接戦を見事勝ち切った!国プ今季最終戦を歓喜の激勝で飾る!竹田 謙が先発して攻守に躍動してキャリア通算3,000得点を達成!
横浜ビー・コルセアーズ 74-89 三遠ネオフェニックス(3月28日・横浜国際プール 今季最終戦)
22-25|25-12|22-31|18-16
横浜ビー・コルセアーズは、ホーム横浜国際プールで中地区3位の三遠ネオフェニックスと闘い、一進一退の接戦を制して勝利した。2月17日豊橋での三遠戦から始まった連敗を10で止め、横浜国際プールでの今季最終戦を歓喜の激勝で飾った。
ベテラン竹田 謙が1Q開始早々に2Pシュートを沈めて、あと「1」としていた自身の偉業キャリア通算3,000得点を達成した。
平日の水曜日にもかかわらず3212人の観客が訪れた横浜国際プールが熱く揺れた。轟く地鳴りの如きブースト、選手たちの勝利への執念。何としても勝ちたい。もう負けるわけにはいかない。その強い思いが、選手、ビーコルブースターをエナジーの塊にした。
今季のベストゲームだ。選手、チーム、チームスタッフ、そしてビーコルブースターが10試合ぶりの勝利の歓喜に酔いしれた。
どれだけ苦しみが続いただろう。前節三遠戦でチーム最多連敗タイとなる10連敗を喫し、何としてもここで勝たねばならなかった。
ホームタウン都筑区にある横浜国際プールの今季最終戦であることも、選手とビーコルブースターを大きく突き上げさせた。
三遠戦から始まった10の悔しさ、苦しみが三遠戦で遂に止まり、ビーコルは逆襲への大波に再び乗る。
前節三河戦GAME2から、わずか2日後におこなわれた三遠戦。ビーコルはスターティング5を変更してきた。ベテラン竹田 謙をディフェンス重視から起用し、細谷、川村、佐藤、竹田、マクドナルドの布陣を敷いた。
竹田は1Qの出だしで3,000得点をいきなり達成すると、シュートが冴え渡り1Qで5得点を挙げてチームに勢いをつけ、ディフェンスだけでなくオフェンスでも大きく貢献した。
1Qから激しいリバウンド争いとなり一進一退の攻防となった。開始早々に川村卓也が両チームを通じての先制ショットを沈める。ここまでは前節のGAME2と同じだが、違うのは、直後の9分22秒にスティールを奪ったベテラン竹田 謙がキャリア通算3,000得点となるレイアップを沈めたことだ。エースとベテランの2本の2Pシュートがチームに勢いを生み、ビーコルブースターにも火をつけた。
この直後、三遠が太田敦也の2Pと鹿野洵生の3Pで逆転。さらには、田渡修人に2Pを決められたが、竹田が勢いそのままにセカンドチャンスから3Pを沈め同点にする。
しかしロバート・ドジャーに3Pと2Pを続けて決められ三遠が勝ち越し。ビーコルは、細谷将司の3Pシュートで追撃した。さらに川村が2P、ジェフリー・パーマーが2Pと3Pを続けて決めて、三遠を逃さまいと懸命に食らいついていった。
1分50秒に川村が3点のバスケットカウント。さらに川村は残り40秒でフリースロー2本を沈めて同点。このまま1Qを終えられるかと思われた矢先、残り15秒で鈴木達也に3Pを入れられてしまい三遠にまた逆転を許してしまい1Qは22-25。3点のビハインドとなる。
2Q開始8分57秒に高島一貴が三遠ディフェンスを切り裂いたレイアップで2Pを沈めると、同26秒に今度は田渡 凌がレイアップで2Pを沈める。
しばらく得点が止まったが、5分55秒にハシーム・サビート・マンカがフリースロー2本を沈めて同点。直後の同35秒にサビートは、川嶋のパスをカットしたスティールからダンクを沈めてビーコルが逆転。
しかし、田渡修人に3Pを決められ三遠が逆転したが、4分59秒に細谷将司がレイアップを沈めてビーコルが再度逆転。その直後にスコット・モリソンにダンクを決められ三遠がまた逆転と、一進一退のクロスゲームが展開された。
