アレクと共に闘い、みんなで掴んだ今季3つ目の勝利!
横浜ビー・コルセアーズ 69 – 65 三遠ネオフェニックス(11月4日 横浜国際プール)
湊谷安玲久司朱が、怪我で離脱して以来初めてベンチに戻って来た。そして、チームはアレク、そしてビーコルブースターと共に闘った海賊一丸で2位三遠ネオフェニックスに立ち向かいGAME1の激戦を見事制した。
素晴らしい今季3つ目の勝利だった。1Q、開始7分30秒で10点ビハインドになりながらも、オンザコート2-1-1-2で挑んだ古田 悟HCの期待に応えたジェフリー・パーマーが12得点を挙げて躍動。ハシーム・サビート・マンカもリバウンドを8つ決めて続いた。ビーコルはどんどん追い上げて肉薄、遂には1点差に詰め寄った。
2Qでは細谷将司が6得点、攻撃の流れがさらに加速していく。和製ビッグマン佐藤託矢も4得点、ディフェンスでは気迫あるチャージでネオフェニックスを苦しめ爆追。3点差で前半を終えた。
後半に入ると、3Q早々9分10秒に高島一貴がアウトサイドから2Pシュート、さらには佐藤の2Pシュート、サビートが8分にダンクを沈めて遂に逆転した。
ディフェンスも機能した。ネオフェニックスは思うように得点が出来ない。しかし3Q中盤以降、追いつ追われつの接戦となるが、残り50秒で高島がここぞのアウトサイドからの2Pシュート、終了間際2秒でパーマーがインサイドからの2Pシュートを沈め、3点のリードを持って、最終クォーターに突入する。
フリースローのたびに沸き起こるビーコルブースターのブースターディフェンスがアリーナを地鳴りの如く揺らし、ネオフェニックスをさらに苦しめた。
4Q、波に乗ったビーコルは、ベテランのいぶし銀が光る竹田 謙のアウトサイドからの2Pシュートなどで突き放しを図る。しかしネオフェニックスの猛追に、佐藤とパーマーが続けてファウルアウトするなど苦しみながらも、決死のディフェンスが続いたが、終了間際16秒でついには1点差にまで迫られる。しかし海賊たちは怯まない。ビーコルブースターと共に勝利へと邁進する海賊一丸は、強固なままで最後まで崩れることはなかった。
終了間際、注目されていた田渡兄弟対決が勝敗を左右した。残り12秒、川村卓也が外したフリースローをリバウンドした#20カルティエ・マーティンが兄#73田渡修人にパス。弟の田渡 凌はそのボールを奪いスティールすると、それを追った修人がアンスポーツマンファウルを取られてファウルアウト。凌はフリースロー2本を決める。凌はベンチに下がった修人に向けて渾身のガッツポーズ。弟 凌が兄弟対決を見事制した瞬間だった。
凌は、さらに残り2秒でファウルを奪い、フリースローを1本沈めて勝利を決定付けた。その瞬間、海賊たちのホームアリーナは歓喜の坩堝と化した。
田渡 凌は、プロになって初めて闘った兄 修人との兄弟対決を試合後こう振り返っている。
「楽しかったですけど、前半から自分のパフォーマンスが良かったなかで、前半の最後に足首をやってしまって、なかなか自分のパフォーマンスが出せてなかったです。お兄ちゃんはシュートが入って、自分も勝負どころでファウルしてフリースローを決められて、ああやっちまったなと思っていたところを、最後(スティールからのアンスポーツマンファウルをお兄ちゃんから奪って)美味しいところだけ持っていきました(笑)」
古田悟HCは、この激勝をこう総括している。
「入り出しは凄く悪くて、一方的にやられてしまったんですけど、そのあとはよく我慢して、追いついたり離れたりでした。やはり、40分間を集中力切らさずに出来たというのが勝ちに繋がったと思います。得点ではもう少し入れたいところはあるんですけど、逆に良いディフェンスが出来たと思っています」
「ファウルトラブルもありましたが、いつもだったら我慢出来ないところも、みんながもう負けられないと分かっているので、最後のところまで、ファウルアウトしたJP(ジェフリー・パーマー)も含めて、今日ベンチ入りしたアレクのぶんも、みんな頑張ってくれました」
オンザコート2-1-1-2で挑んだ試合で、ジェフリー・パーマーが22得点、12リバウンド。ハシーム・サビート・マンカが13得点、15リバウンド。両外国籍選手が揃ってダブルダブルと大きく躍動した。
4Q 6分50秒、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスを沈めたパーマーの2Pシュートは気迫と気持ちがみなぎり圧巻だった。MVPに選ばれたパーマーはこう語っている。
「ブースターみんなのエネルギーがチームに乗り移った。厳しい闘いだったが、強いチームが勝った」
ハシーム・サビート・マンカは、この試合も、らしさを存分に発揮した。まさにゴール下の守護神といえる鬼神のブロックショットもここぞで炸裂。リバウンドも4と冴えに冴えた。試合後JA横浜賞に選ばれたサビートは通訳に、自ら田渡 凌を指名して、茶目っ気も忘れなかった。
「コンバンワ。今日は来てくれてありがとうございました。皆さんが来てくれたから勝てました。明日勝たないと今日の勝ちの意味がなくなってしまうので、明日も精一杯頑張るので応援をヨロシクお願いします!アザース!」
アザースは、田渡が教えたそうだ。ここまでの12試合で、サビートが完全にチームに溶け込んでいることをもの語るシーンだった。
そして、キャプテン湊谷安玲久司朱がコートに帰って来た。もちろんまだ怪我は癒えていないし、足も引きずっていて痛々しい姿だ。それでも、その姿を観れただけでも、うれしく力が大きく湧いたビーコルブースターも多いだろう。それはチームメイトも同じ想いだった。田渡 凌は試合後にこう語っている。
「僕らのチームは年上が多いのもあるんですけど、アレクさんはチームで4番目ぐらいの若さなんです。でもその中でも、アレクさんは誰にでも、もの事を言える人なんです。今日も、リズムが悪い時とか、タイムアウトでも、みんなに『今、こうしないといけない』というのを伝えてくれて、それが凄い助かりました。アレクさんがプレーをしていた時も同じことをやってくれていましたし、そういう立場で客観的に見てくれているのは本当に助かります。自分も試合中に熱くなって、カッとなっている時に、そういう言葉をもらえると、落ち着くし、ああそうだと、冷静にもなれるので、やっぱりアレクさんの存在は大きいです。アレクさんのために僕も頑張ろうと思います」
アレクは、ベンチで大きな声でチームメイトを鼓舞し続け、時にはレフェリーにも抗議した。アレクもまた共に闘っていた。まさにアレクがいたからこそ、掴めた今季の3勝目だった。
敵将、三遠ネオフェニックス藤田弘輝HCは試合後の会見で敗戦の悔しさと怒りを剥き出しにした。GAME2はただでは済まされないだろう。
古田悟HCは、更に引き締めGAME2に臨むが、この勝利で掴んだ手応えは大きいと語る。その表情には、これまでにない自信を感じた。
「この勝利を、明日に繋げないと全く意味のないことになってしまうんですけど、ただ(チームの)形が見えて来たのかなと正直感じています」
GAME2で、ネオフェニックスの逆襲を跳ね除け、今季初めての連勝をしてこそ、巻き返しに弾みがつくというものだ。今日もみんなでブースターしよう!!みんなで勝とう!!ゴービーコー!!
【写真・記事/おおかめともき】