海賊が逆襲の百点ゲームでGAME2を圧勝!GAME3は2Qで逆転して逃げ切り勝利を決める!次の2回戦で対戦する富山に昨季の残留PO2回戦で敗れた悔しさを晴らす!
B1残留プレーオフ1回戦GAME2(5月12日 横浜文化体育館)
横浜ビー・コルセアーズ 102-81 西宮ストークス
24-27|28-12|20-25|30-17
B1残留プレーオフ1回戦GAME3(5月12日 横浜文化体育館)
横浜ビー・コルセアーズ 20-18 西宮ストークス
8-11|12-7
5月12日、ビーコルのホーム横浜文化体育館で「B1 残留プレーオフ 1回戦 2017-18」がおこなわれ横浜ビー・コルセアーズと西宮ストークスがGAME2を闘いビーコルが前日の悔しさを一気にぶつけた3桁百点ゲームで西宮に圧勝した。
これでB1残留プレーオフは1勝1敗となり、20分後におこなわれた特別ルールによる10分間(前後半各5分)のGAME3がおこなわれ、前半はストークスが優位に試合を運んだが、後半で追い上げたビーコルが執念のオフェンスリバウンドで逆転。2点のリードを守り切ってB1残留プレーオフ1回戦を突破した。
B2プレーオフで、来季のB1ライセンスを持たないFE名古屋が敗退したため、ビーコルは5月19日(土)におこなわれる片柳アリーナ(日本工学院専門学校)でのB1残留プレーオフ2回戦への進出が決定。奇しくも昨季の残留プレーオフ2回戦と同じ相手、富山グラウジーズと対戦することになった。ビーコルにとっては、あの時に味わった悔しさを晴らすリベンジゲームとなる。
ストークスは、GAME2で3Pシュート4本を含む16得点、GAME3で3Pシュート1本を含む5得点を挙げた岡田 優。GAME2で3Pシュート3本を含む29得点、GAME3で3Pシュート1本を含む8得点を挙げたドゥレイロン・バーンズらの得点でビーコルを苦しめたが、GAME2後半でシュートミスが増え、ビーコルに逆転を許した。
前日のGAME1で敗れB1生き残りにあとがなかったビーコルは、個に走ることなくチームバスケを遂行。GAME2では4人が15点以上の得点を入れ、GAME3では川村卓也とハシーム・サビート・マンカが勝負どころの後半でここぞでの得点を入れた。
ストークスが前日の試合で、ほとんどやらなかったゾーンディフェンスにビーコルはインサイドのオフェンスで苦しんだが、執念でリバウンドを多く獲り、前日に17本あったターンオーバーも減らすことに成功。結果オフェンスにも流れが生まれ勝利に繋げた。
ビーコルにとってはこの横浜文化体育館が今季最後のホームゲーム。駆けつけたビーコルブースターで埋め尽くされた。また前日に続いて、西宮ブースターが大挙駆けつけストークスに熱いブーストを送り、試合前と試合後にはエールの交換がおこなわれた。
GAME2でのスターティング5は、ビーコルがこれまでと同じ細谷、川村、満田、佐藤、マクドナルド。ストークスも前日と同じ道原、谷口、石塚、岡田、リドリーの布陣だった。
またビーコルは、前日にベンチ入りのなかったベテラン蒲谷正之をこの試合でベンチ登録。代わってキャプテン湊谷安玲久司朱がベンチ入りから外れた。
1Qはストークス優勢で始まった。前日に21得点を挙げていた岡田 優がこの日も好調を維持。最初のクォーターだけで3Pシュート4本で14得点を挙げて得点の起点となった。
一方のビーコルはストークスのゾーンディフェンスに苦しみインサイドのシュートが決まらず開始の約2分間で得点が出来ない。またこの時間帯で許した2本のターンオーバーが失点に繋がり、ストークスに立て続けにシュートを入れられてしまう。
前日に29得点を挙げていた川村卓也が8分4秒にマクドナルドのディフェンスリバウンドから沈めた3Pシュートでの4点バスケットカウントから反撃開始。
直後にウィリアム・マクドナルドがアウトサイドから2P。ビーコルは速攻でストークスのゾーンディフェンスを崩しにかかる。6分2秒には相手の一瞬の隙を突いた細谷将司がインサイドに切り込んで2Pを沈めた。
3分から1分の時間帯では前日に右足首捻挫から復帰していたジェフリー・パーマーがインサイドから3連続で2Pを沈めて流れを生んだ。
2分30秒に竹田 謙が、執念のヘルドボールでジャンプボールシチュエーションをもぎ取りスローインを得る。竹田は必死にボールに食らいつき、氣魄を剥き出しにした。
以降、川村卓也が沈めた3Pとアウトサイドからの2Pなどで得点し、3点のビハインドながら良い流れを持って1Qを終えた。この日のビーコルは執念でリバウンドを多く奪い、そのほとんどを得点に繋げた。1Qは24-27でストークスがリード。