ここから、満田丈太郎とサビートが得点。3分20秒、満田がレイアップを沈めてビーコルが逆転。さらにはサビートとマクドナルドの2Pなどで得点してリードを伸ばす。フリースローも効果的に決めて10点のリードを奪った。ディフェンスも機能し、三遠の得点を抑えることに成功した。2Qは25-12。トータルスコア47-37とした。
3Q、細谷、パーマー、田渡、マクドナルド、満田、佐藤が得点する一方で、ファウルがかさんでしまう。三遠はこれで得たフリースローを、このクォーターで61.8%の高確率で成功させた。さらには3Pシュートを6本も決められてしまい31失点。
3Q 1分48秒に佐藤託矢がインサイドから2Pシュートを沈める。佐藤は体を張ったディフェンスで貢献していたが、残り59秒でファウルアウトしてしまう。
3Qもクロスゲームとなり、同点、逆転を繰り返したが、残り35秒で満田丈太郎がアウトサイドから2Pシュートを沈めて1点のリードを奪い、いい流れを持って最終クォーターに突入した。3Qは22-31。トータルスコアは69-68。
4Q開始早々にスコット・モリソンに2Pシュートを決められ三遠が逆転。ビーコルはディフェンス一辺倒となり得点が停滞する。7分18秒にパーマーのフリースローで同点にしたが、6分47秒に川嶋に2Pを決められ勝ち越しを許す。
5分55秒でサビートが2Pシュートを沈めて再び同点にしたが、直後、竹田のファウルで川嶋がフリースロー2本決めて、また三遠が勝ち越し。川嶋には同12秒と4分51秒に2Pを続けて決められ、三遠が逃げた。
しかし、4分17秒と3分36秒に川村卓也が連続して3Pシュートを沈め同点。2分57秒にドジャーにフリースロー2本を決められ三遠が勝ち越し。
同37秒にサビートが2Pシュートで同点にするとパーマーのフリースローで1点の勝ち越しに成功。
逆転した直後の1分59秒と同26秒、川村が今度は2Pシュートを連続して沈めリードを広げた。得点が欲しいここぞの場面で川村が神の如き領域に入って沈めた4連続得点は、選手、チーム、そしてビーコルブースターに大きな勇気を与えた。川村は試合後にこう振り返る。
「あの時間帯は外す気はなかった。ボールをよこせっていうぐらい、強い精神力と身体のバランスが上手く整っていた」
三遠も田渡修人、モリソンのフリースローで猛追するが、フリースローでのビーコルブースターのブースターディフェンスは凄まじかった。怒号のような声が轟き、力強い足踏みはコートを揺らした。そのプレッシャーが効いたのか、田渡修人とモリソンは大事な場面でのフリースローを1本ずつはずした。
しかし、残り43秒に岡田慎吾が2Pシュートを決めて1点差。直後に川嶋のファウルで細谷が2本のフリースローをここぞで完璧に沈めて3点差と突き放す。
ビーコルベンチも、尺野将太HCにトーマス・ウィスマンが熱い指示を送り、土壇場で掴んだリードを勝ち切るための策を練る。
選手、ベンチ、ビーコルブースターが勝利へ向かって突き進んでいた。最後のタイムアウトのベンチで、尺野将太HCが指示を送るなかで、ウィスマンが激しい檄を送れば、エース川村が大声を張り上げてチームを引き締める。海賊たちは完全にひとつになっていた。
佐藤を欠くなかで、満田に代えてこの日攻守に貢献した竹田 謙を投入。ビーコルは徹底したマンツーマンディフェンスで締めた。残り30秒、ドジャーがインサイドからショット。これをサビートが渾身のブロックショットで阻止。まさに当たり千金のブロックショットだった。
残り26秒、ディフェンスリバウンドを取った川村が細谷にボールをパスすると、細谷はゆっくりと時間を掛けた残り3秒で三遠ディフェンスに切り込み、シュートを打つがゴールに当たらず24秒バイオレーション。ここでクロックのビデオ検証が入りゲームが一時中断する。
この間、唸りを上げるビーコルブースターの「GO!GO!ビーコル!」のコール。残り3秒、三遠のフリースローがロングレンジで田渡修人に渡り、パーマーがスクリーンを掛ける。
