2度の試食会参加から今度は生徒たちとの献立作りに。さらに踏み込んだビーコルの食育協力貢献
横浜市が推進している横浜型配達弁当『ハマ弁』。横浜市教育委員会事務局では、昨年2度にわたって市内中学校で試食会を開催。横浜ビー・コルセアーズは、これまでに、小原 翼がこれらの試食会に参加し、B-COR MAGAZINEでもその模様をお届けしてきたが、その第2弾として、今回も小原が参加して、生徒とバスケットボールを通じた交流や、栄養バランスの良い食事の大切さを学び、ハマ弁の献立を一緒に考える『ハマ弁プロデュース』を、昨年11月ビーコルの練習場があるたきがしら会館で開催した。
まずは最初にプロ選手の練習見学
この日参加したのは、横浜市立岩崎中学校男子バスケットボール部の生徒たち。『ハマ弁プロデュース』の前にはビーコルの練習を間近で見学した。初めて見るプロのBリーガーの熱のこもった練習に「身体から違う。シュートの感じもレベルが違うと感じた」「練習と練習の切り替えが早くて、やはりプロは違う」と皆、目を輝かせながら見入っていた。生徒たちが見学したのは、ちょうど個々の選手たちがワークアウトをしているところだった。練習を観られた側の小原は「選手たちそれぞれがどういった効果を狙い、自分たちに何が必要なのかを考えながらおこなった練習でした。中学、高校では、集団で何かをするプレーが多いと思います。その中で個人のワークアウトをどうやっていくのかは、彼らにとって刺激になったのではなでしょうか」と話す。
小原の中学生時代は、こういったプロ選手の練習見学はなかったそうだ。「今日は珍しい機会だったのかなと思います。いまバスケットボールが、どんどん有名になって、盛り上がってきています。その中で中学生の皆さんが、高校、大学、そしてプロへと、さらにステップアップをして繋がっていくことが、いまのバスケットボール界の向上に必要だと思っています。努力を凄くして欲しいですし、練習に励んでいって欲しいですね」(小原)
生徒たちから地元の先輩“Bリーガー”小原に質問!
その後、同会館内にある会議室に場所を移して『ハマ弁プロデュース』がスタート。まず小原が、生徒たちから、普段の食事やバスケットボールについての質問を受け、ひとつひとつ丁寧に答えていった。
気さくなお兄さんといった感じで接する小原に、生徒たちも徐々に緊張が解けていった。「横浜出身の選手で、とても親近感を感じました」「プロの意識の違いを学びました」「自分のチームにも(小原が卒業した)横浜高校にいく人もいて、盛り上がっていました。とても楽しい時間になりました」と話す生徒たちにとって、楽しくも有意義な時間になっていたようだった。
献立作りは、食についての講義を受けてから
続いて、横浜市の栄養士による食に関する講義がおこなわれた。バランスの良い食事の取り方、中学生が1回の食事で摂るべき栄養量、たんぱく質、カルシウム、カロテンなどの6つの食品群、より強くなるためのスポーツと食事の関係などが詳しくレクチャーされた。バスケットボールなどの瞬発系スポーツでは、大きな筋肉と動きやすい筋肉をつくることが大切であり、そのためにはたんぱく質をしっかりと摂ることが大切と説明されていた。
生徒たちと小原のハマ弁プロデュース
この講義からスポーツにおける栄養の知識を学んだ上で、いよいよ献立作りに入った。生徒たちは4つの班に分かれて、献立を作成。各テーブルには、紙で出来た主菜と副菜がズラリと並べられた。それを講義で得た知識をもとに、試行錯誤しながら、パズルのように組み合わせていった。
小原も各テーブルを行き来して、生徒たちと献立を考え、アイデアを出し合った。時には自身の経験を話してアドバイスしていた。そして、他にはない4つのオリジナル献立が完成。生徒たちがプレゼンテーションした。
出来上がった4つの献立は、ビタミンBが多く含まれた豚肉を主催にした『夏バテ対策弁当』、たんぱく質とカルシウムを同時に摂ることを意識して、グラタンなどを入れた『身長のびのび弁当』、“マッスル翼”こと小原を意識した『マッスルきんにく弁当!429cal』これには筋肉増強を狙って鶏肉とブロッコリーなどを入れた。4つ目のグループは、美味しさと栄養を両立させた『中華風スタミナ弁当』を提案。さらにはお雑煮、海老、黒豆、ローストビーフなどを入れた『お正月弁当』、骨なし七面鳥を入れた『クリスマス弁当』といった季節献立も提案していた。
自分たちが考えたハマ弁が出来たらうれしい