2Qの8分38秒にハシーム・サビート・マンカのディフェンスリバウンドから田渡 凌がミドルシュートで2Pを沈めてビーコルが逆転。さらには7分28秒にパーマーがレイアップで2Pシュート、7分1秒にはサビートが2Pシュートで3点のバスケットカウントを決める。
ストークスは、谷 直樹の3P、道原紀晃の2Pで応戦。ここから両チームは激しいクロスゲームになって行った。
ビーコルは、パーマー、サビート、田渡のシュートなどで得点をかさね、2分49秒のパーマーの3Pで逆転に成功。以降、川村のアウトサイドからの2P、満田のインサイドからの2P、パーマーのインサイドからの2P、サビートの3点バスケットカウント、川村が確実に沈めたフリースロー2本で立て続けて得点してリードを広げた。2Qは28-12でビーコルがリードを奪い返し、トータルスコア52-39でビーコルが13点のリード。
2Q終了間際の残り4秒で川村のシュートを防ぎに行った岡田が、サビートと接触転倒して足を痛め、そのままベンチに下がるアクシデントがあった。岡田はその後3Qで3分33秒間プレーしたが、4Qでの出場はなかった。
3Q開始早々9分22秒に細谷将司が3Pシュート。8分13秒にはレイアップを決めた。さらに細谷は5分から4分の時間帯で3Pと2Pを沈めてオフェンスを勢いづかせ、このクォーターでの起点となった。
ストークスは、ビーコルディフェンスに苦しみ2Qで岡田が入れた2Pから3Q 7分16秒の梁川禎浩の2Pまで19-0のランを許し、ビハインドが20点に増えてしまったが、終盤にバーンズがフリースローを含む10連続得点で猛追。3Qを20-25でストークスがリードを奪い返した。トータルスコアでは72-64となりビーコルが8点差でリード。
4Q、サビートが9分15秒にインサイドから2Pシュートを沈める。さらにはフリースロー4本を確実に決めた。5分の時間帯では自らのオフェンスリバウンドから沈めた2Pと、川村のスティールから渾身のダンクを沈めた。
6分の時間帯では、マクドナルドと満田丈太郎がインサイドから2P。4分から2分の時間帯では川村と満田の2P。細谷のフリースロー2本と3P。マクドナルドが細谷のスティールから沈めたダンクで得点を90点台にまで伸ばす。
2分46秒に、ベテラン蒲谷正之が満田に代わってコートイン。Mr.ビーコルである蒲谷は、前回の西宮戦GAME2で成功率100%で15得点を挙げながらも、前日のGAME1でベンチ入りを外れていたが、B1残留へあとがないこの試合で満を持してベンチ入りし、この時を待っていた。
蒲谷は、3Qでも4分15秒に渡ってプレー。この試合ではトータル7分2秒でアグレッシブにプレーして貢献。その存在感を存分に示した。
4Qの1分55秒にはアウトサイドから蒲谷らしいフォームで2Pを沈めてみせ、チームの三桁得点となる101点目をもたらした。残り57秒にはフリースロー1本も沈めている。
ストークスは、後半でシュートミスが多くなり、得点が思うように伸びなかった。またファウルもかさみ、ビーコルに14本ものフリースロー機会を与えてしまったのが響いた。
4Qは30-17。ビーコルが30点を入れた猛攻でクォーターでのリードを奪い返した。ファイナルスコアは102-81。ビーコルが今季初の百点ゲーム(天皇杯は除く)102得点で、ストークスに21点差を付けて圧勝。執念と魂のバスケで三桁得点を挙げ、前日にやられた借りを返した。
GAME2のスタッツはビーコルがサビート18得点、細谷とパーマーが17得点、川村15得点(11アシスト)、マクドナルドが10得点。ビーコルは2桁得点が5人。またチームが獲った53本のリバウンドは、海賊たちの執念のあらわれだった。
ストークスは、バーンズが両チーム最多の29得点。岡田16得点、梁川が14得点だった。
これでB1残留プレーオフ1回戦は1勝1敗となり、両チームの運命は、GAME2の20分後におこなわれた10分間(前後半各5分)のGAME3にまで持ち越された。
GAME3でのストークスのスターティング5は、バーンズ、道原、石塚、梁川、岡田、リドリーとなった。ストークスの高橋哲也HCは、2Q終了間際に転倒した岡田をGAME2の4Qで敢えて使わず、GAME3を見据えて温存し休ませていた。休養出来た岡田をGAME3で先発起用して勝負に出た。