時間が残されていない田渡修人は3Pラインかなり手前からロングレンジで3Pを狙ったがゴールに弾かれ、ビーコルの勝利が決まった。
勝利が決まった瞬間、10試合ぶりの歓喜が爆発した。2月17日豊橋での三遠戦から始まった長く苦しかった10連敗は、ホーム横浜国際プール今季最終戦での三遠戦で遂に止まった。
選手たちは抱き合い、ビーコルブースターは互いに抱き合い、ハイタッチして喜びを分かち合う。今季ここまでで最大最高の歓喜の激勝を海賊と家族はとことん酔いしれた。
ビーコルはこの勝利で、下位4チームに課されるB1残留プレーオフ回避の指針となるワイルドカードのゲーム差をひとつ縮めた。中地区争いでは5位富山とのゲーム差8のまま。ワイルドカード12チーム中の10位も依然そのままだが、9位大阪とのゲーム差をひとつ縮め、回避のデッドライン8位の滋賀までのゲーム差を「3」とした。(9位大阪と8位滋賀のゲーム差は「0」のため)
ビーコルはこの試合で川村、サビート、細谷、パーマー、満田の5人が二桁得点をマーク。チームのスコアリーダーは19得点を挙げたエース川村卓也。特に4Qでここぞで決めた3Pシュート2本、2Pシュート2本での4連続得点は、勝ちを大きく引き寄せた。
2番手は、インサイドで素晴らしいシュートを決めたハシーム・サビート・マンカの16得点。さらに14リバウンドを挙げて、久々のダブルダブル。ブロックショットもここぞで4つ決めて、B1でのブロックショット1位になっている。
細谷将司が14得点、7アシストも記録した。ジェフリー・パーマーと満田丈太郎がそれぞれ10得点を挙げた。
またビーコルはこの試合でフリースローを17/21で81.0%の高確率で決めたことも勝因となった。
試合後、尺野将太HCはこの勝利をこう総括している。
「3Qにファウルトラブルだったり、4Qで少し相手に流れが行く時間帯があり、いつもだと崩れる可能性があるシチュエーションを今日はチームとして乗り越えようという気持ちが強かったです」
「佐藤選手がファウルトラブルで出れない状況になり、ウチがスモールラインナップになった時間帯がありましたが、4Qで78点目を入れたあとのタイムアウトでしっかりと気持ちを切り替えました。そのあと川村選手がシュートを2本決めて、今までなら、というところを一歩乗り越えられました。相手の得点を2Qを12点、4Qを16点に抑えられたことがその成果です」
「特に4Q、最後までディフェンスを集中して継続出来た。危ない時間帯があっても、そこを乗り越えることが出来たことが、本当に大きな一歩になる。これからの残り試合に繋がる大きな一歩になったと思います」
また会見に応じた川村卓也はこう振り返っている。
「まずは連敗を止めれたことに、ホッとしています。国際プールでの試合は、最後の最後まで上手くいかない時が続きましたけど、今シーズン最後の国際プールでのホームゲームでビーコルブースターの皆さんに笑顔で帰ってもらうことが出来たということが、非常に満足なポイントで、個人的にも良かったと思っています」
今季、川村が魅せるここぞの神がかり的なシュートはチームに勇気と大きな流れと勢いをもたらしている。川村卓也はこれからもビーコルのエースであり続け、チームを牽引する。
「チームディフェンスのルールがあるなかで、しっかりとディフェンスをやって、その上でオフェンスの要だと思って取り組んでいます。その自覚をしっかりと持って注力していきます」
この試合では川村をはじめとした沢山のヒーローが出たが、終始今季一番のブーストを送り続けたビーコルブースターもヒーローだ。みんなで掴んだこの激勝は、ビーコルをまたひとつ進化させた。
次節の闘いは、また中2日おいておこなわれる。海賊たちはこの勢いを持って、今季初連勝を飾った富山に再び乗り込む。
【写真・記事/おおかめともき】