にプレーして頂いたように、今後、スポーツ選手の人にも、もっとHADOをやってもらいたいです。ワールドカップなどの大会で、プレーヤーが世界規模で増えては来ていますが、これをさらに拡げていきたいと思っています。まずは日本、現在は首都圏だけなので、これを全国規模で展開させたいです。各県の代表を決めて、全国大会をおこなって日本代表を決める。そしてワールドカップに出る。HADOをもっともっと身近なものにして、HADOの選手もスター性のある真のアスリートとして認識されるようにしていきたいと思っています」

HADOはバスケットボールに通じる

実は、加藤さん自身も小学校1年から中学校3年まで9年間バスケットボールをやってきたバスケ経験者だ。

「バスケは、学校の部活でもやりましたし、地元のチームでもやりました。僕のバスケは下手でしたけど(笑)。バスケなどのスポーツは、スタートしてから上達するまで凄く時間がかかりますが、HADOだとそんなに時間はかかりません。スポーツの上達には、ある程度年齢も関係してくると思います。今、HADOの大会での上位選手には40歳代の方もいます。HADOなら成長期を終えた年代でも、普通のスポーツよりも違う速さで上達します。これもHADOが持っているひとつの可能性ではないかと思っています。体さえ動けばシニアの方でも大丈夫です。リハビリにも有効かもしれません」

加藤さんは、自身もバスケットボール経験者「HADOとバスケは通じるものがあります」


HADOとバスケは共通点がある。ハンターも言っていたようにチームプレーもそのひとつだ。

「HADOにはチーム力が不可欠です。ヘッドマウントディスプレイを付けるので視界が狭くなり、試合中に情報が取り切れません。それを選手同士で声を掛け合うことで補うんです。これはプレーヤーだけではなく、外にいる人もモニターを見て、相手のシールドの情報などをプレーヤーに伝えます。例えば、右側にいる選手のシールドが一番硬い「5」だったとしたら、その情報を味方に伝えて、みんなで集中してエナジーボールを撃つ。強いチームはそういった連携力とチームワークが優れているんです。こういったところはバスケにも通じるものがありますね。それと、誰かが良いプレーをすれば『ナイス!』っていうし、ミスをすれば『ドンマイ!』って声を掛け合っています。これもバスケと同じですよね。そういった意味でもHADOは、完全にスポーツだといえるんです」

HADOのほうが世界一に近い

それでも、加藤さんは、HADOとバスケで違うところがあるという。

「バスケよりも、HADOのほうが“世界一”が近いです(笑)。バスケ経験者だから分かるんですけど、バスケは超えていかなければならない壁が凄くあって、分母が大きい。ピラミッドがデカ過ぎるんです。だけど、HADOは始まったばかりなので、まだまだピラミッドが小さい。去年、世界一になったチームは、結成してまだ1年ちょっとのチームでした。HADOなら世界一が近い。これもHADOが持つ魅力のひとつなんです」

「HADOを一度やって頂けるとその面白さが分かって頂けると思います。HADOの公式大会では賞金も出ます。ビーコルを観に行くお金をHADOで稼ぐ(笑)なんてことも可能かもしれませんよ」

ハンターとモリスを夢中にさせたテクノスポーツHADO。あなたも、ぜひ一度体験してみてはいかがだろうか。ハマること請け合いだ。

【取材・記事・写真/おおかめともき/横浜国際プールHADO写真提供/©横浜ビー・コルセアーズ】

 

・HADO/meleap
https://meleap.com

・HADO公式大会 – HADO | THE FUTURE OF SPORTS
https://hado-official.com/tournament/

・THE 3RD PLANET横浜本店(HADOが体験出来る!)
https://meleap.com/hado/shop/listings/3rdplanet/

・横浜バディスポーツ幼児園・横浜バディスポーツクラブ
http://www.y-buddy.jp

 


Written by geki_ookame