今シーズンはより攻撃的に闘う!高島一貴選手に聞く。


期待の2017-18シーズンの出航へ!

大いなる期待、そして捲土重来を期するBリーグ2年目の闘いがいよいよ開幕する。

Bリーグ初年度の昨季は本当に悔しいシーズンだった。

あの悔しさを味わった海賊たちの今季に掛ける想いは並々ならぬものがある。

ここまでのバスケット人生で、数々の苦難を乗り越えてきた高島一貴もそのひとりだ。

彼は何を想いこのオフを過ごして来たのだろう。

「怪我の具合もあったのですが、休まず、上手く調整しながら、ずっと練習をしていました」

そして、決意の言葉を続けた。

「今シーズンは、より攻撃的に行くつもりです!」

頼もしい宣言だった。

「僕と同じポジションの選手が沢山いることになったので、自分の負担が若干減るようになりました。その上で、ディフェンスはもちろんですが、今年は点を取りに行きたいんです。

昨シーズンは、3Pシュートを打つ機会がほとんどなくて、どちらかというと、来たものを合わせての2Pシュートだったり、ドライブしたりってことが多かったので、ひとつ武器が欲しいなと思っています。」

その口調は穏やかながら、瞳の奥には力強い輝きがあった。オフの練習ではただひたすら打ち込んでいたという。

「新しい自分の武器として飛び道具を持っていたら、またチームのバリエーションが増えるのかなと感じていたんです。やっぱりサイズが小さいぶん、走るバスケットになってくると思うんですけど、その中で川村卓也のマークが厳しいときに、自分が外で3Pを打てれば、2点ではなくて3点というのを意識して、ここまで練習してきました」

 

昨季の5月19日の残留プレーオフ、そしてアーリーカップで、チームが劣勢のなかで、ここぞで決めたシュートには勇気が沸いた。

5月19日富山とのB1残留プレーオフ。3Q残り2分4秒で果敢なファストブレイクで一時は逆転の2Pシュートを決めた。

「そうですね。非公開でしたが、練習試合も多くやってきたので、3Pを打てるようになって来たので、少しは自信にはなっています。このまま確立を維持出来てれば、面白くなってくるんじゃないかなと。またひとつ成長出来るのかなって自分自身感じています。開幕がすごく楽しみです」

その起死回生のシュートに歓喜にわくチームとブースター。高島の渾身のシュートだった。

選手、ブースターが意気込んだアーリーカップでは、惨敗を喫してしまったが、高島選手の想いは強く熱い。

「チームが全員揃っていないっていうのは言い訳にはならないと思います。去年もJ・ウォッシュ(ジェイソン・ウォッシュバーン)が怪我したり、僕自身も怪我をしてしまいましたし、シーズン中どういう形になるかは分かりません。

ツイッターでも言っていたんですけど、(千葉)ジェッツさんみたいに、僕らは自分たちのバスケットボールの形をしっかりと持っていかないといけない。誰が出ても崩さずに継続出来るようにしていかない限りは、プレーオフは目指せません」

かつて共に苦しい時代を切り抜けてきた佐藤託矢選手が、京都ハンナリーズから移籍してきた。高島選手も、やはり期待を大きく持っているようだ。

「佐藤託矢が入って、インサイドっていうのもあるのかもしれないですし、アレク(湊谷安玲久司朱)もいます」

 

佐藤選手のデビューは、アーリーカップではなかったが、今季キャプテンを努めることになった湊谷選手は大きな存在感を示した。

「アーリーカップでは、チームとしての確立が出来ていなかったのを、その後の練習で詰めてきました。面白いチームに仕上がったと思っています」

 

アーリーカップのあと、高島選手は自身のツイッターで昨年のあの悔しさをみんなで味わったからこその強い結束があると投稿していた。その率直な言葉は心に強く響いたし、どんなときも、ブースターにメッセージを送り続けていた高島選手らしいメッセージだった。

「そう言ってくれると嬉しいです。昨シーズン、僕はずっと勝てるって言っていたんですけど、このチームは、本当にいいメンバーが揃っているんです。その中でJ・ウォッシュの怪我ひとつでチームがガタガタと崩れて、ああいう結果になってしまった。

年明けには千葉ジェッツさんにも勝って、このままプレーオフ目指せれるんじゃないかっていうチームだった。でも勝たない限り、周りの評価は、横浜弱いなって言われる。

勝たないとブースターさんにも喜んでもらえないですし、観てる人たちの評価も上がってこないっていうのが、プロスポーツの世界。僕がツイッターでいくら表現をしたとしても、結果は“勝ててないじゃん”って言われたらそれまでなんです。

あれだけの悔しい想いをしたメンバーが今年これだけ残った。今季に掛ける想いは強いし、今年こそは、あれだけ応援してくれるブースターさんをチャンピオンシップに連れて行きたいっていう気持ちは全員の気持ちです」

 

チームには変化も芽生えてきたという。

「昨シーズン以上に選手のなかで話し合うことがすごく多くなってきています。言いたいこともしっかりと言う。そして、それを改善していこうという意識が芽生えて来ています。昨シーズンのチームとは違うなと感じています。これがいい方向に進んでいけば、昨シーズン以上の勝率を収められると思いますし、チャンピオンシップも目指すことが出来るチームになると思います」

 

そして、今シーズンに掛ける想い。

「僕自身の個人の成績というよりも、チームの勝利を優先的にして、本当にチャンピオンシップに出ること。もう、ああいう辛い思いは二度としたくない。入替戦の時にあの場所に実際に立って、選手全員が感じたことだし、僕自身もああいった緊張感のなかでプレーしたことは本当に辛かった。

観てる人は、もっと辛いんだろうなと感じました。だから、やっぱりブースターさんを喜ばせたい。これが僕自身の今年の目標です」

 

高島選手は、ビーコルブースターへのメッセージでさらに力を込めた。

「今シーズン、新しいメンバーも加えて、ビーコルセアーズのBリーグ第2章が始まる訳ですけれども、選手だけじゃなくて、ブースターさんの応援っていうのが、選手の力になりますし、ブースターさん含めて、チームだと思っています。誰がじゃなくて、みんなでチャンピオンシップを目指して闘って行くっていうのを、シーズン最初から、みんなでやっていけたらなと思うので、ぜひ僕らに力を貸してください!」

今シーズンは、攻撃的に3Pシュートを狙いにいく高島一貴選手。ビーコルブースターとより多くの笑顔の歓喜を分かち合うべく闘う、背番号“2”の勇姿は必見注目だ。

【写真・記事/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame