福岡戦で鮮烈なインパクトを残した中村太地に聞く。

「代表での経験が僕のメンタルを強くした」もの怖じしない若き海賊はビーコルの希望。

今季、富山グラウジーズから横浜ビー・コルセアーズに移籍してきた法政大学在学中で特別指定選手の中村太地。大学のリーグ戦が終わってチームに合流。11月17日と18日にホーム横浜国際プールでおこなわれた福岡2連戦で、中村は鮮烈なインパクトを残した。中村はこの試合後、プロになって初めての共同会見に応じて初々しい表情を見せた。

自身プロ初の二桁得点となる14得点を挙げた福岡戦GAME1後に会見に応じる横浜ビー・コルセアーズ#6中村太地


まずはGAME1。3Q終盤に投入されて3Pシュートを決めると、ここから4Q序盤にかけて鮮やかな3連続シュートを決め、与えられた10分32秒のプレータイムでチーム2番手となる14得点を挙げてみせ、チームに大きな流れをもたらした。指揮官トーマス・ウィスマンHCが大きく評価したのはもちろんのこと、敵将ボブ・ナッシュHCも自ら中村の話を切り出して称賛した。中村自身はあの試合をこう振り返っている。

「点数が入っていない状況が続いていたので、積極的にリングにアタックしてアグレッシブに行きました。最初のシュートが入ってから相手のディフェンスが出て来てくれたので、楽にドライブが出来て、ファウルももらうことが出来ました」

果敢なドライブで福岡ディフェンスを突破する中村太地


「あの試合では、良いタイミングで出してもらいました。ベンチから見ていて、チームのオフェンスが停滞していたのが分かっていたので、前半から出番に備えて準備していました」

3Q残り2分、流れを変えたいウィスマンHCは中村太地を投入。中村はこの起用に見事応えてみせた


3Q終盤から4Q序盤にかけての3連続シュートは圧巻だった。1分に母校である福岡大学附属大濠高等学校のひとつ上の先輩津山尚大からファウルを奪いフリースロー1本を入れると、ハンター・コートのアシストで3Pシュートを沈め、終了間際2秒にはセカンドチャンスから2Pシュート、さらには4Q開始早々の9分50秒に3Pシュートを沈めてスコアを逆転させてみせた。圧巻ともいえる3連続シュートは、いわゆるゾーンに入ったようにも感じられた。しかし、本人はこれを否定する。

「そういった感覚はなくて、決まって欲しいといった感じだったんですけど、自分の中で、今日は調子がいいなとは思っていました」

4Q開始早々に一時は逆転となった3Pシュートを沈めて圧巻の3連続シュート。エース川村に会心のアイコンタクトを送る中村。若き海賊は反撃期するチームに大きな流れをもたらした


この試合で中村は、シュート4本、フリースロー3/4で自身プロ入り初の二桁得点となる14得点を挙げてみせた。

「打てば入るんだといった自信を持ってプレーすることを常に心がけています。あれぐらいは出来るんだと、いつもそう思ってやっています。あの連続シュートで、そのことをコートの上で表現出来たと思っています」

果敢にシュートを打つ中村「打てば入るんだといった自信を持ってプレーすることを常に心がけています」


「あの試合までは、なかなかシュートが出ませんでしたが、いつも(HCに)長くコートにおいておこうと思ってもらえるようにプレーしています。今回ようやく自分がコートにいることをアピールすることが出来ました。良かったと思います。また練習をして、次の試合に向けて準備をする。これを繰り返して、良い状態を継続出来るようにやっていきます」

コートでの中村からは緊張を感じることがない。非常にのびのびとプレーしている。もの怖じしない性格はこれまでのビーコルにはなかったものだ。

「これまでにもBリーグのコートには立ったことがあるので、緊張はそんなにありません。特にあの試合(福岡戦GAME1)は拮抗した展開だったので、やってやろうという気持ちのほうが大きかったです」

翌日のGAME2では、打って変わって4Qまで無得点だった。しかしこの若き海賊はただではすまさない。4Qの最終盤、チームのリードは二桁で、相手はファウルゲームを執拗に繰り返してきた。その中で中村は、残り1秒で出来た外角の隙きを逃さず、冷静なショットから3Pシュートを沈めてこのゲームにトドメを刺した。

福岡戦GAME2の4Q最終盤1秒で外角に出来たスペースを逃さず突いて3Pシュートを沈める中村。ゴールデンルーキーが決めたこの3Pが食い下がる福岡にトドメを刺した


中村は、代表チームでの経験がある。2017年のウィリアム・ジョーンズカップU24日本代表、今年6月のウィリアム・ジョーンズカップ日本代表候補、そして今年8月のアジア競技大会日本代表だ。中村に代表での経験は今に活かされているかと聞くと、こう即答した。

「メンタル面で成長したと思っています。A代表のトップクラスの選手相手に食らいつくことが出来て、それなりにプレーすることが出来たことは、自分の中で本当に自信になっています。いまプロの世界でのびのびとプレー出来るのも代表で出来た自信のお陰です。代表戦を経て、メンタル面が安定しました。ムラがなくなったと思っています」

福岡には、前述した津山に加えて、小林大祐と山下泰弘、3人の福岡大大濠校OBがいる。特に津山尚大とはインターハイで優勝した時の先輩と後輩の間柄であり、福岡戦ではプロ入り後のマッチアップが実現した。

「津山さんとBリーグのコートで出来たことは、感慨深いものがありました」

母校福岡大大濠校のひとつ上の先輩 津山尚大とマッチアップする中村。Bリーグで実現した先輩後輩対決に中村も感慨深いものがあった


大学のリーグ戦は終わったが、中村にはこのあと法政大学3年ぶりとなるインカレ出場が待っている。そしてその後、ビーコル戦士としてのプレーが本格的に始まることになる。苦しい状況が続くチームにとっては希望でもある。その意気込みを中村はこう語る。

「トムヘッドコーチ(トーマス・ウィスマンHC)が求めているのは、やはりディフェンスです。ディフェンスからリズムが生まれる。ディフェンスが出来てからオフェンスでの活躍が生まれます。オフェンスはディフェンスありきだと思っています。ディフェンスが良くない時は、オフェンスも良くないです。まずディフェンスをやって、オフェンスをやる。これを継続してやっていきたいです」

出撃前にウィスマンHCから指示を受ける中村。若き海賊に名将の期待も大きい


中村は最後にビーコルブースターにメッセージを送ってくれた。

「あのプレーで、皆さんに顔と名前を少し覚えてもらえたかなと思います。これからも、チームの核とまではいかないですけど、チームの顔になれるように今シーズン頑張っていきたいと思います」

あの活躍で、ビーコルブースターのハートはガッチリ掴んだ。トーマス・ウィスマンの指導のもと、その伸びしろは無限大だ。何よりも、持ち前のメンタルの強さは彼の大きな武器。中村太地には、ビーコルの未来がある。楽しみだ

【取材・写真・記事/おおかめともき】

中村太地 Twitter
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中村太地 インスタグラム
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Written by geki_ookame