ビーコルのスターティング5は、川村、パーマー、田渡、竹田、サビートの布陣。GAME2で二桁得点の3人を入れてきた。田渡と竹田をスタートに使った理由を尺野将太HCは試合後にこう明かしている。
「田渡選手で勢いと作りたかったのと、相手に勢いをつかせないために竹田選手を起用しました」
岡田とバーンズのシュートを止めるために取った策だった。岡田には竹田、バーンズのところにhパーマーをそれぞれ付かせるという意図だった。
5分ハーフの短期決戦の前半戦。開始早々にバーンズとリドリーの連続2Pで西宮が主導権を握る。
ビーコルは、逆ローポストのパーマーからのパスをサビートが素早いシュートで決めた2P。川村が自身のスティールから沈めた3Pで追撃。しかし、1分の時間帯でターンオーバーと奪われたリバウンドから岡田に3Pと2Pを連続して入れられてしまう。
ビーコルは1分30秒に竹田に代えて満田丈太郎を投入。その満田は直後にレイアップを決めて起用に応える。
1分4秒にバーンズが2Pシュート。残り43秒で川村がフリースロー1本を沈めて前半を終えた。前半は8-11。ストークス3点リードで、命運かかる後半戦に投入する。
後半戦序盤に激しいリバウンド争いが展開される。4分にバーンズが、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスで3Pを入れて、ビーコルには嫌な流れになる。
直後の3分46秒にビーコルは、細谷将司がストークスの2-3のゾーンディフェンスの境目から3Pを沈める。
直後、細谷はディフェンスでも氣魄をみせた。梁川禎浩のドライブの正面に入り、体を張ったチャージングでシュートを食い止める。梁川は細谷を倒したのちにシュートを入れたがオフェンスファウルとなり、得点は認められずビーコルボールに。細谷は雄叫びを上げた。細谷の怪我をも恐れぬ勇気あるプレーで流れが変わった。
さらにビーコルは、パーマーがゾーンディフェンスを突破したインサイドの2Pシュートと、サビートのフリースローで1点差にまで肉薄。
ストークス1点リードの2分58秒、この日GAME2とGAME3でフリースローを100%決めていたバーンズが、パーマーのファウルから2本のフリースローを得る。ビーコルブースターは地鳴りの如き怒濤のブースターディフェンスをバーンズに浴びせ、流石のバーンズも2本目こそ決めたが1本目をミス。ストークスのリードは2点になった。
2分36秒、石塚のファウルからフリースロー得たサビートが1本を決めてビーコルが1点差に肉薄。2本目は外したが、サビートは外したボールをすかさず掴んで、見事ゴールに入れてみせた。
この執念のオフェンスリバウンドから入れた渾身の2Pシュートでビーコルが遂に逆転。短期決戦で一気に形勢逆転となり、ストークスが持っていた流れをビーコルが奪い返し、ビーコルブースターで埋め尽くされた横浜文化体育館は興奮の坩堝となった。
押せ押せの展開となったビーコルは1分45秒に川村が2Pを沈める。これでビーコルのリードは3点になった。
残り45秒、オフェンスリバウンドからサビートのシュートを防ぎにいったバーンズがファウルを取られ、2本のフリースローを得たサビートが1本を沈めて4点差。
しかし、B1に生き残りたい執念で必死に食らいつくストークスは、残り34秒で道原がロングショットで3Pシュートを入れて、その差はわずかに1点。
残り5秒でファウルゲームに出たストークスは、リドリーが川村にファウルしてフリースロー2本を与えた。川村は1本目を沈めて、ビーコルのリードは2点になった。
2本目が外れ、道原がこのリバウンドを奪い3Pシュートを打ち、ラスト1秒で逆転ブザービーターを狙ったが弾かれタイムアップ。
20−18でGAME3もビーコルが勝利して連勝。残留プレーオフ1回戦突破を決めた横浜文化体育館は、歓喜の坩堝と化した。
翌日のB2プレーオフでFE名古屋が敗れたために、横浜ビー・コルセアーズは5月19日(土)におこなわれる片柳アリーナ(日本工学院専門学校)でのB1残留プレーオフ2回戦への進出が決定。
1回戦敗退となった西宮ストークスは、FE名古屋の勝敗の行方でわずかに望みがあったが、FE名古屋が敗退したためにB2降格が決まってしまった。ストークスは昨季にB1昇格を果たしたが、わずか1シーズンでの降格となり、来季は再昇格を目指す。
また他会場でも残留プレーオフとB2プレーオフがおこなわれた。その結果、島根が西宮と共にB2降格。昨季ビーコルとB1残留プレーオフ1回戦を闘って敗れていた秋田が1年ぶりにB1復帰を果たし、福岡がB2参入1年目にしてB1昇格を果たした。