これら4つの献立案は、今後、中学生による人気投票を経て、今年6月を予定にして実現されることになっている。ハマ弁プロデュースを終えたばかりの中井音斗君と中村隼斗君に感想を聞いた。
「普段の生活から活かすことが出来る栄養のことも勉強になりましたし、ビーコルのプロ選手の方からバスケットボールでも活かせられることをいろいろと教えていただきました。自分たちが考えたハマ弁が出来たら素直にうれしいです」(中井君)
「栄養の勉強も出来ました。ハマ弁はこれまで食べたことがなかったのですが、興味を持ちました。今後食べてみたいと思います。僕たちが考えたハマ弁が出来たらうれしいです。ぜひ実現して欲しいです」(中村君)
私も食べたくなるような献立が沢山出来ました(引率したバスケ部顧問五十嵐 真先生)
生徒たちを引率した横浜市立岩崎中学校バスケットボール部顧問を務める五十嵐 真先生は、このように話す。
「子どもたちが、献立作りを上手く出来るか心配だったんですけど、小原選手にもアドバイスを頂いて、私も食べたくなるような献立が沢山出来て、とても楽しかったです。練習見学では、いつも会場で観ていた憧れの選手たちが、本当に間近で練習をしている様子が観れて、私自身も、子どもたちも、とてもいい経験が出来ました」(五十嵐先生)
五十嵐先生と小原の奇跡的な再会
また、五十嵐先生は、中学生時代の小原と縁があったそうだ。「今日、小原選手と会えるのをとても楽しみにしていました。小原選手が中学生の時に、県の選抜選手で、私が県の選抜大会のスタッフをやっていたんです。10年ぶりの再会でした」(五十嵐先生)「僕がいまバスケットボールをやっているのは五十嵐先生のお陰だといっても良いくらいなんです。五十嵐先生が、僕を引っ張り続けてくれなかったら、いまの僕はなかった。こういった形で五十嵐先生と再会するなんて、奇跡が起きました」(小原)ハマ弁がつないだこの奇遇な再会に、2人は心底喜んでいた。
生徒たちにとって、忘れられない貴重な機会になった(横浜市教育委員会・三石晃司さん)
横浜市教育委員会の三石晃司さんに今回のビーコルとの食育協力について聞いた。
「ビーコルさんと、食育を盛り上げようということで、何か連携できないかとお互いに考えておりまして、初期の段階で今日のような形でのプロデュース案が出ていました。これまでに、2つの中学校で小原選手にハマ弁を試食して頂いていたのですが、そのあとで、再びハマ弁をプロデュースする案が持ち上がって、一緒に献立を作る企画が出来ないかとなったんです」
「これまでに、中学校で献立を作ったということはありましたが、プロチームとタイアップしたり、プロ選手とコラボレーションしながら生徒たちが考えるということはありませんでした」
「小原選手には、栄養バランスのことや、バスケットボールのこと、普段の勉強のこと、私生活のこともお話していただいて、良い交流をさせていただきました。生徒たちにとって、忘れられない貴重な機会になったと思います」
みんなが食べたくなるような献立を考えてもらいました(小原 翼)
ハマ弁プロデュースを終えた小原に話を聞いた。
「僕の中での『一番ご飯が進むで賞』は、D班の中華弁当。アイデアとして面白かったのは、身長のびのびチームのグラタンです。ああいったアイデアを出してくるのは凄いと思います」
「子どもたちと話し合いながら作っていったんですけど、みんな僕に寄せてくるんです。筋肉であったり、身長のびのびだったり。みんな、僕を意識して、考えてくれていたんだなぁと思うとうれしかったです。実現する献立がどれになっても、うれしいですよね」
「子どもたちからは、意見が沢山出ました。意見やアイデアがどこまで出てくるのかを、とても楽しみにしていたんですけど、各班ごとにいろんなアイデアが出ていました。凄く変わったアイデアもあったんですけど、それぞれが被ることなく、新しい献立が出来上がって良かったと思います」
「あの世代の子どもたちと接したり、対話する機会は、なかなかないんですけど、今日彼らとコミュニケーションを取ることが出来て良かったです」
「みんなが食べたいものを選んでもらいました。栄養面はもちろんですけど、食べたくなるような献立を考えてもらいました。間違いなく、中学生の皆さんのお口に合う献立になると思います。発売されたら、ぜひ注文して欲しいですね」
地域への貢献に力を入れるビーコルは、地元の子どもたちの食育にも協力を惜しまない。今後もハマ弁を通じた活動でその貢献を推し進めていく。
【取材・写真・記事/おおかめともき】
・ハマ弁注文サイト
https://www.hamaben.jp