試合後に会見したストークス高橋哲也HCはこう総括している。試合後に会見上にあらわれた高橋HCの表情は悔しさを滲ませながらも、雌雄を決する決戦を闘い切ったすがすがしさが感じられた。
「ありがとうございました。まずレギュラーシーズン60試合という長いシーズンと、残留プレーオフの3試合を最後まで、凄く苦しいシーズンを送ったと思うんですけど、横浜さんのチーム関係者の方、選手、スタッフ、ブースターの方々に敬意を評したいと思います」
「本当にお互いリーグの順位は悪くて、凄く苦しいシーズンを送ったと思うんですけど、最後、横浜さんの頑張りが勝ったゲームだったと思います」
「我々も、凄く苦しいシーズンの中でゾーンディフェンスばっかりやっている時間があったり、バーンズをガードで使ったり、ビッグマンで使ったり、選手を代えたり、道原をポイントガードにしたりと、いろいろと取り組んできた成果が出て、この残留プレーオフの第3戦に来れたと思っています」
「結局最後は、横浜さんにかわされてしまいましたが、最後の第3戦まで闘えた彼らの成長には、僕自身感動しました」
「ただ、やっぱり足りないところがあったから負けたわけで、レイアップを決め切るであるとか、リバウンドを取るとか、足を動かして相手を止めるとか、頑張って戻ってファストブレイクを出させないとか、本当に基本的な力が足りていないからレギュラーシーズンの順位も、今日の結果にも繋がったと思います」
「たまたま負けたとかで終わらせてしまうと、今の選手には未来がないと思うので、選手は少しだけ休んで、明後日からでも、明日からでも練習を始めて欲しいと思います。皆さんも、お疲れ様でした」
また、ラスト1秒で逆転の3Pシュートを外しコートで悔しさから涙した道原紀晃についてこう語り、エールを送っている。
「あれを決めれる選手になるのが、彼が次に目指すステップだと思います。彼にとっては成長に繋がるシーズンだったと思います。(3Pを外したあと)彼はうずくまって泣いていましたが、バスケットの人生なんてあとちょっとで終わってしまうので、あの悔しさを、残りのキャリアと残りの人生に活かして欲しいと思います。ずっと努力している奴が、絶対成功すると思うので、彼がまたひと皮むけることに期待したいです」
雌雄決する激戦を制した横浜ビー・コルセアーズの尺野将太HCはこう総括している。
「良かったです!本当にそれだけです。昨日の修正点としてターンオーバーを減らすこと、リバウンドをしっかりと取って、相手にセカンドチャンスを与えないこと。とにかくこれが今日勝つために必要なことでした」
「ウチのターンオーバーがGAME2で6。相手のオフェンスリバウンドが5で、ウチがオフェンスリバウンド18。これはやるべきことに集中して出来た結果だと思います」
「これがGAME3にもそのまま続いて、GAME3でウチがターンオーバー1、相手のオフェンスリバウンドが2。ウチのシュート確率はあまり良くはありませんでしたが、今日のゲームでやるべきターンオーバーを減らして、リバウンドでウチが勝つことが出来た。選手がこの二つのことを、どんな時でもしっかりとやってくれたお陰だと思います」
残留プレーオフ2回戦については、この時点でFE名古屋の勝敗がわからないのと、相手がまだ決まっていないとした上でこう語っている。
「やることがまだ残っている。まだ勝ち残ったわけではないですし、崖っぷち、首の皮一枚の状況は変わっていなことを忘れずに、集中力を切らさないこと。2回戦は一発勝負なので、まずは選手たちのコンディションを整えること。スカウティングもしっかりとやって、いい練習をしっかりとやりたいと思います」
さらに尺野HCは、残留プレーオフ2回戦に向けて、共に闘うビーコルブースターにメッセージを送っている。
「ブースターの皆さんの声援のお陰だと思っています。本当に次を勝って、B1残留を決めて恩返ししたいと思います」
B1残留プレーオフを突破したあと、ビーコルのロッカールームでは選手たちがそれぞれに喜びの表情をみせた。
2回戦の相手は、富山グラウジーズに決まった。昨季の残留プレーオフ2回戦で闘い敗れた相手だ。あの時を闘ったチームスタッフ、選手、ビーコルブースターは誰一人、あの悔しさを忘れてはいない。
あの悔しさを晴らすことが出来た時、誇り高き横浜の海賊たちはB1に生き残ることが出来る。
一発勝負の決戦は、5月19日(土)片柳アリーナ(日本工学院専門学校)でおこなわれる。
【記事・写真/おおかめともき】